膝裏の痛みの原因|リンパの詰まりと反張膝という姿勢にあった

東角剛司

東角剛司

テーマ:身体の痛み・不調

みなさん、こんにちは。

こころ鍼灸整骨院の東角です。

「膝をピンと伸ばすと、膝の裏側に突っ張るような痛みが出る。」

「しゃがむと膝裏に何かが挟まっているような違和感があり、曲げきれない。」

「膝の裏が腫れてコブのようになっていて、曲げ伸ばしが窮屈だ。」

そんな、膝の前面ではなく、裏側に集中する不快な症状、「膝裏の痛み(膝窩部痛)」「ベーカー嚢腫(のうしゅ)」に悩まされていませんか?

「膝が悪い=軟骨がすり減っている」と考えがちですが、膝裏のトラブルに関しては、軟骨よりも「循環の滞り」が大きく関わっています。

膝裏の不調は、軟骨よりも膝裏を通るリンパや血管の渋滞が大きく関わっているのです。

病院で水を抜いてもすぐに溜まってしまったり、湿布を貼っても痛みが変わらなかったりするのは、膝裏を圧迫し続ける「立ち方の癖」が改善されていないからです。

その背景には、膝を逆に反らせてしまう「反張膝(はんちょうひざ)」と、膝のロックを解除できない「膝窩筋(しっかきん)の硬さ」という、明確な物理的要因が隠れています。

今回は、注射を繰り返す前に知っておくべき、膝裏が痛くなる生理学的なメカニズムについて解説します。

特に見過ごされがちな【過伸展(かしんてん)による圧迫】【リンパ節の閉塞】に焦点を当て、巡りの良い膝を取り戻すための知識を、みなさんと一緒に詳しく見ていきましょう。

なぜ、膝の裏側に水や痛みが溜まるのか?


まず、膝裏という場所の特殊性を理解しましょう。

膝の裏側(膝窩)は、太ももから足先へ向かう重要な血管や神経、そして老廃物を回収する「リンパ節」が密集している、交通の要所です。

また、膝関節の動きを滑らかにするための潤滑液(滑液)が入った袋が、後ろ側に飛び出しやすい構造になっています。

膝裏の痛みや腫れとは、通り道が物理的に押し潰され、流れがせき止められている状態なのです。

川の流れが岩でせき止められて水が溢れるように、膝裏が圧迫されることでリンパ液や滑液が滞留し、腫れや痛みとなって現れるのです。

つまり、膝裏の不調は、膝の病気というよりも「循環システムの交通渋滞」なのです。

裏側を押し潰す、2つの物理的要因


では、なぜ通り道が潰されてしまったのでしょうか?

そこには、女性に多い立ち方の癖と、膝の鍵となる筋肉のトラブルが深く関わっています。

膝を後ろに押し込む「反張膝(はんちょうひざ)」


これが、膝裏の痛みを引き起こす最大の物理的要因です。

立っている時、膝をピンと伸ばしきって、さらに後ろにグッと押し込むようにして立っていませんか?

膝が逆くの字に反っているこの状態を「反張膝(過伸展)」と呼びます。

一見、良い姿勢に見えることもありますが、関節にとっては非常に危険な状態です。

膝を限界まで伸ばしきると、太ももの骨とすねの骨が、膝裏でハサミのように噛み合います。

骨と骨の間に、膝裏を通る血管・神経・リンパ節が強力に挟み込まれ、常にプレスされている状態になります。

この圧迫が続くと、リンパの流れが止まって水が溜まりやすくなり、挟まれた組織が炎症を起こして痛みを発生させます。

「立っているだけで膝裏が痛くなる」のは、自分の体重を使って膝裏を押し潰しているからなのです。

ロックが解除できない「膝窩筋(しっかきん)の拘縮」


もう一つの要因は、膝の深層にある小さな筋肉のトラブルです。

膝の裏には、大腿骨と脛骨を斜めに繋ぐ「膝窩筋(しっかきん)」という筋肉があります。

この筋肉の役割は、伸びきった膝のロックを外し、曲げ始める最初のきっかけを作ることです(鍵開けの役割)。

しかし、反張膝などで膝を伸ばしすぎていると、この筋肉は常に引き伸ばされた状態で固まってしまいます。

鍵開け役である膝窩筋が硬くなると、膝を曲げようとしてもスムーズにロックが外れず、関節の中で骨同士が衝突してしまいます。

「動き始めに膝裏が痛い」「しゃがむ時に詰まる」という症状は、この小さな筋肉が機能不全を起こしているサインであることが多いのです。

圧迫を解き、流れを作る!膝裏ケアの「知識」


膝裏の痛みを改善するには、反張膝を修正して物理的に圧迫をゼロにし、固まった筋肉をほぐしてポンプ機能を復活させることが必要不可欠です。

膝を緩めて立つ「マイクロベンド」の意識


反張膝を治すための、立ち方の知識です。

立っている時、膝を「ピン」と伸ばすのをやめましょう。

膝を完全に伸ばしきらず、1ミリだけ緩めて立つ「マイクロベンド(微細な曲げ)」を意識してください。

見た目には分からない程度で構いません。

膝に「遊び」を持たせることで、骨による膝裏への圧迫が解除され、リンパや血液がスムーズに流れるようになります。

電車を待つ時や、キッチンに立つ時など、無意識に膝をロックしていないか確認する習慣をつけましょう。

鍵を開ける「膝裏ボールマッサージ」


硬くなった膝窩筋をほぐすための知識です。

床に座り、片膝を立てます。

膝の裏(折り目の部分)に、テニスボールや丸めたタオルを挟み込みます。

ボールを挟んだまま、両手ですねを抱え込み、膝を自分の方へ引いて圧迫します。

痛気持ちいい強さで、10秒〜20秒キープします。

これにより、深層にある膝窩筋が直接刺激されて緩み、膝の曲げ伸ばしが驚くほどスムーズになります。

リンパを流す「足首ポンプ」


溜まった水を排出するための知識です。

膝裏のリンパ節が詰まっていると、ふくらはぎのポンプ作用も低下します。

仰向けに寝て足を少し高くし、足首をパタパタと大きく動かしてください。

ふくらはぎの筋肉を動かすことで、滞っていた静脈血やリンパ液が押し上げられ、膝裏の渋滞が解消されていきます。

まとめ:膝裏の痛みは「渋滞」のサイン。膝を緩めて通そう


さて、今回は「膝裏の痛みの原因|リンパの詰まりと反張膝という姿勢にあった」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?

治りにくい膝裏の腫れや痛みが、軟骨の摩耗ではなく、反張膝による「物理的な圧迫」と、筋肉の硬直による「循環不全」であることを、ご理解いただけたかと思います。

その痛みは、あなたの膝が「伸ばしすぎて苦しいよ!」「裏側を潰さないで!」と訴えているサインなのです。

では、今日のポイントをまとめます。

  • 膝裏の痛みや腫れ(ベーカー嚢腫など)は、膝裏を通るリンパや血管が圧迫され、流れが滞ることで発生する。
  • 膝を過剰に伸ばして立つ「反張膝」は、骨と骨で膝裏の組織を挟み込み、炎症や浮腫を引き起こす最大の物理的要因となる。
  • 膝のロックを外す「膝窩筋」が硬くなると、曲げ伸ばしの際に詰まり感や痛みを招く。
  • 対策として、膝をピンと伸ばさず少し緩めて立つこと、ボールを使って膝裏の筋肉をほぐすことが、流れを改善する鍵となる。


膝は、ピンと張るよりも、少し余裕があるくらいが一番強いのです。

「痛いな」と思ったら、膝を突っ張るのをやめ、フッと力を抜いてみてください。

通り道が開けば、溜まっていたものは自然と流れ去り、軽くて動きやすい膝が戻ってくるはずです。

こころ鍼灸整骨院

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東角剛司
専門家

東角剛司(柔道整復師・はり師・きゅう師)

こころ鍼灸整骨院

構造医学の視点から、個々の体の動かし方に合わせて骨格を整えます。肩や腰などの慢性的な痛みに向き合い、整骨院に通わずに済む健康な体づくりをサポート。実務者向けのセミナーも開催しています。

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