モートン病の原因|足指の付け根の激痛は「アーチ崩れ」にあった

東角剛司

東角剛司

テーマ:身体の痛み・不調

みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。

「歩いていると、足の中指と薬指の付け根あたりが、ジリジリと焼けるように痛む」

「靴の中に小石が入っているような、何かを踏んづけているような違和感がある」

「ヒールを履いたり、つま先立ちをしたりすると、指先に電気が走る」

そんな、足の指の付け根に起こる鋭い痛みやしびれ、「モートン病」に悩まされていませんか?

「モートン病」という名前はあまり聞き慣れないかもしれませんが、実は外反母趾と同じくらい多くの方が悩んでいる症状です。

整形外科に行くと「神経が腫れていますね」と言われ、インソールや注射を勧められますが、なかなか改善しないケースも少なくありません。

なぜなら、神経が腫れてしまう根本的な理由は、神経そのものではなく、神経を挟み込んでしまっている「骨の並び方」にあるからです。

その背景には、足の横幅が広がってしまう「アーチの崩壊」と、神経を地面に押し付ける「ハンマー・トウ(屈み指)」という、明確な構造上の欠陥が隠れています。

今回は、インソールで痛みを誤魔化す前に知っておくべき、神経が挟まれる生理学的なメカニズム、特に見過ごされがちな【横アーチの消失(開張足)】【深横中足靭帯(しんおうちゅうそくじんたい)による圧迫】に焦点を当て、足の機能を取り戻すための「知識」について、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。

足の裏で何が起きている?「小石」の正体


まず、あの「小石を踏んでいるような感覚」がなぜ生まれるのか、その正体を暴きましょう。

足の甲には、「中足骨(ちゅうそくこつ)」という長い骨が5本並んでいます。

足の指に向かう神経は、この骨と骨の間の狭い隙間を通って伸びています。

モートン病とは、主に中指と薬指(第3趾と第4趾)の間の神経が、隣り合う骨や靭帯に挟まれて圧迫され、コブのように腫れ上がってしまった状態(神経腫)です。

この腫れた神経のコブが、歩くたびに地面や骨に当たり、押し潰されます。

これが、まるで靴の中に小石が入っているような異物感や、焼けるような痛みを引き起こすのです。

つまり、モートン病の正体は、物理的な「神経の挟み込み事故」なのです。

神経を挟み込む、2つの物理的要因


では、なぜ安全なはずの骨の隙間で、神経が挟まれてしまうのでしょうか。

そこには、足の形の変化と、靴による圧迫が深く関わっています。

骨の隙間を狭くする「横アーチの崩壊(開張足)」


本来、足の甲にある5本の中足骨は、地面に対してドーム状の「アーチ」を描いて並んでいます。

このアーチがあるおかげで、骨と骨の間には適度な隙間があり、神経は安全に守られています。

しかし、運動不足や加齢、ペタペタ歩きによって足を支える筋肉が衰えると、このアーチが潰れて平らになり、骨が扇状に横に広がってしまいます。これを「開張足(かいちょうそく)」と呼びます。

アーチが潰れて骨が下がってくると、その下を通っている神経は、骨と地面(または靭帯)の間に強く挟み込まれてしまいます。

さらに、骨が横に広がると、神経の通り道であるトンネル自体も引き伸ばされて狭くなり、神経への締め付けがより強固になるのです。

神経を地面に叩きつける「ハンマー・トウ(屈み指)」


もう一つの要因は、指の形です。

足のアーチが崩れている人や、サイズの合わない靴を履いている人は、靴の中で足が滑らないように、無意識に指をギュッと曲げて踏ん張る癖がついていることがあります。

指が「くの字」に曲がった状態(ハンマー・トウ)になると、指の付け根の関節が、本来よりも地面側に突き出る形になります。

すると、その関節のすぐ下にある神経のコブが、歩くたびにダイレクトに地面に叩きつけられることになります。

「つま先立ちをすると痛い」のは、突き出た関節と地面で、腫れた神経を全力でプレスしているからなのです。

挟み込みを解除する!アーチを再生する「生活の知恵」


モートン病を改善するには、潰れたアーチを持ち上げて神経の通り道を確保し、指への負担を減らす知識が必要です。

中足骨を持ち上げる「パッドの活用法」


潰れて下がってしまった骨を、物理的に持ち上げる知識です。

市販のインソールやパッドを使う場合、入れる場所に注意が必要です。

痛い場所(指の付け根)に直接柔らかいものを当てても、圧迫は変わりません。

重要なのは、「痛い場所よりも少し手前(かかと寄り)」を持ち上げることです。

足の中指と薬指の手前、足の裏の少し窪んでいる部分に、「中足骨パッド(メタタルザルパッド)」と呼ばれる盛り上がりを作ります。

この部分が下から支えられると、下がっていた骨が持ち上がり、横に広がっていた骨が再びアーチ状に戻ろうとします。

すると、挟まれていた神経に「隙間」が生まれ、痛みが劇的に軽減することがあります。

足指を広げて伸ばす「足指握手」


縮こまってハンマー・トウになっている指をリセットする方法です。

お風呂の中で、手の指と足の指を組み合わせて「握手」をします。

手の指を、足の指の間に一本ずつ深く入れます。

その状態で、足首をゆっくりと回したり、足の指を反らせたり曲げたりして、優しくストレッチします。

これにより、硬くなっていた足の指の間の筋肉(骨間筋)がほぐれ、圧迫されていた神経の通り道が広がります。

指が真っ直ぐ伸びれば、地面への叩きつけも解消されます。

「細い靴」と「緩い靴」の両方を避ける


靴選びの知識も重要です。

幅の狭いヒールが神経を圧迫するのはもちろんですが、実は「幅が広すぎる靴」も危険です。

中で足が滑り、無意識に指を曲げて(ハンマー・トウ)踏ん張ってしまうからです。

「足の甲とかかと」は紐などでしっかり固定でき、かつ「指先」には指を動かせるだけのゆとりがある靴を選びましょう。

足が靴の中で固定されれば、無駄な力が抜け、神経への攻撃が止まります。

まとめ:足指の痛みは「骨の落下」のサイン。アーチを持ち上げよう


さて、今回は「モートン病の原因|足指の付け根の激痛は『アーチ崩れ』にあった」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?

あの焼けるような痛みが、神経の病気ではなく、足のアーチが崩れて骨が下がり、神経を物理的に挟み込んでしまった「構造的な問題」であることをご理解いただけたかと思います。

その痛みは、あなたの足が「骨が落ちてきて神経を潰しているよ!」「アーチを支え直して!」と悲鳴を上げているサインなのです。

では、今日のポイントをまとめます。

  • モートン病は、足の指(特に中指と薬指)の間の神経が、骨や靭帯に挟まれて腫れ上がり、痛みやしびれを起こす症状である。
  • 最大の要因は「横アーチの崩壊(開張足)」により、中足骨が下がって広がり、神経の通り道を狭めてしまうことにある。
  • 指を曲げて踏ん張る「ハンマー・トウ」は、神経を地面に叩きつける形になり、痛みを悪化させる。
  • 対策として、パッド等で骨の手前を持ち上げてアーチを再現すること、足指のストレッチで指を真っ直ぐに保つことが、挟み込みを解除する鍵となる。


足の裏は、小さな面積で全身を支える精密機械です。

部品(骨)の位置が少しズレるだけで、激痛というエラーが出ます。

まずは今日から、足の指の間を広げ、アーチを意識した靴選びを始めてみてください。

骨が正しい位置に戻れば、神経は解放され、また快適に地面を踏みしめることができるはずです。

こころ鍼灸整骨院

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東角剛司
専門家

東角剛司(柔道整復師・はり師・きゅう師)

こころ鍼灸整骨院

構造医学の視点から、個々の体の動かし方に合わせて骨格を整えます。肩や腰などの慢性的な痛みに向き合い、整骨院に通わずに済む健康な体づくりをサポート。実務者向けのセミナーも開催しています。

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