肋間神経痛の原因|脇腹や背中の鋭い痛みは「猫背」と「呼吸」

東角剛司

東角剛司

テーマ:身体の痛み・不調

みなさん、こんにちは。

こころ鍼灸整骨院の東角です。

「深呼吸をしたり、体をひねったりした瞬間に脇腹に鋭い激痛が走る。」

「背中から胸にかけて電気が走るようなビリビリとした痛みが続いて不安だ。」

「心臓や肺の病気かと思って検査をしたが、異常なしと言われて困っている。」

そんな、突然襲ってくる正体不明の「肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)」に怯えていませんか?

場所が場所だけに、重大な病気ではないかと心配になりますよね。

しかし、病院の検査で内臓に問題がないのであれば、その痛みの原因は病気ではなく、肋骨(あばらぼね)周りの「環境悪化」にあります。

肋間神経痛の多くは、姿勢の崩れによって肋骨の間隔が物理的に狭まり、神経が骨や筋肉に挟み込まれることで発生します。

その背景には、上半身を丸めて固めてしまう「猫背」と、肋骨を動かさなくなる「浅い呼吸」という、明確な物理的要因が隠れているのですね。

今回は、シップを貼って耐える前に知っておくべき、脇腹が痛くなる生理学的なメカニズムについて解説しましょう。

特に見過ごされがちな【肋骨(ろっこつ)の密集】【肋間筋(ろっかんきん)の硬直】に焦点を当て、痛みから解放されるための知識を、みなさんと一緒に詳しく見ていきます。

なぜ、肋骨の間で神経がパニックを起こすのか?


まず、痛みの現場である「肋骨の間」の構造を理解しましょう。

私たちの胸部には左右12本ずつの肋骨があり、その一本一本のすぐ下を「肋間神経」という細い神経が走っています。

この神経は、背骨から出て脇腹を通り、胸の前までを一本の線のように繋いでいるのですね。

正常な状態であれば、肋骨の間には十分な隙間があり、神経は自由に動くことができます。

しかし、何らかの理由で肋骨同士の距離が近くなりすぎると、中の神経は上下の骨にサンドイッチのように挟まれてしまいます。

この「物理的な締め付け」が電気のような鋭い痛みの正体。

つまり、肋間神経痛は神経の病気ではなく、「神経が通るトンネルの崩落事故」といえるでしょう。

神経を挟み込んでしまう、2つの物理的要因


では、なぜ安全だったはずの隙間は狭くなってしまったのでしょうか?

そこには、現代人の座り方の癖と、呼吸に関わる筋肉のトラブルが深く関わっています。

隙間を潰す「長時間の猫背」


これが、肋間神経痛を引き起こす主要な物理的要因の一つ。

パソコンやスマホを操作しているとき、背中を丸めて肩を前に出していませんか?

上半身が前かがみになると、体の前側や脇にある肋骨同士が物理的にギュッと密集し、神経の通り道を塞いでしまいます。

特に、椅子に浅く座って背もたれに寄りかかる姿勢は、肋骨を無理やり押し潰す形になるため非常に危険。

一度この「密集状態」で筋肉が固まると、深呼吸をしただけでも神経が骨にこすれて激痛を招くのですね。

右や左、どちらか特定の側ばかり痛む人は、日常の姿勢が左右どちらかに傾いている証拠といえるでしょう。

カゴを固める「ストレスによる浅い呼吸」


もう一つの要因は、肋骨を動かすための「エンジン」の停止。

肋骨の間には「肋間筋(ろっかんきん)」という、呼吸に合わせて肋骨を広げたり閉じたりするための筋肉があります。

しかし、ストレスや緊張が続いて呼吸が浅くなると、この筋肉は使われずに固まってしまいます。

肋間筋がコンクリートのように硬くなると、肋骨はアコーディオンが閉じたまま動かないような状態になり、中の神経を常に圧迫し続けます。

エンジン(筋肉)が錆びついているため、不意に体をひねった時に筋肉が伸びず、神経を強く引きちぎるようなストレスを与えてしまうのですね。

痛みを鎮め、隙間を広げる!「生活の知恵」


肋間神経痛を改善するには、物理的に肋骨の間隔を確保し、過敏になった神経を落ち着かせる環境作りが必要不可欠となります。

「脇の下」を温める温熱ケア


神経の興奮を物理的に鎮めるための、温熱の知識。

痛みが出ている場所、あるいはその背中側に「カイロや蒸しタオル」を当ててみてください。

40度程度の熱を当てることで、血管が広がり、硬くなっていた肋骨の間の筋肉が緩んで神経への圧迫が緩和されます。

冷えは血管を収縮させて神経をより敏感にさせるため、冬場だけでなく夏場のエアコン対策としても「温める」という知識があなたの体を救います。

お風呂でゆっくりと脇腹までお湯に浸かることも、最高の鎮痛剤になりますよ。

「ため息」による肋骨のリセット


密集した肋骨を内側から広げるための、呼吸の知恵。

痛みが少し落ち着いている時に、鼻からゆっくり吸って、口から「はぁーっ」と大きなため息をついてください。

限界まで息を吐き切ることで、横隔膜が大きく動き、固まっていた肋骨のカゴに強制的な「ゆとり」が生まれます。

吸うことよりも「吐き切る」ことを意識することで、肋骨を締め付けていた筋肉のロックが外れやすくなります。

1時間に一度、大きく吐き出す習慣をつけるだけで、夕方の脇腹の突っ張り感は劇的に軽減されるはずです。

「万歳(ばんざい)」でスペースを確保する


持続的な圧迫を物理的に解除するための、環境設定。

デスクワークの合間に、両腕を頭の上に真っ直ぐ伸ばして、ぐーっと背伸びをしてください。

腕を上げる動作は、物理的に肋骨を一本一本引き剥がして間隔を広げる、最も効率的なリセット方法です。

縮こまっていた胸郭(きょうかく)に隙間ができれば、神経は圧迫から解放され、血流も回復します。

「座りっぱなし」を30分に一度中断する。この一工夫が、激痛の再発を防ぐための最強の盾となるのですね。

まとめ:脇腹の解放は「カゴの柔軟性」の復活にあり


さて、今回は「肋間神経痛の原因|脇腹や背中の鋭い痛みは『猫背』と『呼吸』」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?

心臓の病気かと不安にさせたその痛みが、単なる神経の病気ではなく、姿勢や呼吸による「物理的な挟み込み」の結果であることを、ご理解いただけたかと思います。

その痛みは、あなたの体が「もう窮屈で限界だよ!」「肋骨の隙間を広げて!」と必死に出しているサインなのです。

では、今日のポイントをまとめます。

  • 肋間神経痛は、肋骨の間を走る神経が、狭まった骨や硬い筋肉に圧迫されることで発生する。
  • 猫背姿勢は、左右の肋骨同士を物理的に近づけ、神経をサンドイッチにしてしまう主要な要因となる。
  • 浅い呼吸による肋間筋の硬直は、肋骨の動きをロックし、神経へのダメージを悪化させる原因となる。
  • 対策として、脇の下を温めて筋肉を緩めること、大きく吐き出す呼吸で肋骨の隙間を再確保することが、改善への近道となる。


体は、正しい環境さえ整えてあげれば自ら治ろうとする力を持っています。

「また痛くなるかも」と怯えるのをやめて、まずは胸を大きく開いて新鮮な空気をたっぷりと吸い込んでみてください。

隙間さえ確保できれば、神経は再び静かになり、あなたの脇腹には本来の自由な感覚が戻ってくるはずです。

こころ鍼灸整骨院

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東角剛司
専門家

東角剛司(柔道整復師・はり師・きゅう師)

こころ鍼灸整骨院

構造医学の視点から、個々の体の動かし方に合わせて骨格を整えます。肩や腰などの慢性的な痛みに向き合い、整骨院に通わずに済む健康な体づくりをサポート。実務者向けのセミナーも開催しています。

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