起立性調節障害の原因|立ちくらみ・だるさは「血流」と「自律神経」にあった

東角剛司

東角剛司

テーマ:身体の痛み・不調

みなさん、こんにちは。

こころ鍼灸整骨院の東角です。

「朝、目が覚めても体が鉛のように重くて、どうしても起き上がれない。」

「急に立ち上がった瞬間に目の前が真っ暗になり、激しい立ちくらみがする。」

「午前中は頭がボーッとしてやる気が出ないのに、夜になると目が冴えてしまう。」

そんな、本人にしか分からない心身のつらさ、「起立性調節障害(OD)」や原因不明の立ちくらみに悩まされていませんか?

周りからは「気合が足りない」「夜更かしをしているからだ」と誤解され、孤独な思いをしている方も多いかもしれません。

しかし、もしあなたが「頑張りたいのに動けない」のであれば、それは決して性格や怠けの問題ではありません。

あなたの体の中で、重力に逆らって血液を脳へ運ぶ「ポンプのスイッチ」が物理的に入りにくくなっている状態なのです。

その背景には、自律神経の切り替えミスによる「下半身への血液停滞」と、脳への血流を邪魔する「首の環境」が深く関わっています。

今回は、精神論で解決しようとする前に知っておくべき、立ちくらみや朝のだるさが起きる生理学的なメカニズムについて解説します。

特に見過ごされがちな【重力に対する血管の反応遅延】【水分・ミネラルバランスの崩れ】に焦点を当て、朝の活力を取り戻すための知識を、みなさんと一緒に詳しく見ていきましょう。

なぜ、立ち上がると頭の血が引いてしまうのか?


まず、私たちの体が立ち上がる時に、内部でどのような「自動制御」が行われているかを理解しましょう。

人間の脳は、全身に送られる血液の約15%から20%を消費する、非常に大食いな臓器です。

横になっている時は、脳と心臓が同じ高さにあるため、血液を運ぶのは簡単。

しかし、立ち上がった瞬間に、血液は重力に従ってドッと足の方へ流れていこうとします。

通常、健康な体であれば、自律神経が瞬時に「足の血管をギュッと締めて、血液を上へ押し戻せ!」という指令を出します。

この反射によって、私たちは立ち上がっても脳の血圧を一定に保つことができているのです。

起立性調節障害とは、この自律神経のスイッチがうまく入らず、「脳が一時的な酸欠状態」に陥ってしまう不具合を指します。

スイッチを狂わせる、2つの物理的要因


では、なぜ体は血液を上へ戻す指令をスムーズに出せなくなったのでしょうか?

そこには、血管の収縮力の低下と、指令を送る神経の通り道の問題が潜んでいます。

ポンプが動かない「循環血漿量の不足」


これが、立ちくらみを引き起こす主要な物理的要因の一つ。

血管を締める力が弱まっているだけでなく、運ぶべき血液(水分)そのものが足りていないケースが非常に多いのです。

特に朝は、睡眠中にコップ1杯以上の汗をかくため、血液がドロドロになり、全体量が減っています。

血液のボリュームが少ないと、立ち上がった時の血圧低下をカバーしきれず、脳への供給が真っ先にストップしてしまいます。

また、塩分(ナトリウム)を極端に控えていると、体内に水分を保持できなくなり、さらに血液量は減少します。

「朝からだるい」と感じる人の体内では、エンジンを回すためのオイル(血液)が不足している状態なんですね。

指令を邪魔する「首の筋肉の過緊張」


もう一つの要因は、自律神経のコントロールタワーと体をつなぐ「パイプ」の問題です。

自律神経の重要なルートは、首の骨のすぐそばを通っています。

スマホの見過ぎや猫背で「ストレートネック」になり、首の付け根がガチガチに固まっているとどうなるでしょうか。

硬くなった筋肉が自律神経の通り道を圧迫し、立ち上がった瞬間の「血管を締めろ!」という電気信号を減衰させてしまいます。

指令が弱ければ、足の血管は緩んだままになり、血液は下半身に溜まり続けます。

首が硬い人にめまいや立ちくらみが多いのは、脳が体の状態を正確に把握できず、制御不能に陥っているからなのです。

朝のスイッチを入れる!巡りを整える「生活の知恵」


起立性調節障害を改善するには、無理に気合いで起きようとせず、物理的に血流をサポートし、自律神経が働きやすい環境を作ることが必要不可欠です。

起きる前の「足首パタパタ」


重力に負けないための準備運動の知識です。

目が覚めてすぐ、いきなり上体を起こしてはいけません。

布団の中で横になったまま、足首を前後に大きく30回ほど動かしてください。

ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、動かすことで下半身の血液を心臓へ押し戻すポンプの役割を果たします。

あらかじめ血液を巡らせてからゆっくり起き上がることで、立ち上がった時の脳の酸欠を防ぐことができます。

朝一番の「水分と塩分」


血液のボリュームを増やすための知識です。

起きたらすぐに、コップ1杯の水(できれば常温)を飲みましょう。

起立性調節障害の傾向がある方は、少し多めの水分摂取と、適度な塩分補給が症状の緩和に役立ちます。

厚生労働省の自律神経に関する解説でも、規則正しい生活と栄養バランスが強調されています。

梅干しを一つ食べたり、少量の塩を入れた白湯を飲んだりすることで、血管の中に水分を留める力が強まり、血圧が安定しやすくなります。

首を冷やさない「寝起きの首温め」


神経の伝達をスムーズにするための知識。

朝、起き上がれない時は首の筋肉が冷えて固まっています。

枕元にホットパックや蒸しタオルを用意しておき、起きる前に首の後ろを数分温めてみてください。

首が温まることで自律神経のスイッチが入りやすくなり、脳への血流が促進されます。

これにより、頭の重だるさが軽減し、スムーズに活動モードへと切り替えることができるようになります。

まとめ:立ちくらみは「循環のエラー」


さて、今回は「起立性調節障害の原因|立ちくらみ・だるさは『血流』と『自律神経』にあった」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?

朝の動けなさが怠けではなく、重力に負けた血液の滞りと、首の硬さによる指令ミスであることを、ご理解いただけたかと思います。

そのつらさは、あなたの体が「脳に血が足りていないよ!」「ポンプを助けて!」と出している切実なサインなのです。

では、今日のポイントをまとめます。

  • 起立性調節障害は、立ち上がる際の血圧調節がうまくいかず、脳が一時的な酸欠を起こすことで発生する。
  • 血液量の不足(水分不足)や塩分バランスの崩れは、立ち上がった時の血流維持を困難にする。
  • 首の筋肉のコリは自律神経の働きを阻害し、血管を収縮させる指令を遅らせる要因となる。
  • 対策として、起きる前に足首を動かして血流を促すこと、水分と適度な塩分を摂り首を温めることが、朝の不調を脱する鍵となる。


自律神経は、あなたの意志とは関係なく体を守ろうとしています。

「起きられない自分」を責めるのをやめ、まずは水を飲み、足元から血液を戻してあげてください。

体内の環境が整えば、あなたのスイッチは再びスムーズに入り、軽やかな朝を迎えられる日が必ずやってきます。

こころ鍼灸整骨院

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東角剛司
専門家

東角剛司(柔道整復師・はり師・きゅう師)

こころ鍼灸整骨院

構造医学の視点から、個々の体の動かし方に合わせて骨格を整えます。肩や腰などの慢性的な痛みに向き合い、整骨院に通わずに済む健康な体づくりをサポート。実務者向けのセミナーも開催しています。

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