MS法人についてvol.1 

原聡彦

原聡彦

テーマ:医療経営の処方箋

本日より、「マイベストプロ大阪」に掲載頂くことになりました。

私は、医療機関専門の経営相談・コーチング・コンサルティング活動を行う合同会社MASパートナーズ の代表 原聡彦(はらとしひこ)です。どうぞ、よろしくお願い致します。


本日より、「医療経営の処方箋」というコラムを連載させて頂きます。

このコラムでは、私が日々の経営相談・コーチング・コンサルティング活動を通じて医療機関の経営の現場から「学んだ事」や「気づいた事」を綴ります。

第1回目は、メディカル・サービス法人(MS法人)についてお伝えしたいと思います。
会計事務所勤務時代に所得の高い院長先生から「メディカル・サービス法人(以下 MS法人)って節税できると聞いたけど、
どんなことができるの?」「MS法人設立のメリットデメリットは?」とよく聞かれました。

【1】MS法人でできる事
1.病医院の建物をMS法人に所有させ病医院に賃貸できる。
2.病医院の事務職員をMS法人に所属させ病医院に業務請負できる。
3.病医院の医療機器・車両をMS法人に所有させ病医院にリースできる。
4.病医院で出来ない事業(不動産賃貸業、物品販売等)ができる。

MS法人は、通常の株式会社、合同会社、有限会社なので医療業以外の事業を行うことができます。

【2】MS法人設立のメリット・デメリット

☆メリット
1.MS法人の利益は法人税が適用となり節税できる。
2.MS法人に留保された利益を株主に配当することができる。
3.MS法人の株主は制限が少ないので株主の選定により生前贈与(相続対策)が可能となる。
4.MS法人で大きな設備投資を実施した際は支払った消費税の一部を還付させる選択肢もある。

☆デメリット
1.消費税の納税義務者となる場合、納税負担が増える。
2.MS法人設立により管理事務の時間とコストは増える。
3.病医院に利益が出なければ、実質納税負担が増える。
4.税務調査で病医院との取引が否認されないよう税務対策が必要となる。


最近ではMS法人の設立のご相談を頂いたら節税目的であれば、上記のデメリットを理由に設立をお勧めしておりません。
相続対策(争続対策)が必要な方であれば有効なツールとなり得るケースもあるので、MS法人設立の目的を明確にし
顧問税理士等の専門家にもご相談いただき明確な目的を持ってMS法人の設立をご検討してください。

最後までお読み頂きありがとうございました。
感謝!

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原聡彦
専門家

原聡彦(医業経営コンサルタント)

合同会社 MASパートナーズ

院外事務長(事務長代行)、院長夫人コーチング、医療法人運営サポート、医院開業支援など、院長先生の経営のブレーンとして財務と人事の面から健全経営を継続できる環境づくりをサポートいたします。

原聡彦プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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