便秘の原因|出ないお腹は「腸の落下」と「考える人」の姿勢

東角剛司

東角剛司

テーマ:身体の痛み・不調

みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。

「毎日ヨーグルトや野菜を食べているのに、すっきり出る日がほとんどない」

「お腹がパンパンに張って苦しく、薬を飲まないと出る気がしない」

「トイレに行っても、コロコロとした硬い便しか出ず、残便感がある」

そんな、お腹の重りと肌荒れの原因にもなる「慢性便秘」に悩まされていませんか?

「便秘は体質だから」「水分不足かな」と考えがちですが、もし食事に気をつけていても改善しないなら、問題は「何を食べるか」ではありません。

あなたの腸そのものが、「動きたくても動けない」、あるいは「出口が塞がれている」という、物理的な窮屈さを抱えている可能性が高いのです。

その背景には、姿勢の悪化による「内臓の位置ズレ」と、洋式トイレにおける「直腸の角度」という、明確な構造上のエラーが隠れています。

今回は、下剤に頼る前に知っておくべき、排便が滞る生理学的なメカニズム、特に見過ごされがちな【落下腸(らっかちょう)による圧迫】【直腸肛門角(ちょくちょうこうもんかく)の問題】に焦点を当て、自然なお通じを取り戻すための「知識」について、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。

なぜ、腸は「ぜん動運動」を止めてしまうのか?


まず、便が運ばれる仕組みを理解しましょう。

食べたものは消化され、腸壁が伸び縮みを繰り返す「ぜん動運動」によって、肛門へと運ばれていきます。

この運動は、自律神経(特にリラックスモードの副交感神経)によってコントロールされています。

しかし、いくら自律神経が「動け」と指令を出しても、腸というホース自体が、他の臓器に押しつぶされていたり、ねじれて折れ曲がったりしていたらどうでしょうか?

中身(便)は物理的に引っかかり、先へ進めなくなります。

慢性便秘の方のお腹の中では、腸が自由に動けるスペースがなくなり、「渋滞」が起きているのです。

便をせき止める、2つの物理的要因


では、なぜ腸が圧迫され、動きが止まってしまうのでしょうか。

そこには、重力の影響と、現代のトイレ事情が関係しています。

ホースが折れ曲がる「落下腸(内臓下垂)」


これが、食事改善で治らない便秘の物理的要因です。

本来、胃や腸は、腹筋などのインナーマッスルによって正しい位置に吊り上げられています。
しかし、猫背や運動不足で筋力が低下すると、重力に負けて内臓全体がズルズルと骨盤の中へ落ち込んでいきます(内臓下垂)。

骨盤という狭い器の中に、落ちてきた胃や小腸、大腸がギュウギュウ詰めの状態になります。

押しつぶされた腸は、複雑にねじれたり、折れ曲がったりして変形します(ねじれ腸)。

ホースが折れ曲がった場所では、便が通り抜けられずに詰まります。

特に、「へそ下だけポッコリ出ている」という方は、落下した腸が骨盤底に溜まっているサインであり、物理的な通過障害が起きている可能性が高いのです。

出口を塞ぐ「直腸と肛門の角度」


もう一つは、いざ出そうとする時の「姿勢」の問題です。

実は、現代の「洋式トイレ」の座り方は、解剖学的には便が出にくい姿勢なのです。

直腸(便の出口手前)と肛門は、普段は便が漏れないように、筋肉によって約90度に折り曲げられています。

背筋を伸ばして洋式トイレに座った状態では、この角度はまだ折れ曲がったまま。

ホースの先をつまんでいるような状態なので、いきんでも便がスムーズに出てきません。

無理に出そうとすると、痔の原因にもなります。

かつての「和式トイレ」のしゃがむ姿勢(ヤンキー座り)こそが、この角度を真っ直ぐにし、肛門を開放する唯一の正しい排便姿勢だったのです。

腸を動かし、出口を開く!快便のための「生活の知恵」


便秘を解消するには、落ちた腸を持ち上げて通り道を確保し、出口が真っ直ぐになる姿勢を取る知識が必要です。

腸を持ち上げる「お腹の引き上げマッサージ」


落下して固まった腸を、物理的に持ち上げてスペースを作ります。

仰向けに寝て、膝を立てます(お腹の力を抜くため)。

両手をお腹の下の方(恥骨のすぐ上あたり)に置きます。

息を吐きながら、手で下腹部のお肉ごと内臓をすくい上げ、みぞおちの方へ向かってゆっくりと持ち上げます。

これを1分ほど繰り返します。

寝る前に行うと、圧迫されていた腸が解放され、夜間のぜん動運動が活発になります。翌朝のスッキリ感が変わってくるはずです。

トイレでは「考える人」のポーズ


洋式トイレで、和式トイレのような「排便に最適な角度」を再現する知識です。

便座に座ったら、前かがみになり、ロダンの彫刻「考える人」のようなポーズをとってください。
さらに効果的なのは、足元に小さな台(踏み台)を置き、膝の位置を腰より高くすることです。

太ももとお腹が近づくことで、直腸と肛門の角度が真っ直ぐになり、力まなくてもスルッと出る「滑り台」が完成します。

スイッチを入れる「朝一の水」


止まっている腸にエンジンをかけるための知識です。

朝起きた直後、空っぽの胃に水が入ると、その刺激で大腸が反射的に動き出す「胃・結腸反射」という仕組みがあります。

朝起きたら、まずコップ一杯の水を「一気に」飲みましょう。

ちびちび飲むのではなく、ある程度の勢いで胃を刺激することが、腸への強力な目覚まし時計となります。

まとめ:便秘は「渋滞」のサイン。道の形を整えよう


さて、今回は「便秘の原因|出ないお腹は『腸の落下』と『考える人』の姿勢」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?

あなたの頑固な便秘が、食生活だけでなく、筋力低下による「腸のねじれ・圧迫」と、座り方による「出口の閉鎖」という物理的な環境悪化によるものであることを、ご理解いただけたかと思います。

そのお腹の張りは、あなたの腸が「狭くて動けないよ!」「出口の角度がきついよ!」と訴えているサインなのです。

では、今日のポイントをまとめます。

  • 慢性便秘の多くは、内臓下垂(落下腸)によって腸が骨盤内で圧迫され、ぜん動運動が物理的に阻害されている状態である。
  • 洋式トイレで背筋を伸ばして座る姿勢は、直腸と肛門の角度が折れ曲がったままであり、便の排出を困難にする。
  • お腹を持ち上げるマッサージで腸のねじれを解消し、スペースを確保することが大切である。
  • 対策として、トイレでは前かがみになり(考える人のポーズ)、足台を使って膝を高くすることで、出口を真っ直ぐにして排便を促す知識が有効である。


腸は「第二の脳」と呼ばれるほど繊細で、重要な臓器です。

腸が整えば、肌がきれいになり、免疫力が上がり、メンタルも安定します。

まずは今夜、寝る前にお腹を持ち上げ、明日の朝は前かがみでトイレに座ってみてください。

通り道さえ整えてあげれば、体は自然と不要なものを手放し、軽やかな一日をプレゼントしてくれるはずです。

こころ鍼灸整骨院

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東角剛司
専門家

東角剛司(柔道整復師・はり師・きゅう師)

こころ鍼灸整骨院

構造医学の視点から、個々の体の動かし方に合わせて骨格を整えます。肩や腰などの慢性的な痛みに向き合い、整骨院に通わずに済む健康な体づくりをサポート。実務者向けのセミナーも開催しています。

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