【夏の冷え性】クーラー病の原因と「温活」セルフケア
みなさん、こんにちは。
こころ鍼灸整骨院の東角です。
「下の物を取ろうとした瞬間、背中に電気が走るような激痛が起きた。」
「息を深く吸おうとすると、背中の筋肉が引きつって痛くてたまらない。」
「ただ座っているだけでも背中がズキズキ痛み、どういう姿勢なら楽なのか分からない。」
そんな、突然襲ってくる背中のアクシデント、「ぎっくり背中」に悩まされていませんか?
「ぎっくり腰」は有名ですが、実は背中も同じように、急激な痛みを発症することがあります。
あまりの痛みに「心臓の病気か?」「肺がおかしいのか?」と不安になって救急車を呼ぶ方もいるほどですが、検査をしても内臓に異常は見つかりません。
なぜなら、その痛みの正体は、内臓ではなく、背中を覆っている筋肉や筋膜が、耐えきれずに裂けてしまった「軽度の肉離れ」だからです。
その背景には、長時間のデスクワークで限界まで引き伸ばされた「背中の筋肉の過緊張」と、それを放置したことによる「柔軟性の欠如」という、明確な物理的要因が隠れています。
今回は、湿布を貼る前に知っておくべき、背中が悲鳴を上げる生理学的なメカニズムについて解説します。
特に見過ごされがちな【筋肉の過伸展(かしんてん)】と【肩甲骨の錆びつき】に焦点を当て、繰り返さないための知識を、みなさんと一緒に詳しく見ていきましょう。
なぜ、背中の筋肉は突然裂けるのか?
まず、痛みの現場で何が起きているのかを理解しましょう。
ぎっくり背中は、医学的には「筋・筋膜性疼痛症候群」の一種と考えられます。
背中には、姿勢を維持するために働く細かい筋肉が無数に走っています。
健康な筋肉は、ゴムのようにしなやかに伸び縮みします。
しかし、疲労が蓄積して古くなったゴムのような状態の筋肉はどうなるでしょうか?
ふとした動作で急に引っ張られた瞬間、耐えきれずに繊維がプチッと切れてしまいます。
これが、ぎっくり背中の正体です。
つまり、重いものを持ったから痛くなったのではなく、「すでに切れそうなほど張り詰めていた筋肉」に、最後のひと押しとなる刺激が加わっただけなのです。
くしゃみをしただけで背中が痛くなるのも、肋骨と背骨をつなぐ筋肉が限界を迎えていた証拠と言えます。
筋肉を限界まで追い込む、2つの物理的要因
では、なぜ背中の筋肉はそこまで追い詰められてしまったのでしょうか?
そこには、現代人の姿勢の癖と、動かさないことによる弊害があります。
筋肉を引き伸ばし続ける「猫背」
これが、背中の筋肉を切れやすくしている最大の物理的要因です。
背中を丸めた「猫背」の姿勢をとっている時、背中の筋肉はずっと引き伸ばされています。
試しに、輪ゴムを限界まで引っ張った状態で、何時間もキープしてみてください。
ゴムは弾力を失い、少しの衝撃でも切れやすいボロボロの状態になりますよね。
猫背でいるということは、背中の筋肉に対して、24時間この「引っ張り地獄」を強いているのと同じことなのです。
常にテンションがかかり、血流が悪くなって酸欠状態にある筋肉は、柔軟性を失い、いつ断裂してもおかしくない時限爆弾のような状態になっています。
この状態で、急に振り返ったり、腕を伸ばしたりした瞬間に、限界を超えて炎症(ぎっくり背中)が起きてしまうのです。
動きをロックする「肩甲骨の錆びつき」
もう一つの要因は、背中の動きの悪さです。
背中の筋肉の多くは、肩甲骨に付着しています。
本来、腕を動かす時は、肩甲骨も一緒にスライドして動くことで、背中の筋肉への負担を分散させています。
しかし、運動不足で肩甲骨周りの筋肉が固まり、錆びついたように動かなくなっているとどうなるでしょうか。
肩甲骨が動かない分、背骨周りの筋肉だけが過剰に引き伸ばされて、動きをカバーしなければなりません。
可動域が狭いのに無理やり動かそうとするため、特定の筋肉だけに負荷が集中し、損傷しやすくなるのです。
「背中が鉄板のように硬い」と言われる人は、肩甲骨が背中に張り付いて動かなくなっている可能性が高いでしょう。
痛みを鎮め、再発を防ぐ!背中ケアの「知識」
ぎっくり背中を早く治し、繰り返さないためには、炎症の管理と、筋肉に余裕を持たせることが必要不可欠です。
初期は「冷やす」、安定したら「温める」
痛めた直後の対処法の知識です。
受傷直後(〜48時間)で、ズキズキと痛み、熱を持っている場合は、内部で出血や炎症が起きています。
この時期は、お風呂で温めると炎症が広がり、痛みが悪化することがあります。
まずは氷嚢などで患部を冷やし、炎症を鎮火させることを最優先にしてください。
2〜3日経って鋭い痛みが引き、重だるい痛みに変わってきたら、今度は温めて血流を良くし、組織の修復を促しましょう。
筋肉を縮めて休ませる「胸郭(きょうかく)を開く」姿勢
引き伸ばされた背中をリセットするための知識です。
猫背で伸びきった背中の筋肉を回復させるには、逆に「縮めてあげる」ことが必要です。
仰向けに寝て、背中(肩甲骨の下あたり)に丸めたバスタオルやストレッチポールを入れます。
両手を広げ、胸を天井に向かって大きく開きます。
この姿勢をとると、丸まっていた背骨が反り、引き伸ばされていた背中の筋肉が緩んで(縮んで)リラックスできます。
一日中引っ張られていた筋肉を、物理的にたるませて休ませてあげる時間を作るのです。
これだけで、背中への血流が回復し、弾力が戻りやすくなります。
深呼吸で内側からマッサージ
動かせない背中をほぐすための知識です。
痛くて体が動かせない時でも、「呼吸」ならできます。
背中の筋肉は、肋骨についているため、呼吸と連動して動きます。
痛くない範囲で、ゆっくりと大きく息を吸い、背中側の肋骨を膨らませるイメージを持ってください。
内側から筋肉を優しくストレッチすることで、固まった筋肉の緊張を解き、回復を早めることができます。
まとめ:背中の激痛は「限界」のサイン。張りを緩めてあげよう
さて、今回は「ぎっくり背中の原因|息をするのも痛い背中は『猫背』と『張り』」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
突然の背中の激痛が、単なる不運な怪我ではなく、猫背によって限界まで引き伸ばされた筋肉が起こした「悲鳴(断裂)」であることを、ご理解いただけたかと思います。
その痛みは、あなたの背中が「もうこれ以上引っ張らないで!」「ゴムが切れそうだよ!」と教えてくれている緊急サインなのです。
では、今日のポイントをまとめます。
- ぎっくり背中とは、背中の筋肉や筋膜に過度な負担がかかり、微細な断裂(肉離れ)や炎症を起こした状態のこと。
- 長時間の「猫背」は、背中の筋肉を常に引き伸ばし続け、弾力を失わせて切れやすくする最大の要因である。
- 肩甲骨が固まって動かないと、背骨周りの筋肉に負荷が集中し、ふとした動作で損傷しやすくなる。
- 対策として、初期は冷やして炎症を抑え、普段から胸を開いて背中の筋肉を「縮めて休ませる」ことが、再発防止の鍵となる。
背中は、自分では見えない場所ですが、体の姿勢を支える大黒柱です。
「背中が張ってきたな」と感じたら、それは切れそうなゴムからの警告かもしれません。
まずは今日から、仕事の合間に胸を大きく開き、背中の筋肉を緩めてあげてください。
張りが取れれば、呼吸も深くなり、痛みとは無縁の軽やかな背中を取り戻せるはずです。
こころ鍼灸整骨院



