自律神経と「腸内環境」の深い関係
みなさん、こんにちは。
こころ鍼灸整骨院の東角です。
「朝起きて最初の一歩を踏み出すと、かかとの上にズキッとした激痛が走る。」
「歩き始めは痛いけれど、動いているうちに少し楽になってくる。」
「アキレス腱をつまむと硬いしこりがあり、押すと飛び上がるほど痛い。」
そんな、歩行の要である足首の後ろ側の痛み、「アキレス腱炎(アキレスけんえん)」や「アキレス腱周囲炎」に悩まされていませんか?
スポーツをする人に多いイメージですが、実は運動をしていない中高年の方や、立ち仕事の方にも非常に多く発症します。
多くの方が「使いすぎたかな」と湿布を貼ったり、一生懸命アキレス腱を伸ばすストレッチをしたりしています。
しかし、もしあなたが痛い時にストレッチをしているなら、それは傷口を無理やり広げているのと同じ「逆効果な行為」かもしれません。
アキレス腱が悲鳴を上げる根本的な原因は、使いすぎの量ではなく、腱にかかる「ねじれのストレス」にあるからです。
その背景には、かかとが内側に倒れ込む「過回内(かかいない)」と、奥深くにある「ヒラメ筋の硬さ」という、明確な物理的要因が隠れています。
今回は、安静にする前に知っておくべき、アキレス腱が傷つく生理学的なメカニズムについて解説します。
特に見過ごされがちな【雑巾絞りのようなねじれ】と【血流の乏しさ】に焦点を当て、強い腱を取り戻すための知識を、みなさんと一緒に詳しく見ていきましょう。
なぜ、最強の腱が断裂しかけるのか?
まず、アキレス腱という組織の特徴を理解しましょう。
アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をつなぐ、人体の中で最も太く、強靭な腱です。
歩行時には体重の数倍もの負荷に耐えられるほどの強度を持っています。
しかし、この最強の腱には一つだけ弱点があります。
それは、「血流が非常に乏しい(血の巡りが悪い)」ということです。
筋肉のように豊富な血液が流れていないため、一度傷つくと修復するための栄養が届きにくく、治るのに時間がかかります。
アキレス腱炎とは、腱が一度に切れるのではなく、微細な断裂(小さな傷)が積み重なり、慢性的な炎症を起こして腫れ上がっている状態です。
そして、その微細な傷を作っているのが、単なる引っ張りではなく、「ねじれながら引っ張られる」という複雑なストレスなのです。
腱を傷めつける、2つの物理的要因
では、なぜ真っ直ぐついているはずの腱がねじれてしまうのでしょうか?
そこには、足首の倒れ込みと、筋肉の使い方の癖が深く関わっています。
腱を絞り上げる「過回内(オーバープロネーション)」
これが、治らないアキレス腱炎を引き起こす主要な物理的要因です。
外反母趾や足底筋膜炎の原因としても登場しましたが、足首が内側に倒れ込む「過回内」は、アキレス腱にとっても天敵です。
着地した瞬間、かかとの骨が内側に倒れると、付着しているアキレス腱の下側は内側にねじれます。
しかし、ふくらはぎの筋肉は上に向かって真っ直ぐ引っ張ろうとします。
この時、アキレス腱には「雑巾絞り」のような強烈なねじれの力が加わります。
ピンと張ったロープを、さらにねじり上げたらどうなるでしょうか?
繊維がブチブチと切れていきますよね。
歩くたびにこの「雑巾絞り」が繰り返されることで、腱の繊維が微細断裂を起こし、しこりのような炎症組織が形成されてしまうのです。
靴のかかとの内側ばかりがすり減っている人は、このねじれストレスが常にかかっている証拠です。
奥で固まる「ヒラメ筋の短縮」
もう一つの要因は、ふくらはぎの筋肉のバランスです。
ふくらはぎは、表面にある「腓腹筋(ひふくきん)」と、奥にある「ヒラメ筋」の2つで構成され、これらが合流してアキレス腱になります。
多くの方が、膝を伸ばしたストレッチで表面の腓腹筋ばかりを伸ばしていますが、実はアキレス腱炎に関わりが深いのは、奥にある「ヒラメ筋」です。
ヒラメ筋は、立っている時に姿勢を保つために働き続ける筋肉です。
立ち仕事などでヒラメ筋が硬くなると、アキレス腱を奥から強く引っ張り続けます。
表面の筋肉が柔らかくても、奥の筋肉が硬ければ、腱への負担は減りません。
「膝を曲げた状態で足首が硬い」人は、このヒラメ筋が短縮しており、アキレス腱への持続的な負担となっている可能性が高いのです。
ねじれを解き、負担を減らす!腱ケアの「知識」
アキレス腱炎を改善するには、ねじれの原因となる足首の倒れ込みを防ぎ、腱にかかる張力を物理的に緩めることが必要不可欠です。
かかとを高くする「ヒールリフト」
痛みが強い時期に、腱を休ませるための物理的な知識です。
アキレス腱は、足首を反らす(つま先を上げる)と引っ張られ、足首を伸ばす(つま先を下げる)と緩みます。
痛い時は、「かかとが少し高い靴」を履くか、靴の中にインソール(ヒールパッド)を入れて、かかとを高くしてください。
かかとが上がると、アキレス腱がたわみ、引っ張る力が弱まります。
「ペタンコの靴が良い」と思われがちですが、アキレス腱炎に関しては、少しヒールがある方が腱への負担は軽くなり、回復が早まります。
ねじれを防ぐ「ヒールカウンターの硬い靴」
雑巾絞りを防ぐための靴選びの知識です。
かかとが内側に倒れ込むのを防ぐには、靴の「かかと部分(ヒールカウンター)」が硬く、しっかりしていることが絶対条件です。
指で押しても潰れないくらい硬いかかとの靴を選び、靴紐をしっかり結んで足首を固定しましょう。
かかとの骨が直立すれば、アキレス腱は真っ直ぐに伸縮できるようになり、摩擦やねじれが解消されます。
痛くない部分をほぐす「ふくらはぎマッサージ」
血流を良くするための知識です。
炎症を起こしているアキレス腱そのものを揉むのはNGですが、つながっている「ふくらはぎの筋肉」は積極的にほぐすべきです。
特に、膝を立てて座り、ふくらはぎの横側や奥の方(ヒラメ筋)を、指で優しくマッサージしてください。
筋肉(ポンプ)が柔らかくなれば、乏しい血流がアキレス腱にも届きやすくなり、組織の修復スピードが上がります。
まとめ:アキレス腱炎は「ねじれ」のサイン。足元を固定しよう
さて、今回は「アキレス腱炎の原因|朝痛む踵は『ねじれ』と『ヒラメ筋』」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
治りにくいかかとの痛みが、単なる使いすぎではなく、足首の倒れ込みによる「ねじれストレス」と、血流の悪い組織での「微細断裂」であることを、ご理解いただけたかと思います。
その痛みは、あなたのアキレス腱が「ねじれて切れそうだよ!」「かかとを安定させて!」と訴えているサインなのです。
では、今日のポイントをまとめます。
- アキレス腱炎は、人体で最強だが血流の悪いアキレス腱に、微細な断裂と炎症が起きている状態のこと。
- 足首が内側に倒れる「過回内」は、腱に雑巾絞りのようなねじれストレスを与え、組織を破壊する主要な要因となる。
- 奥にある「ヒラメ筋」の硬さは、アキレス腱を持続的に引っ張り、回復を妨げる原因となる。
- 対策として、かかとを少し高くして張力を緩めること、かかとの硬い靴でねじれを防ぐことが、痛みの悪循環を断つ鍵となる。
アキレス腱は、歩くたびに体重を支えてくれる頼もしいバネです。
「痛いな」と思ったら、無理に伸ばさず、まずは靴を見直し、かかとを安定させてあげてください。
ねじれさえなくなれば、強靭な腱は必ず回復し、また力強く地面を蹴り出せるようになるはずです。
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