何度矯正しても戻る「骨盤の歪み」、本当の原因は【足指の浮き】と【内臓の下垂】にあった！

みなさん、こんにちは！
こころ鍼灸整骨院の東角です。

「スカートを履いて歩いていると、いつの間にかウエストが回っている」

「靴の裏を見ると、片方だけが極端にすり減っている」

「体重は変わらないのに、なぜか下っ腹だけがポッコリ出て凹まない」

そんな、体のバランスの悪さやスタイル崩れの原因となる「骨盤の歪み」に悩まされていませんか？

「骨盤が歪んでいる」と言われると、多くの方が「骨そのものがグニャリと曲がっている」ようなイメージを持たれます。そして、強い力でバキボキと矯正してもらわないと治らないと思い込んでいます。

しかし、骨盤（仙骨や寛骨）は非常に強固な骨であり、事故などの大きな衝撃がない限り、骨自体が変形することはまずありません。

では、なぜ歪んで見えるのでしょうか？

それは、骨盤を支えている「テントのロープ（筋肉）」の張力がアンバランスになり、骨盤全体が傾いたり、ねじれたりしているだけなのです。

そして、そのアンバランスを作り出している根本的な要因は、骨盤そのものではなく、もっと下の「接地面」と、骨盤の中身である「内臓の位置」にあります。

今回は、整体に通い続ける前に知っておくべき、骨盤が歪む物理的なメカニズム、特に見過ごされがちな【浮き指（うきゆび）による重心のズレ】と【内臓下垂（ないぞうかすい）】に焦点を当て、土台から体を整えるための「知識」について、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。

そもそも「骨盤が歪む」とはどういう状態か？

骨盤は、背骨という大黒柱を支える「家の土台」のようなものです。

この土台は、前後左右から多くの筋肉によって吊り下げられ、支えられています。

「歪み」の正体は、主に以下の2つのタイプに分けられます。

前傾（ぜんけい）タイプ：骨盤が前に倒れている状態（反り腰）。ハイヒールを履く女性に多く、お尻が出っ張り、腰痛になりやすい。

後傾（こうけい）タイプ：骨盤が後ろに倒れている状態（猫背）。デスクワークの人に多く、お尻がぺたんこになり、下腹が出やすい。

つまり、日常の姿勢の癖によって、特定の筋肉だけが硬くなり、骨盤を特定の方向へ引っ張り続けている状態が「歪み」なのです。

骨盤を傾ける、2つの隠れた要因

では、なぜ筋肉のバランスが崩れ、骨盤が傾いてしまうのでしょうか。

その答えは、重力に対して「どう立っているか」と、お腹の中身が「どこにあるか」にあります。

1．土台を不安定にする「浮き指（重心の後方化）」

これが、骨盤の歪み、特に「後傾（猫背）」や「下半身太り」を引き起こす最大の要因です。

本来、人間が立つとき、足の裏の「かかと」「指の付け根」「足の指先」の3点で体を支えるのが理想です。

しかし、現代人の多くは、合わない靴や運動不足により、足の指が地面につかず浮いてしまっている「浮き指」の状態になっています。

指が浮くと、重心は必然的に「かかと（後ろ）」に寄ります。

かかと重心になると、体は後ろに倒れないようにバランスを取ろうとして、骨盤を後ろに倒し、背中を丸めて頭を前に出します（猫背）。

逆に、つま先重心になりすぎると（ハイヒールなど）、前に倒れないように骨盤を過剰に前に倒して反り腰になります。

地面に唯一接している「足裏の重心位置」がズレている限り、その上にある骨盤は、倒れないために歪んだ位置でバランスを取るしかないのです。

2．中から圧迫して広げる「内臓の下垂（ポッコリお腹）」

もう一つの要因は、骨盤の中身の問題です。

骨盤は、腸や膀胱、子宮といった内臓を受け止める「器」の役割もしています。

インナーマッスル（腹横筋や骨盤底筋）が弱ったり、胃腸が疲れていたりすると、内臓を正しい位置に留めておくことができず、重力に従ってズルズルと下に落ちてきます（内臓下垂）。

落ちてきた内臓は、骨盤という器の底に溜まります。

内臓がぎっしり詰まった骨盤は、内側からの圧力で外側へと押し広げられようとします。

これが「産後でもないのに骨盤が開いている気がする」という感覚や、いくら腹筋運動をしても凹まない「ポッコリお腹」の正体です。

中身が落ちてきているのに、外側の骨だけを締め付けても、すぐに戻ってしまうのはこのためです。

歪みをリセットする！土台と中身を整える「生活の知恵」

骨盤を整えるには、無理な矯正よりも、重心を安定させ、内臓を正しい位置に戻す環境作りが重要です。

1．重心をリセットする「足指ジャンケン」の習慣

浮いてしまった足の指を使えるようにする知識です。

骨盤を安定させるには、足の指で地面を「掴む」感覚を取り戻す必要があります。

お風呂に入っている時や、テレビを見ている時に、足の指で「グー（握る）」「チョキ（親指だけ上げる、または親指だけ下げる）」「パー（全部広げる）」を行ってみてください。

特に「パー」で小指までしっかり広げられるようになると、立った時の安定感が劇的に変わります。

足の指が地面に着くと、骨盤は自然と起き上がり、正しい位置に収まりやすくなるのです。

2．内臓を引き上げる「ドローイン（呼吸）」の意識

落ちてきた内臓を、天然のコルセットである筋肉で持ち上げる方法です。

きつい腹筋運動は必要ありません。「呼吸」を使います。

背筋を伸ばして立ち（または座り）、息を吐きながらお腹を背中にくっつけるイメージで、限界まで凹ませます。

お腹を凹ませたまま、浅い呼吸を続け、30秒キープします。

この時、お尻の穴をキュッと締める意識を持つと、骨盤の底にある「骨盤底筋」も同時に働き、内臓を下から持ち上げてくれます。

信号待ちや、エレベーターの中など、隙間時間に「凹ませる」だけで、骨盤を内側から支える力が蘇ります。

3．座る時は「膝を閉じる」

日常の動作で骨盤が開くのを防ぐ知恵です。

デスクワークや電車で座っている時、膝がパッカーンと開いていませんか？

膝が開くと、骨盤も連動して開き、後ろに倒れやすくなります。

座る時は、膝と膝の間をこぶし一つ分程度に閉じる、あるいはタオルなどを挟む意識を持ちましょう。

内ももの筋肉（内転筋）が働くと、骨盤がキュッと締まり、まっすぐに立ちやすくなります。

まとめ：骨盤の歪みは「バランス調整」の結果。重心を変えれば骨盤は立つ

さて、今回は「何度矯正しても戻る『骨盤の歪み』、本当の原因は【足指の浮き】と【内臓の下垂】にあった！」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか？

あなたの骨盤の歪みが、骨自体の変形ではなく、足裏の重心のズレに対する「バランス調整」の結果であり、筋力低下による「内臓の重み」の影響であることをご理解いただけたかと思います。

その歪みやポッコリお腹は、あなたの体が「足元がグラグラだよ！」「内臓を支えきれないよ！」と教えてくれているサインなのです。

では、今日のポイントをまとめます。

• 骨盤の歪みとは、骨が曲がっているのではなく、筋肉のアンバランスによって骨盤が傾いたりねじれたりしている状態である。
• 現代人に多い「浮き指（かかと重心）」は、バランスを取るために骨盤を後ろに倒し、猫背や下半身太りを引き起こす最大の要因である。
• インナーマッスルの低下による「内臓下垂」は、骨盤を内側から圧迫して開き、ポッコリお腹の原因となる。
• 対策として、足指を使う運動で重心を安定させ、お腹を凹ませる呼吸（ドローイン）で内臓を引き上げることが、骨盤を正しい位置に定着させる鍵となる。

骨盤は、体の中心です。

ここが整えば、姿勢が良くなるだけでなく、内臓の働きも良くなり、全身の代謝も上がります。

まずは今日から、足の指で地面を踏みしめ、お腹を少しだけ引き上げて生活してみてください。

土台が安定すれば、あなたの体は自然と美しいラインを取り戻していくはずです。

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