むずむず脚症候群の原因|眠れない脚の不快感は鉄分不足と脳

東角剛司

東角剛司

テーマ:身体の痛み・不調

こころ鍼灸整骨院の東角です。

「布団に入ると、脚のふくらはぎの奥で、虫が這い回るような気持ち悪さがある」

「脚をバタバタ動かしたり、叩いたりしないと、居ても立ってもいられない」

「皮膚科に行っても『湿疹はない』と言われ、誰にも理解してもらえない」

そんな、夜な夜な襲ってくる脚の奇妙な不快感、「むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)」に悩まされていませんか?

「痛み」ではないため、我慢してしまう方も多いですが、この症状の最大の弊害は「睡眠」を破壊することです。

不快感で寝付けない、あるいは寝ている間に脚が勝手に動いて(周期性四肢運動障害)目が覚めてしまうことで、深刻な睡眠不足に陥ります。

多くの方が、脚を冷やしたりマッサージしたりしますが、それは一時しのぎに過ぎません。
なぜなら、あの「むずむず」の震源地は、脚そのものではなく、あなたの「脳」と、血液中の「ある栄養素の欠乏」にあるからです。

今回は、皮膚科や整形外科では見つかりにくい、むずむず脚症候群の生理学的なメカニズム、特に見過ごされがちな【脳内ドーパミンの機能低下】【隠れ貧血(フェリチン不足)】に焦点を当て、静かな夜を取り戻すための「知識」について、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。

脚ではなく「脳」がバグっている?感覚異常の正体


まず、あの「虫が這う」「炭酸が弾ける」ような感覚が、なぜ生まれるのかを知っておきましょう。

私たちの脳には、運動や感覚をコントロールする「ドーパミン」という神経伝達物質があります。

通常、ドーパミンは脳からの指令をスムーズに筋肉に伝え、余計な感覚をシャットアウトする役割を持っています。

しかし、このドーパミンの働きが低下すると、脳から脚への指令系統にノイズが走ります。

脳が「脚の感覚を正しく制御できない!」と誤作動を起こし、実際には起きていない「虫が這うような感覚」や「動かしたい衝動」という誤った信号を作り出してしまうのです。

つまり、むずむず脚症候群とは、脚の病気ではなく、脳の中の連絡物質が不足したことによる、感覚センサーの誤作動(バグ)なのです。

ドーパミンを働かなくさせる、2つの内部要因


では、なぜドーパミンが正常に働かなくなってしまったのでしょうか。

そこには、ドーパミンを作るための「材料不足」と、邪魔をする「嗜好品」の存在があります。

工場の材料切れ!「鉄分(フェリチン)の不足」


体内でドーパミンを作る過程で、絶対に欠かせない材料があります。それが「鉄分」です。

ここで重要な知識は、健康診断の「貧血(ヘモグロビン値)」が正常でも安心できないということです。

体には、財布の中のお金(ヘモグロビン)とは別に、銀行に預けてある貯蔵鉄「フェリチン」があります。

むずむず脚症候群の方の多くは、ヘモグロビンは足りていても、この「貯蔵鉄(フェリチン)」が枯渇している「隠れ貧血」の状態にあることが多いのです。

鉄分という材料がなければ、いくら脳が頑張ってもドーパミンを作ることができません。

特に女性は月経や妊娠・出産で鉄分を失いやすく、この症状が出やすい傾向にあります。

神経を興奮させる「カフェインとアルコール」


もう一つの要因は、神経を刺激する物質の摂取です。

コーヒーや緑茶に含まれる「カフェイン」は、鉄分の吸収を阻害するだけでなく、脳を覚醒させ、感覚を過敏にさせる作用があります。

また、寝酒としての「アルコール」も、分解される過程で大量の水分とミネラルを消費し、ドーパミンの働きを乱します。

「眠れないから」といって寝る前にこれらを摂取することは、脳のセンサー感度をさらに狂わせ、むずむず感を増幅させる燃料を投下しているようなものなのです。

脳の誤作動を止める!感覚をリセットする「生活の知恵」


この症状を鎮めるには、ドーパミンの材料を補給し、脳への刺激をコントロールする知識が必要です。

「ヘム鉄」と「ビタミンC」のセット摂取


不足している貯蔵鉄(フェリチン)を回復させるための食事の知識です。

鉄分には、野菜に含まれる「非ヘム鉄」と、肉や魚に含まれる「ヘム鉄」があります。

吸収率が圧倒的に高いのは、動物性の「ヘム鉄」です。

赤身の肉、レバー、カツオやマグロなどを意識的に食べましょう。

さらに、鉄分の吸収を助ける「ビタミンC(柑橘類やブロッコリーなど)」や、造血ビタミンである「葉酸」を一緒に摂ることで、効率よくドーパミン工場に材料を届けることができます。

カフェインレス生活への切り替え


夕方以降のカフェインを断つだけでも、症状が軽くなるケースは非常に多いです。

コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンク。これらを、麦茶やルイボスティー、カフェインレスコーヒーに切り替えてみてください。

「鉄分の吸収を邪魔しない」かつ「脳を興奮させない」環境を作ることが、夜の平穏を取り戻すための第一歩です。

就寝前の「強めの刺激」によるリセット


脳が「脚がどうなっているか分からない」と混乱して誤った信号(むずむず)を出しているなら、こちらから「正しい強い信号」を送ってリセットするのも有効です。

寝る前に、シャワーで冷水と温水を交互にかける(交代浴)や、足裏を強めにマッサージする、ストレッチポールでふくらはぎを刺激するなど、「むずむず」よりも強い、明確な感覚入力を脳に与えることで、誤作動していた微弱なノイズがかき消され、スーッと楽になることがあります。

まとめ:脚の不快感は「鉄不足」のサイン。脳に栄養を届けよう


さて、今回は「むずむず脚症候群の原因|眠れない脚の不快感は鉄分不足と脳」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?

あの耐え難い不快感が、脚の皮膚病ではなく、鉄分不足によって脳内のドーパミンがうまく作れなくなり、感覚センサーが誤作動を起こしている現象であることをご理解いただけたかと思います。

そのむずむずは、あなたの脳が「材料(鉄)が足りなくて指令が出せないよ!」「感覚がおかしいよ!」とパニックを起こしているサインなのです。

では、今日のポイントをまとめます。

  • むずむず脚症候群(RLS)は、脳内の神経伝達物質「ドーパミン」の機能低下により、脚の感覚に誤作動(バグ)が生じている状態である。
  • 最大の要因は「貯蔵鉄(フェリチン)」の不足であり、血液検査で貧血でなくても、脳内の鉄分が枯渇している場合が多い。
  • カフェインやアルコールは、鉄分の吸収を阻害し、感覚過敏を引き起こすため、症状を悪化させる。
  • 対策として、赤身肉などで「ヘム鉄」を補給し、夕方以降のカフェインを控えることが、脳の機能を正常に戻すための鍵となる。


眠れない夜は本当に辛いものです。

しかし、原因が脳と栄養にあると分かれば、対処法は明確です。

まずは今日の食事でレバーや赤身肉を選び、寝る前のコーヒーを控えてみてください。

脳に材料が届けば、誤作動は収まり、あなたの脚は再び静かな休息の時間を取り戻せるはずです。

こころ鍼灸整骨院

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東角剛司
専門家

東角剛司(柔道整復師・はり師・きゅう師)

こころ鍼灸整骨院

構造医学の視点から、個々の体の動かし方に合わせて骨格を整えます。肩や腰などの慢性的な痛みに向き合い、整骨院に通わずに済む健康な体づくりをサポート。実務者向けのセミナーも開催しています。

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