O脚の原因は内股と骨盤!治らない膝の隙間を埋める正しい歩き方

東角剛司

東角剛司

テーマ:整体・鍼灸全般

みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。

「鏡の前で脚を揃えて立つと、膝の間に拳が入るほどの隙間がある」

「スキニーパンツやタイトスカートを履くと、脚のラインが気になって自信が持てない」

「将来、親のように膝が痛くなって歩けなくなるんじゃないかと不安…」

そんな、見た目のコンプレックスだけでなく、健康面でも心配な「O脚(内反膝)」に悩まされていませんか?

O脚は、日本人の約8〜9割が該当するとも言われるほど、非常に多い悩みです。

多くの方が「生まれつきの骨の形だから」「親もそうだから遺伝だ」と諦めています。あるいは、無理やり膝をバンドで締め付けて矯正しようとした経験があるかもしれません。

しかし、事故などで骨折して変形した場合を除き、多くのO脚は「骨そのものが湾曲している」わけではありません。

骨が曲がっているのではなく、関節のつなぎ目がねじれて、外側に開くような形でロックがかかってしまっているだけなのです。

O脚の正体は、股関節・膝・足首という3つの関節の連動性が崩れた結果として現れる「ねじれ現象」です。

今回は、美容整体などに通う前に知っておくべき、脚が外側に開いてしまう生理学的なメカニズム、特に見過ごされがちな【内股(うちまた)による骨のねじれ】【骨盤の後傾】に焦点を当て、真っ直ぐで美しい脚のラインを取り戻すための「知識」について、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。

骨は曲がっていない?膝が開いてしまう「ねじれ」の正体


まず、ご自身の膝を見てみてください。

立った状態で、膝のお皿(膝蓋骨)はどこを向いていますか?

もし、お皿が「内側」を向いて向かい合っているなら、それは典型的なO脚のサインです。

「膝が開いている(ガニ股)」ように見えるので、膝は外を向いていると勘違いされがちですが、実は逆です。

O脚の人の股関節は、過度に「内巻き(内旋)」になっています。

太ももの骨(大腿骨)が内側にねじれると、骨盤の横にある骨の出っ張り(大転子)が外側に押し出されます。

すると、その下の膝関節はバランスを取るために外側へ開こうとし、結果として膝と膝の間に隙間ができてしまうのです。

つまり、O脚とは「内股になりすぎた結果、骨盤が広がり、膝が外へ押し出された状態」と言い換えることができます。

脚のラインを崩してしまう、2つの生活習慣


では、なぜ骨がねじれるほど内股になってしまうのでしょうか。

そこには、日本人の生活様式と、筋力のアンバランスが深く関わっています。

膝を内側に向ける「ぺたんこ座り」と「内股歩き」


これが、股関節を内側にねじり、O脚を固定化させる最大の物理的要因です。

幼少期から、床に座る時に足をM字に開いてお尻を落とす「ぺたんこ座り(女の子座り)」や、つま先を内側に向けて歩く「内股歩き」をしていませんでしたか?

「かわいいから」「楽だから」という理由でこの習慣を続けていると、股関節を内側にねじる筋肉ばかりが発達し、逆に外側に開く筋肉が衰えてしまいます。

その結果、立っている時も無意識に股関節が内側に巻き込まれ、膝のお皿が内側を向き、大転子が外に張り出す「O脚ライン」が完成してしまうのです。

骨が曲がったのではなく、筋肉の癖によって「ねじれた位置で固定されている」だけなのです。

膝を外へ追いやる「骨盤の後ろ倒れ(猫背)」


もう一つの要因は、土台である骨盤の傾きです。

デスクワークなどで猫背になり、骨盤が後ろに倒れる(後傾する)と、連動してお尻の穴が下を向き、股関節が開く力が働きます(ガニ股の力)。

しかし、ここで内股の癖があると、「股関節は内側にねじれているのに、膝下は外側に開こうとする」という複雑なねじれが発生します。

骨盤が後傾すると、お尻の筋肉や太ももの内側の筋肉(内転筋)が緩んで使えなくなるため、脚を内側に引き寄せる力が弱まります。

締め付けを失った脚は、重力と体重によってズルズルと外側へ広がっていき、O脚が悪化していくのです。

ねじれを解く!真っ直ぐな脚を作るための「知識と意識」


O脚を改善するには、バンドで無理やり締め付けるのではなく、ねじれた関節を正しい向きに戻し、使えていない筋肉を目覚めさせることが必要です。

つま先と膝の向きを揃える「スクワットの法則」


日常生活で最も意識すべき物理的なルールです。

椅子から立ち上がる時、階段を上る時、歩く時。

常に「膝のお皿の向き」と「足の人差し指の向き」が、同じ方向を向いているかを確認してください。

O脚の方は、つま先は真っ直ぐか外を向いているのに、膝だけが内側に入り込む「ニーイン(Knee-in)」の動きをしがちです。

膝がつま先と同じ方向(やや外向き)を向くように意識して動くだけで、股関節の内巻きが解消され、ねじれが取れていきます。

これは、将来の膝の痛みを防ぐためにも極めて重要な身体操作の知識です。

隙間を埋める筋肉「内転筋」と「お尻」の覚醒


開いてしまった膝を閉じるには、内側から引き寄せる筋肉が必要です。

それが、太ももの内側にある「内転筋(ないてんきん)」と、お尻の「大臀筋(だいでんきん)」です。

特別な筋トレをしなくても、以下のことを意識するだけでスイッチが入ります。

・座る時は膝を閉じる:電車やオフィスで、膝の間に紙一枚を挟んでいるつもりで閉じ続ける。
・立つ時はお尻を締める:かかとをつけて立ち、お尻の穴をキュッと締めるように力を入れる。

お尻を締めると、自然と股関節が外側に回り(外旋)、内向きだった膝のお皿が正面を向くようになります。

この「お尻を締めて立つ」感覚こそが、O脚矯正の基本姿勢です。

靴底の減り方を見る「重心の修正」


靴の裏を見て、外側ばかりすり減っていませんか?

これは、重心が足の外側にかかり、脚が外へ外へと逃げている証拠です。

歩く時は、足の親指(母趾球)で地面を蹴る意識を持ってください。

親指に力が入ると、脚の内側のライン(内転筋)に自然と力が入り、外側に逃げていた膝が内側に引き戻されます。

まとめ:O脚は「骨の変形」ではなく「使い方の癖」。向きを変えれば脚は変わる


さて、今回は「O脚の原因は内股と骨盤!治らない膝の隙間を埋める正しい歩き方」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?

長年コンプレックスだったO脚が、骨の異常ではなく、内股歩きや座り方の癖による「関節のねじれ」と、内ももの筋力低下による「バランスの崩れ」であることをご理解いただけたかと思います。

その膝の隙間は、あなたの体が「ねじれたまま使わないで!」「内側の筋肉を使って支えて!」と訴えているサインなのです。

では、今日のポイントをまとめます。

  • O脚の多くは骨の湾曲ではなく、股関節が内側にねじれ(内旋)、膝が外側に押し出された結果である。
  • 「ぺたんこ座り」や「内股歩き」の習慣は、股関節のねじれを助長し、O脚を悪化させる最大の要因となる。
  • 骨盤の後傾(猫背)や内転筋の筋力低下は、脚を閉じる力を弱め、重力によって膝が開く原因となる。
  • 対策として、常に「膝とつま先の向き」を揃える意識を持ち、お尻を締めて立つことでねじれを解消することが、美脚への近道である。


脚の形は、毎日の体重のかけ方ひとつで変わっていきます。

「もう遅い」ということはありません。

まずは今日から、立つ時にお尻をキュッと締め、膝を正面に向けてみてください。

その小さな意識の積み重ねが、ねじれを解き、自信を持って歩ける真っ直ぐな脚線美へと繋がっていくはずです。

こころ鍼灸整骨院

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東角剛司
専門家

東角剛司(柔道整復師・はり師・きゅう師)

こころ鍼灸整骨院

構造医学の視点から、個々の体の動かし方に合わせて骨格を整えます。肩や腰などの慢性的な痛みに向き合い、整骨院に通わずに済む健康な体づくりをサポート。実務者向けのセミナーも開催しています。

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