小指のしびれ原因|治らないビリビリは「肘」にあった

東角剛司

東角剛司

テーマ:身体の痛み・不調

みなさん、こんにちは。

こころ鍼灸整骨院の東角です。

「スマホを操作していると、いつの間にか小指と薬指の外側だけがジンジンしてくる。」

「朝起きると小指の感覚が鈍く、顔を洗う時に指が引っかかるような違和感がある。」

「握力が落ちてきた気がして、ペットボトルのキャップが開けにくくなった。」

そんな、手の小指側に集中する不快なしびれや脱力感、「肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)」に悩まされていませんか?

「脳梗塞の前兆ではないか?」と不安になって病院へ行っても、脳には異常が見つからない。

首のレントゲンを撮っても、ヘルニアというほどではないと言われる。

それなのに、しびれはいっこうに治まらない。

実は、小指側のしびれの原因は、首でも脳でもなく、もっと下の「肘(ひじ)の内側」にあることがほとんどです。

その背景には、現代人に欠かせないスマホ操作による「神経の引き伸ばし」と、無意識の癖による「物理的な圧迫」という、明確な要因が隠れています。

今回は、手術が必要になるほど悪化する前に知っておくべき、小指がしびれる生理学的なメカニズムについて解説します。

特に見過ごされがちな【尺骨神経(しゃっこつしんけい)の牽引】【外部からの圧迫ストレス】に焦点を当て、指先の感覚を取り戻すための知識を、みなさんと一緒に詳しく見ていきましょう。

なぜ、小指だけがしびれるのか?


まず、しびれの震源地である肘の構造と、神経の走行を理解しましょう。

私たちの手に向かう神経にはいくつか種類がありますが、小指と薬指の外側(小指側)の感覚を支配しているのは、「尺骨神経(しゃっこつしんけい)」という神経です。

この神経は、二の腕の内側を通って、肘の内側にある骨の出っ張りの後ろ(肘部管)を通過し、手首へと向かいます。

肘をどこかにぶつけた時に、小指に電気が走ってジーンとした経験はありませんか?

あの時、衝撃を受けているのが尺骨神経です。

肘部管症候群とは、この神経が肘のトンネル部分で慢性的に圧迫されたり、引き伸ばされたりして傷つき、信号がうまく伝わらなくなっている状態です。

前回お話しした「手根管症候群(親指側のしびれ)」とは原因となる神経も場所も異なります。

小指がしびれる場合、トラブルの現場は手首ではなく「肘」にあるのです。

神経をいじめる、2つの物理的要因


では、なぜ肘の部分で神経がダメージを受けてしまうのでしょうか?

そこには、肘を深く曲げる動作と、神経が通る場所の特殊性が深く関わっています。

神経を限界まで引き伸ばす「スマホ肘」


これが、現代人に小指のしびれが急増している主要な要因の一つです。

尺骨神経は、肘の内側を通っています。

解剖学的に、肘を曲げると、この神経はピンと引き伸ばされ、骨に強く押し付けられる構造になっています。

スマートフォンを操作する時や、通話をする時、肘はどうなっているでしょうか?

深く曲がった状態が、長時間続いていますよね。

肘を曲げ続けている間、尺骨神経はずっと引き伸ばされ、ゴムが切れそうなほどテンションがかかった状態にあります。

さらに、寝ながらスマホを見たり、腕枕をして寝たりすると、引き伸ばされた神経に体重までかかります。

毎日何時間もこの「引き伸ばし拷問」を受けることで、神経は血流障害を起こし、麻痺(しびれ)が生じてしまうのです。

無防備な神経を潰す「机の角と頬杖」


もう一つの要因は、外部からの直接的な圧迫です。

尺骨神経は、筋肉の奥深くに守られている他の神経とは違い、皮膚のすぐ下、骨のすぐ上という非常に浅い場所を通っています。

そのため、外部からの刺激に対して非常に無防備です。

・デスクワーク中に、机の角に肘をついて作業をする。

・考え事をする時に、頬杖をついて肘に体重をかける。

・椅子の硬い肘掛けに、常に肘を置いている。

こうした動作は、クッションのない無防備な神経を、硬い骨と硬い机でサンドイッチにして、グリグリとすり潰しているのと同じことです。

この物理的な圧迫が繰り返されると、神経が腫れ上がり、指先の感覚だけでなく、手の筋肉(骨間筋)が痩せて手が使いにくくなる「運動麻痺」にまで進行することがあります。

肘を解放し、神経を守る!生活の「知識」


肘部管症候群を改善するには、曲げる時間を減らして牽引ストレスをなくし、物理的な圧迫から神経をガードすることが必要不可欠です。

肘を「90度以上」曲げない意識


神経を引き伸ばさないための、姿勢の知識です。

スマホを見る時や読書をする時、肘を鋭角に深く曲げていませんか?

肘の角度を90度よりも広め(鈍角)に保つように意識してください。

スマホを持つ手を少し離したり、反対の手を脇に入れたりして、肘が畳まれないように工夫します。

通話をする時も、長電話になる場合はイヤホンマイクを使うなどして、肘を曲げ続ける時間を物理的に減らしましょう。

これだけで、神経にかかる張力が劇的に下がります。

寝る時は「腕を伸ばして」リラックス


睡眠中に神経を回復させるための知識です。

日中酷使した神経は、寝ている間に修復されます。

しかし、胸の前で腕を組んだり、小さく縮こまって肘を曲げたまま寝たりすると、夜中も神経が引き伸ばされ続け、朝のしびれに繋がります。

寝る時は、抱き枕などを活用して、肘を軽く伸ばした状態でリラックスできる姿勢を作りましょう。

肘を伸ばして寝るだけで、尺骨神経はもっとも緩んだ状態になり、血流が回復して修復が進みます。

机には「タオル」を一枚敷く


無防備な神経をガードするための環境作りです。

デスクワークでどうしても肘をついてしまう癖がある場合、机の角や肘が当たる部分に、厚手のタオルやクッションを敷いてください。

硬いものと直接接触させないことで、神経への衝撃を吸収させるのです。

もちろん、頬杖をつかないのが一番ですが、環境を変えて物理的に守ってあげることも、進行を防ぐ有効な手段となります。

まとめ:小指のしびれは「肘の悲鳴」。曲げすぎに注意しよう


さて、今回は「小指のしびれ原因|治らないビリビリは『肘』にあった」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?

脳の病気を疑いたくなるような小指のしびれが、スマホ操作による「長時間の肘曲げ」や、机での「物理的な圧迫」によって、肘の内側で神経が傷ついた結果であることを、ご理解いただけたかと思います。

そのしびれは、あなたの神経が「引き伸ばされすぎて苦しいよ!」「硬いものに押し付けないで!」と訴えているサインなのです。

では、今日のポイントをまとめます。

  • 肘部管症候群は、肘の内側を通る「尺骨神経」が圧迫や牽引を受けることで、小指と薬指にしびれや麻痺が出る症状のこと。
  • スマホ操作などで肘を深く曲げ続けると、神経が引き伸ばされて血流障害を起こし、しびれの主要な要因となる。
  • 尺骨神経は皮膚の浅い部分を通っているため、机の角や頬杖などの外部からの圧迫に非常に弱く、傷つきやすい。
  • 対策として、肘を90度以上曲げない工夫をすること、寝る時は肘を伸ばすこと、クッションで肘を保護することが、神経を守る鍵となる。


手は、繊細な感覚を持つ大切なセンサーです。

「小指だけだから」と放置せず、肘の環境を見直してあげてください。

圧迫と牽引を取り除けば、神経は少しずつ回復し、指先のクリアな感覚が戻ってくるはずです。

こころ鍼灸整骨院

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東角剛司
専門家

東角剛司(柔道整復師・はり師・きゅう師)

こころ鍼灸整骨院

構造医学の視点から、個々の体の動かし方に合わせて骨格を整えます。肩や腰などの慢性的な痛みに向き合い、整骨院に通わずに済む健康な体づくりをサポート。実務者向けのセミナーも開催しています。

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