突然の激痛!ぎっくり腰の【正しい対処法】と絶対NGな行動
みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。
「夜、静かな部屋にいると、キーンという金属音が頭の中で鳴り響く」
「セミが鳴いているようなジーッという音が気になって、仕事に集中できない」
「耳鼻科で聴力検査をしても『異常なし』と言われ、特効薬もないと告げられた」
そんな、自分にしか聞こえない不快な音、「耳鳴り」に悩まされていませんか?
他人に理解されにくい苦しみであり、病院でも「気にしないようにしましょう」と言われることが多いため、孤独感や絶望感を抱いている方も少なくありません。
しかし、聴力に大きな問題がないにもかかわらず鳴り続ける耳鳴りは、決して「耳」だけの問題ではありません。
それは、耳周辺の筋肉や神経からの「異常な信号」を、脳が「音」として誤って認識してしまっている現象なのです。
その背景には、耳の近くにある「首の筋肉の過緊張」と、鼓膜の張りに影響を与える「顎の食いしばり」という、明確な物理的要因が隠れています。
今回は、諦める前に知っておくべき、耳鳴りが鳴る生理学的なメカニズム、特に見過ごされがちな【胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)の硬化】と【顎関節の圧迫】に焦点を当て、脳の興奮を鎮めるための「知識」について、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。
なぜ、音がないのに「音」が聞こえるのか?脳の誤作動
まず、耳鳴りの正体を知ることで、漠然とした不安を解消しましょう。
音は、空気の振動が耳(内耳)で電気信号に変換され、神経を通って脳に届くことで認識されます。
通常、脳には、体の内部から発せられる雑音(血流音や筋肉の動く音など)を「不要なノイズ」としてカットするフィルター機能が備わっています。
しかし、ストレスや自律神経の乱れ、あるいは首や顎からの過剰な刺激が続くと、脳が興奮状態になり、このフィルター機能が壊れてしまいます。
すると、本来はカットされるはずの微弱な電気信号や、神経の興奮そのものを、脳が感度を上げて「音」として拾い上げてしまうのです。
これが「キーン」「ジー」という耳鳴りの正体です。
つまり、耳鳴りとは、耳が壊れているのではなく、脳のボリューム調整がつまみ上げられすぎている状態(過敏状態)なのです。
脳の感度を上げてしまう、2つの物理的要因
では、なぜ脳はそこまで過敏になってしまったのでしょうか。
そこには、耳のすぐ近くにある筋肉からの、絶え間ない「ノイズ信号」の入力があります。
耳への血流を遮断する「首の前側の筋肉(胸鎖乳突筋)」
耳の後ろから鎖骨に向かって斜めに走っている太い筋肉、「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」をご存知でしょうか?
スマホ首や猫背で顔を前に突き出していると、この筋肉は常にガチガチに緊張します。
問題なのは、この筋肉のすぐ近くを、内耳や脳へ血液を送る重要な血管や神経が通っていることです。
胸鎖乳突筋が硬くなると、これらの血管が圧迫されて耳周りの血流が悪化します。
さらに、筋肉の硬直自体が「異常な電気信号」として神経を伝わり、すぐそばにある聴覚神経を刺激してしまうことがあります(体性耳鳴り)。
首コリによるノイズが、脳内で「音」に変換されてしまっているのです。
鼓膜をピンと張らせる「顎の食いしばり」
もう一つの要因は、「顎(あご)」です。
耳と顎関節は、数ミリしか離れていないお隣同士です。
ストレスなどで無意識に奥歯を食いしばると、顎周りの筋肉が緊張します。
実は、耳の中にある音を調節するための小さな筋肉(鼓膜張筋など)は、顎の筋肉と神経で繋がっています。
顎に力が入ると、連動して耳の中の筋肉も収縮し、鼓膜をピンと張り詰めさせてしまいます。
鼓膜が過度に緊張すると、音に対して非常に敏感になり、普段は聞こえないような小さな音や振動さえも拾ってしまうようになります。
「キーン」という高い音は、食いしばりによって鼓膜が張り詰めているサインかもしれません。
ノイズを消す!脳と神経を休ませる「生活の知恵」
耳鳴りを改善するには、耳を治療するのではなく、首と顎を緩めて「ノイズの発生源」を断ち、脳の感度を正常に戻すアプローチが必要です。
首の前側をつまんで揺らす「筋膜リリース」
ガチガチになった胸鎖乳突筋を緩める知識です。
首の後ろを揉む人は多いですが、耳鳴りの場合は「前側(横側)」が重要です。
顔を横に向けた時に浮き出る、耳の下から鎖骨に伸びる太い筋肉(胸鎖乳突筋)。
この筋肉を、親指と人差指で優しく「つまんで」、軽くゆらゆらと揺らしてみてください。
強く揉むのはNGです。
優しくつまんで皮膚と筋肉の癒着を剥がすようなイメージで行います。
ここが緩むと、耳への血流が一気に回復し、神経の過敏さが和らぎます。
上下の歯を離す「脱力(リラックス)習慣」
鼓膜の緊張を解くためには、顎の緊張を解くことが必須です。
一日のうち、上下の歯が接触している時間は、食事を含めても20分程度が正常と言われています。
それ以上は「噛み締めすぎ」です。
「唇を閉じて、歯は離す」
これを常に意識してください。
デスクワーク中やスマホを見ている時、ふと気づいたら奥歯を離し、顎の力をダラリと抜きます。
顎が緩めば、連動している耳の中の筋肉も緩み、鼓膜の過度な張りが取れていきます。
脳のフィルターを修復する「音のある環境作り」
脳の過敏性を下げるための、逆転の発想です。
耳鳴りが気になると、静かな場所を求めがちですが、完全な無音状態は、脳の感度を最大まで上げてしまうため、かえって耳鳴りを大きく感じさせます。
川のせせらぎ、波の音、静かなクラシック音楽など、心地よい環境音を小さく流しておくことをお勧めします。
「何か他の音が聞こえている」状態を作ることで、脳は「あ、音を聞き取ろうと必死にならなくていいんだ」と判断し、ボリューム感度を下げてくれます。これを習慣化することで、耳鳴りを「気にならないノイズ」へと変えていくことができます。
まとめ:耳鳴りは「過敏スイッチ」の切り忘れ。首と顎からオフにしよう
さて、今回は「耳鳴りの原因|治らないキーン音は『首のコリ』と『顎』にあった」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
あなたを不安にさせていたあの音が、耳の病気ではなく、首や顎の緊張によって発生したノイズを、過敏になった脳が増幅していた現象であることをご理解いただけたかと思います。
その音は、あなたの脳と体が「緊張しすぎていますよ!」「少し感度を下げて休んで!」と訴えている、SOSサインなのです。
では、今日のポイントをまとめます。
- 原因不明の耳鳴りの多くは、脳のフィルター機能が低下し、体内のノイズを音として認識してしまう「脳の過敏状態」である。
- 首の前側にある「胸鎖乳突筋」の硬化は、耳周辺の血流を阻害し、異常な電気信号を送る最大の要因となる。
- 「顎の食いしばり」は、連動して鼓膜を過度に緊張させ、音に対する感度を上げてしまう。
- 対策として、首の前側を優しく緩めること、歯を離して顎を脱力させること、そして適度な環境音で脳の感度を下げる知識が、改善への鍵となる。
目に見えない音の悩みは、本当に辛いもの。
しかし、その原因が物理的な筋肉の緊張にあると分かれば、対処する方法は必ずあります。
まずは今日から、奥歯を離して首を緩め、心地よい音楽と共にリラックスする時間を作ってみてください。
張り詰めた糸が緩むように、あなたの頭の中の音も、少しずつ静けさを取り戻していくはずです。
こころ鍼灸整骨院



