巻き爪の原因|食い込む痛みは「浮き指」と「深爪」にあった

東角剛司

東角剛司

テーマ:身体の痛み・不調

みなさん、こんにちは。

こころ鍼灸整骨院の東角です。

「足の親指がズキズキ痛み、お気に入りの靴が履けなくなってしまった。」

「爪の角が皮膚に食い込んで、化膿して歩くのもつらい。」

「短く切ってもすぐに痛くなるので、どう手入れしていいか分からない。」

そんな、歩くたびに激痛が走る足のトラブル、「巻き爪(まきづめ)」「陥入爪(かんにゅうそう)」に悩まされていませんか?

多くの方が、「親の遺伝だから」「靴が合っていないから」と考えています。

あるいは、痛いからといって爪の角を深く切り落とし、一時的な安堵を得ているかもしれません。

しかし、もしあなたが「爪を短く切る」ことで対策しているなら、それは巻き爪をさらに悪化させる「逆効果な行為」をしている可能性があります。

実は、爪が巻いてしまう根本的な原因は、爪そのものではなく、爪にかかる「下からの圧力不足」にあるからです。

その背景には、地面を踏みしめない「浮き指(うきゆび)」と、切り方を間違えている「深爪(ふかづめ)」という、明確な物理的要因が隠れています。

今回は、手術やワイヤー矯正を検討する前に知っておくべき、爪が巻いてしまう生理学的なメカニズムについて解説します。

特に見過ごされがちな【地面からの反発力】【スクエアオフ(四角いカット)】に焦点を当て、痛みのない爪を育てるための知識を、みなさんと一緒に詳しく見ていきましょう。

なぜ、爪は内側に巻いてしまうのか?


まず、爪という組織の性質を知っておく必要があります。

実は、人間の爪は、放っておくと「自然に内側へ巻いていく性質」を持っています。

乾燥した葉っぱや、マカロニが丸まるのと同じイメージです。

では、なぜ通常は平らな形を保てているのでしょうか?

それは、歩くたびに地面から受ける「押し上げる力(床反力)」が働いているからです。

足の指で地面をグッと踏みしめると、下から圧力がかかり、それが爪を「平らに広げるアイロン」のような役割を果たしています。

つまり、巻き爪とは、爪が変形した異常事態ではなく、「下から広げる力が足りなくなった結果、爪本来の巻く性質が勝ってしまった状態」なのです。

爪を丸めてしまう、2つの物理的要因


では、なぜアイロン(広げる力)が効かなくなってしまったのでしょうか?

そこには、現代人の歩き方の癖と、間違ったお手入れの習慣が深く関わっています。

アイロンがかからない「浮き指(指を使わない歩き方)」


これが、巻き爪を引き起こす最大の物理的要因です。

外反母趾のコラムでも触れましたが、現代人の多くは、足の指が地面につかない「浮き指」の状態で、ペタペタと歩いています。

踵(かかと)重心で、指先を使わずに歩いているとどうなるでしょうか。

爪を下から押し広げる圧力が全くかかりません。

広げる力がゼロになれば、爪は自身の性質に従って、徐々に内側へと巻いていきます。

寝たきりの高齢者や、足を怪我して歩けない人に巻き爪が多いのは、この「地面からの圧力」が長期間失われているからです。

「痛くて歩けないから指を浮かす」→「圧力が消えてさらに巻く」という悪循環に陥っているケースが非常に多いのです。

肉が盛り上がって邪魔をする「深爪(切りすぎ)」


もう一つの要因は、痛みを避けようとして行う「深爪」です。

爪の角が皮膚に刺さると痛いので、つい角を斜めに切り落としたくなりますよね。

しかし、これをやると、爪がなくなった部分の皮膚(肉)が、押さえを失って盛り上がってきます。

盛り上がった肉が壁となり、次に伸びてくる爪の進路を妨害します。

行き場を失った爪は、肉にぶつかりながら伸びるしかなく、さらに深く食い込んでいきます(陥入爪)。

また、短く切りすぎると、爪の面積が減り、地面からの圧力を受け止める力が弱まるため、さらに巻きやすくなるという二重のリスクを招きます。

食い込みを防ぎ、平らに戻す!爪ケアの「知識」


巻き爪を改善するには、物理的に「下からの圧力」を復活させ、爪が安全に伸びるための「ガイドライン」を残すことが必要不可欠です。

指で地面を蹴る「プッシュオフ」の意識


失われたアイロン機能を取り戻すための知識です。

特別な器具は必要ありません。ただ「歩く時に、足の親指で地面を蹴り出す」だけでいいのです。

最後の一瞬、親指の腹にグッと体重が乗る感覚を意識してください。

その圧力が、巻こうとする爪を内側から押し広げてくれます。

痛くて蹴り出せない場合は、足指でグーパー運動をするだけでも、指に力が入り、爪への血流と圧力が回復する助けになります。

角を残す「スクエアオフ(四角いカット)」


爪を皮膚に食い込ませないための、正しい切り方の知識です。

爪の先端を、指のカーブに合わせて丸く切ってはいけません。

爪の先端が四角くなるように、真っ直ぐ横に切ります(スクエアカット)。

そして、角(カド)を少しだけヤスリで削って丸める程度に留めます(スクエアオフ)。

重要なのは、「爪の角が、皮膚の上に完全に乗っている状態」をキープすることです。

角が皮膚の上にあれば、それがレールとなって爪を導き、肉の盛り上がりを防いでくれます。

白い部分を1ミリ程度残す長さに保つのが理想です。

靴の中で足を滑らせない「紐の締め方」


指先に適切な圧力をかけるための環境作りです。

靴紐が緩いと、靴の中で足が前滑りし、指先が靴の先端に押し付けられて圧迫されます。

これでは、下からの圧力ではなく、前からの圧迫となり、爪を変形させてしまいます。

靴紐は、足の甲の部分をしっかりと締め、足が前に滑らないように固定しましょう。

かかとが安定すれば、指先は自由に動けるようになり、正しく地面を踏みしめることができるようになります。

まとめ:巻き爪は「圧力不足」。踏みしめて広げよう


さて、今回は「巻き爪の原因|食い込む痛みは『浮き指』と『深爪』にあった」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?

あの食い込む痛みが、遺伝や靴のせいだけではなく、指を使わない歩き方による「広げる力の不足」と、切りすぎによる「進路妨害」という、物理的な要因であることをご理解いただけたかと思います。

その巻き爪は、あなたの足が「もっと地面を踏んで!」「ガイドライン(角)を切り落とさないで!」と訴えているサインなのです。

では、今日のポイントをまとめます。

  • 巻き爪は、爪が本来持っている「巻く性質」に対し、歩行時の「下から押し広げる力」が不足することで発生する。
  • 足の指が地面につかない「浮き指」は、爪を広げるアイロン効果を失わせる最大の要因である。
  • 痛いからといって角を切る「深爪」は、周りの肉を盛り上がらせ、爪の食い込みを悪化させる。
  • 対策として、親指で地面を蹴って歩くこと、爪を四角く切る「スクエアオフ」を徹底することが、平らな爪を取り戻す鍵となる。


爪は、ただの飾りではありません。

指先の力を受け止め、力強く歩くための重要なパーツです。

まずは今日から、爪の切り方を変え、一歩一歩、親指で地面を感じながら歩いてみてください。

正しい圧力がかかれば、爪は必ず応えてくれ、痛みなく歩ける快適な毎日が戻ってくるはずです。

こころ鍼灸整骨院

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東角剛司
専門家

東角剛司(柔道整復師・はり師・きゅう師)

こころ鍼灸整骨院

構造医学の視点から、個々の体の動かし方に合わせて骨格を整えます。肩や腰などの慢性的な痛みに向き合い、整骨院に通わずに済む健康な体づくりをサポート。実務者向けのセミナーも開催しています。

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