手術宣告された「椎間板ヘルニア」、本当の原因は【ハンバーガー現象】と【座り方の崩れ】にあった!

東角剛司

東角剛司

テーマ:身体の痛み・不調

みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。

「病院でMRIを撮ったら、『ヘルニアが出ていますね』と宣告された」

「お尻から足にかけて激しい痛みと痺れがあり、立っているのもつらい」

「手術を勧められたが、できればメスを入れずに治したい…」

そんな、腰やお尻の激痛と、医師からの「ヘルニア」という診断名に、目の前が真っ暗になっている方はいらっしゃいませんか?

「ヘルニア=手術」あるいは「ヘルニア=治らない」というイメージをお持ちの方が多いですが、決してそんなことはありません。

実は、画像診断でヘルニア(飛び出し)が見つかっても、全く痛みを感じずに生活している人は世の中にたくさんいます。

痛みの本当の原因は、「飛び出していること」そのものよりも、飛び出さざるを得ないような「異常な圧力が、今もかかり続けていること」にあるのです。

その背景には、あなたの背骨にかかっている物理的なストレスの偏りと、それを助長する「座り方の崩れ」という、明確な構造上の問題が隠れています。

今回は、診断名に怯える前に知っておくべき、ヘルニアが発生する生理学的なメカニズム、特に分かりやすい【ハンバーガー現象】と【骨盤の後傾(こうけい)】に焦点を当て、手術を回避し、痛みをコントロールするための「知識」について、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。

なぜ、椎間板は「飛び出す」のか?


まず、敵を知るために、腰の中で何が起きているのかを理解しましょう。

背骨と背骨の間には、「椎間板(ついかんばん)」という、クッションの役割をする組織があります。

これは、あんパンやハンバーガーのような構造をしていて、外側が硬い繊維、中身が「髄核(ずいかく)」というゼリー状のものでできています。

「ヘルニア」とは、ドイツ語で「飛び出す」という意味です。

つまり、椎間板ヘルニアとは、クッションの中身であるゼリーが、外側の繊維を突き破って、外に飛び出してしまった状態を指します。

この飛び出したゼリーが、すぐそばにある神経に触れることで、強烈な痛みや痺れ(坐骨神経痛)を引き起こすのです。

あなたの腰を破壊する、2つの物理的要因


では、なぜ頑丈なクッションの中身が飛び出してしまうのでしょうか?

それは、決して「運が悪かった」わけでも「老化」だけでもなく、物理的な力が働いた結果です。

1.中身を押し出す圧力!「ハンバーガー現象」


これが、ヘルニアが発生する物理的なメカニズムの全てです。

ハンバーガーを食べる時を想像してみてください。

もし、ハンバーガーの「前側(手前側)」を指で強くギュッと押しつぶしたら、中身の具やソースはどうなるでしょうか?

当然、圧力の低い「後ろ側(向こう側)」に向かって、ブニュッと飛び出しますよね。

ヘルニアも全く同じ原理で起きています。

猫背や前かがみの姿勢を続けることで、腰の骨の「前側」ばかりに強い圧力がかかり、椎間板の前側が押しつぶされます。

その圧力の逃げ場として、中身のゼリーが「後ろ側」へと押し出されてしまう
のです。

つまり、ヘルニア(飛び出し)は結果であり、真犯人は「骨の前側を押しつぶし続けている、あなたの姿勢」なのです。

この圧力を解除しない限り、いくら手術で飛び出た部分を切っても、また新しい中身が押し出されて再発してしまいます。

2.圧力を集中させる「骨盤の後傾(座り方の崩れ)」


では、なぜ骨の前側ばかりが押しつぶされるのでしょうか。

その最大の要因は、「骨盤が後ろに倒れている(後傾)」ことにあります。

本来、腰の骨(腰椎)は、緩やかに前にカーブ(前弯)しています。このカーブがあることで、体重などの圧力を分散させています。

しかし、

・ソファの背もたれにだらしなく寄りかかる「仙骨座り」
・デスクワークでの長時間の猫背
・運転中の崩れた姿勢

これらによって骨盤が後ろに倒れると、腰の自然なカーブが失われ、腰骨がまっすぐ、あるいは逆カーブになってしまいます。

カーブが失われた腰骨は、クッション機能がなくなり、体重の負荷がすべて椎間板の「前側」に一点集中します。

これが、ハンバーガーを前側から押しつぶす力となり、ヘルニアを製造し続けているのです。

圧力を逃がして回復へ!腰を守るための「生活の知恵」


飛び出してしまったものを元に戻すのは難しいですが、「飛び出させようとする圧力」をなくせば、痛みは驚くほど引いていきます。

1.ハンバーガーをつぶさない「坐骨(ざこつ)座り」の徹底


ヘルニアの方にとって、座り方は薬以上に重要です。

絶対に避けるべきは、お尻が前にズレて背もたれに寄りかかる「ソファ座り」です。これは骨盤を強烈に後傾させ、椎間板を後ろへ押し出す最強の姿勢です。

座る時は、お尻の穴が真下を向くように、お尻の下にあるゴリゴリした骨「坐骨(ざこつ)」を座面に突き刺すイメージで座ります。

骨盤が立つと、腰骨の自然なカーブが復活し、椎間板にかかる圧力が均等になります。

「柔らかいソファには座らない」「車のシートは直角近くまで起こす」これを徹底するだけでも、神経への攻撃は激減します。

2.顔を洗う時の「ヒップヒンジ(股関節の蝶番)」


ヘルニアの方が最も恐れるのが、朝の洗顔など「前かがみ」になる瞬間です。

多くの方が、腰を丸めることで前かがみになりますが、これは傷口を開くような行為です。

前かがみになる時は、腰を丸めるのではなく、「股関節(足の付け根)」から体を折りたたむようにしましょう。

お尻を後ろに突き出し、背筋は伸ばしたまま、股関節だけを蝶番(ヒンジ)のように動かします。

これなら、腰の骨の形は変わらないため、椎間板への偏った圧力は発生しません。

3.クッションに水を送る「積極的な水分補給」


意外かもしれませんが、椎間板の健康には「水」が不可欠です。

椎間板の髄核(ゼリー部分)の約80%は水分でできています。

水分が不足すると、クッションの弾力が失われ、潰れやすく、飛び出しやすくなります。

特に、カフェイン(コーヒーやお茶)は利尿作用があり水分を排出してしまうため、意識的に「水」や「ノンカフェインの飲み物」をこまめに摂り、椎間板を瑞々しく保つことが、回復への土台作りとなります。

まとめ:ヘルニアは「圧力のエラー」。姿勢を変えれば痛みは変わる


さて、今回は「手術宣告された『椎間板ヘルニア』、本当の原因は【ハンバーガー現象】と【座り方の崩れ】にあった!」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?

画像に写る恐ろしいヘルニアが、不運な病気ではなく、悪い姿勢によって骨の前側が押しつぶされた物理的な「結果」であることをご理解いただけたかと思います。

その激痛は、あなたの体が「これ以上、前側から押しつぶさないで!」「座り方を変えて圧力を逃がして!」と必死に訴えているサインなのです。

では、今日のポイントをまとめます。

  • 椎間板ヘルニアは、姿勢の崩れによって腰骨の前側に圧力が集中し、中身のゼリーが後ろに押し出される「ハンバーガー現象」によって発生する。
  • 骨盤が後ろに倒れる「悪い座り方(仙骨座り)」が、腰のカーブを失わせ、ヘルニアを悪化させる最大の要因である。
  • 飛び出したヘルニアそのものよりも、「飛び出させようとする圧力」を取り除くことが、痛みの軽減には最優先である。
  • 対策として、「坐骨で座る」ことで骨盤を立て、洗顔時などは「股関節から曲げる」動きを習得し、水分補給でクッションの弾力を保つことが不可欠である。


人間の体には、自然治癒力があります。

異常な圧力さえ取り除いてあげれば、飛び出したヘルニアがマクロファージ(免疫細胞)によって食べられ、自然に消滅することも医学的に証明されています。

「もう手術しかない」と諦める前に、まずは今の座り方、体の使い方を見直してみてください。

圧力をコントロールする知識が、あなたを痛みから守る最強の盾となるはずです。

こころ鍼灸整骨院

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東角剛司
専門家

東角剛司(柔道整復師・はり師・きゅう師)

こころ鍼灸整骨院

構造医学の視点から、個々の体の動かし方に合わせて骨格を整えます。肩や腰などの慢性的な痛みに向き合い、整骨院に通わずに済む健康な体づくりをサポート。実務者向けのセミナーも開催しています。

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