病院でも原因不明の「めまい」、本当の原因は【首のセンサー異常】と【目の情報の不一致】にあった!
みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。
「深呼吸をしたり、体をひねったりした瞬間、脇腹に電気が走ったような鋭い痛みがある」
「背中から胸にかけて、帯状にビリビリとした痛みが続き、息をするのも怖い」
「心臓や肺の病気かと思って病院で検査を受けたが、『骨や内臓に異常はない』と言われた」
そんな、ある日突然襲ってくる、原因不明の胸や背中の激痛に怯えていませんか?
場所が場所だけに、「心筋梗塞ではないか?」「肺に穴が開いたのでは?」と強い不安を感じられる方が非常に多いのが、この「肋間神経痛」の特徴です。
病院で「神経痛ですね」と診断されても、特効薬があるわけではなく、いつまたあの激痛が来るかと、ビクビクしながら生活している方も少なくありません。
湿布を貼ってもなかなか痛みが引かないのは、痛みの原因が「皮膚」や「筋肉」の表面的な炎症ではなく、もっと深い場所での「神経の挟み込み」にあるからです。
なぜ、骨と骨の間にある安全なはずの神経が、突然締め付けられてしまうのか。
今回は、その痛みの裏にある生理学的なメカニズムと、恐怖心を取り除き、体をリラックスさせるための「知識」について、詳しく紐解いていきましょう。
「心臓の病気かも?」と不安になるその痛み、実は神経のSOSです
まず、痛みの正体を正しく知ることで、不安を和らげましょう。
人間の胸部には、左右12本ずつの肋骨(あばらぼね)があり、鳥かごのように内臓を守っています。
その肋骨と肋骨の間の、非常に狭い隙間を縫うように走っているのが「肋間神経(ろっかんしんけい)」です。
この神経は、背骨から出て、脇腹を通り、胸の前側まで一本の線のように伸びています。
肋間神経痛とは、この長い神経の通り道のどこかで、何らかの圧力がかかり、神経が物理的に圧迫・刺激されている状態です。
内臓疾患が原因の場合(帯状疱疹など)を除けば、その多くは「原発性(げんぱつせい)」と呼ばれ、ストレスや姿勢による筋肉の硬直が引き金となっています。
つまり、あなたの痛みは、心臓の病気ではなく、肋骨周りの環境が悪化したことによる、神経からのSOS信号なのです。
なぜ、肋骨の間で神経が挟まれてしまうのか?
普段はスムーズに動いているはずの肋骨の間隔が、なぜ神経を挟み込むほど狭くなってしまうのでしょうか。
そこには、姿勢による「物理的な圧迫」と、呼吸による「動きの停止」が深く関わっています。
猫背が生み出す「肋骨の密集」
現代人に多いデスクワークやスマートフォンの使用は、背中を丸める「猫背」姿勢を長時間強います。
背中が丸まると、体の前側にある肋骨同士はどうなるでしょうか?
アコーディオンを閉じたときのように、肋骨と肋骨の間隔がギュッと縮まり、密集してしまいます。
神経の通り道である隙間が狭くなれば、当然、そこを通る肋間神経は上下の骨や筋肉に挟まれ、逃げ場を失います。
特に、体をひねったり、咳やくしゃみをしたりした瞬間は、肋骨が大きく動くため、狭くなった隙間で神経が強く挟み込まれ、「ズキッ!」という電気のような激痛が走るのです。
右側を下にして寝る癖がある人が右脇腹を痛めやすいのも、物理的に右側の肋骨の間隔を狭め続けていることが要因となります。
精神的な緊張が招く「呼吸筋の硬化」
もう一つ、非常に重要な要素が「ストレス」です。
肋骨の間には「肋間筋(ろっかんきん)」という、呼吸をするための筋肉があります。
私たちが息を吸うとき、この筋肉が縮んで肋骨を持ち上げ、肺を広げます。
しかし、強いストレスや不安を感じている時、人間は無意識に体がこわばり、呼吸が浅くなります。
浅い呼吸が続くと、肋間筋は使われないまま硬く凝り固まってしまいます。
硬くなった筋肉は、ゴムとしての柔軟性を失い、肋骨の動きをロックしてしまいます。
すると、ふとした動作で肋骨が動こうとした時に、硬い筋肉が神経を強く締め付けてしまうのです。
「ストレスが溜まると脇腹が痛くなる」というのは、気のせいではなく、緊張によって肋骨周りの筋肉が鎧のように固まってしまうからなのです。
痛みの波を鎮めるために知っておくべきこと
この痛みを改善するには、狭くなった肋骨の間隔を広げ、過敏になっている神経を落ち着かせることが必要です。
薬に頼る前に、日常生活で意識できることがあります。
痛い側を「伸ばす」のではなく「緩める」
痛い場所があると、ついストレッチをして伸ばしたくなりますが、肋間神経痛の急性期(痛みが強い時)には逆効果になることがあります。
神経が引っ張られて、余計に痛みが強くなる場合があるからです。
痛みが強い時は、痛い側をあえて少し縮めるように体を傾けたり、クッションを抱えたりして、神経の緊張を緩める姿勢を取ってください。
まずは「圧迫」よりも「牽引(引っ張り)」のストレスを取り除くことが、痛みを落ち着かせる第一歩です。
痛みが落ち着いてきたら、ラジオ体操のような体側を伸ばす運動を優しく行い、肋骨の間隔を広げていきましょう。
痛みの恐怖を和らげる「温め」の力
神経痛には「冷え」が大敵です。冷えると筋肉が収縮し、神経の通り道がさらに狭くなるからです。
また、「また痛くなるかも」という恐怖心自体が、交感神経を興奮させ、痛みに敏感にさせてしまいます。
お風呂にゆっくり浸かる、またはカイロや湯たんぽで背中から脇腹を温めることは、物理的に血流を良くして筋肉をほぐすだけでなく、リラックス効果によって過敏になった神経を鎮める、最高の鎮痛剤となります。
「温めると楽になる」という安心感が、ストレスによる筋肉の硬直を解いてくれるのです。
まとめ:その痛みは、体を休ませるための強制ブレーキかもしれません
さて、今回は「脇腹や背中に走る電気のような痛み。『肋間神経痛』を引き起こす、意外な体のメカニズム」についてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
突然の激痛が、心臓などの恐ろしい病気ではなく、猫背による「肋骨の密集」や、ストレスによる「呼吸筋の硬化」といった、体の使い方の問題であることをご理解いただけたかと思います。
肋間神経痛は、頑張りすぎている人、ストレスを抱え込みやすい人に多く発症します。
その痛みは、あなたの体が「もうこれ以上、緊張し続けないで」「呼吸を深くしてリラックスして」とかけた、強制的なブレーキなのかもしれません。
- 肋間神経痛は、肋骨の間を走る神経が、筋肉や骨に挟まれて圧迫されることで起こる。
- 長時間の猫背は、肋骨の間隔を狭め、物理的に神経を挟み込みやすくする主要な要因である。
- ストレスによる浅い呼吸は、肋骨周りの筋肉を硬くし、神経への圧迫を強める引き金となる。
- 対策として、痛みが強い時は無理に伸ばさず楽な姿勢を取り、温めて心身の緊張を解くことが、回復への近道となる。
痛みは体からのメッセージです。
まずは「大きな病気ではない」と知って安心し、温かいお風呂に入って、ふーっと大きく息を吐いてみてください。
肋骨という鳥かごが緩めば、中の神経も解放され、痛みは自然と引いていくはずです。
こころ鍼灸整骨院



