自律神経と「腸内環境」の深い関係
みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。
「やかんやフライパンを持とうとすると、肘の外側に鋭い痛みが走る…」
「雑巾を絞る、ドアノブを回すといった、何気ない動作が本当につらい」
「テニスなんてしたこともないのに、なぜか『テニス肘』と診断された」
そんな、肘の外側のしつこい痛みに悩まされていませんか?
「テニス肘」という名前からスポーツによる怪我だと思われがちですが、正式には「上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)」と言い、実際にはパソコン作業や料理、掃除、軽作業などを日常的に行う主婦やデスクワーカーの方に非常に多く見られる症状です。
多くの方が、痛む「肘」そのものに原因があると考え、湿布を貼ったり安静にしたりしますが、なかなか改善しない場合、その痛みの源は「肘」にはないことがほとんどです。
その背景には、あなたの「手首」や「指」の毎日の使い方が、知らず知らずのうちに肘の付け根に微細なダメージを蓄積させているという、構造的な問題が隠れているのです。
今回は、そんな繰り返す肘の痛みの根本にある要因、特に見過ごされがちな【手首を反らす筋肉の疲労】と【物を握ることで生じる隠れた負担】に焦点を当て、そのつらい痛みから解放されるためのヒントについて、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。
肘の外側で、一体何が起きているのか?
まず、痛みの現場で何が起きているかを知っておきましょう。
肘の外側には、「外側上顆(がいそくじょうか)」という骨の出っ張りがあります。
ここには、手首を手の甲側に反らしたり、指を伸ばしたりする筋肉(短橈側手根伸筋など)が、束になって腱として付着しています。
テニス肘とは、手首や指を繰り返し使うことで、この筋肉の付け根である腱の部分に、目に見えない小さな傷や炎症が繰り返し起こり、痛みが生じている状態です。
まるで、一本のロープが、付け根の部分から少しずつほつれてきているようなイメージです。
肘の付け根に負担をかける、2つの主な要因
では、なぜこの部分にばかり負担が集中してしまうのでしょうか。
その要因は、日常生活の中に当たり前のように溶け込んでいる、何気ない動作の癖にあります。
1.絶え間ない牽引力!「手首を反らし続ける筋肉」の過剰な働き
これが、テニス肘を引き起こしている、最も直接的な要因です。
・パソコンのキーボードを打つ時の、少し手首を反らせた姿勢
・マウスを握り、手首を浮かせて操作する動き
・フライパンを握り、食材を返す時の手首の動き
これらの動作では、肘から手首の甲側についている筋肉が、常に収縮して緊張し続けています。
この持続的な緊張が、筋肉の付け根である肘の外側に、常に「引っ張る力(牽引力)」をかけ続けてしまうのです。
一日何時間もこの状態が続けば、筋肉の付け根は休む暇もなく、微細な損傷が修復される時間もありません。
その小さなダメージが許容量を超えた時に、「痛み」というサインとして現れるのです。
2.隠れた負担!「物を握る」という動作の落とし穴
「物を握るのは、手のひら側の筋肉じゃないの?」と思われるかもしれません。
もちろんそうなのですが、実は「強く握る」という動作には、手首を安定させるために、手の甲側の筋肉も同時に強く働く必要があります。
例えば、重いフライパンを握る時、手首がダランと曲がってしまっては力が入らないため、無意識のうちに手首を少し反らして固定し、安定させています。
この時に、肘の外側についている筋肉が総動員されているのです。
そのため、カバンを強く握る、包丁で硬いものを切る、ハンマーを使うといった、日常生活のあらゆる「握る」動作が、知らず知らずのうちに肘の外側の筋肉を酷使し、疲労を蓄積させているのです。
肘の負担を根本から減らす!今日からできるセルフケア
痛みを改善するには、肘に負担をかけている「前腕の筋肉」の緊張を、直接和らげてあげることが最も効果的です。
1.引っ張る力を解放する「前腕ストレッチ」
硬く縮こまった、手首を反らす筋肉をじっくりと伸ばしてあげましょう。
1.痛い方の腕を、肘をまっすぐ伸ばして前に出します。手のひらを下に向けてください。
2.反対の手で、伸ばした方の手の甲をつかみ、ゆっくりと手首を下に(手のひら側に)曲げていきます。
3.肘の外側から、前腕の甲側にかけてが、じんわりと気持ちよく伸びているのを感じながら、深呼吸と共に20~30秒キープします。
4.これを2~3セット、特に作業の合間や後に行うのが効果的です。
※強い痛みを感じる場合は、無理のない範囲で行ってください。
2.筋肉の硬さを直接ほぐす「前腕マッサージ」
筋肉の緊張が特に強い部分を、直接ほぐして血行を促します。
1.楽な姿勢で椅子に座り、痛い方の腕の力を抜いて、膝の上に置きます。
2.反対側の手の親指を使って、肘と手首の間にある、前腕の筋肉(手の甲側)を押していきます。
3.押してみて、「痛いけど気持ちいい」と感じる、少し硬いしこりのような部分を探します。
4.そのポイントを、親指でゆっくりと5秒ほど圧迫し、ゆっくり離す、という動作を数回繰り返します。
まとめ:肘の痛みは「手首と指の使い方」を見直すためのサイン
さて、今回は「物を持つと肘の外側が痛い『テニス肘』、本当の原因は【手首の使いすぎ】と【指の筋肉の疲労】にあった!」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
あなたの日常生活を悩ませていた肘の痛みが、単に肘だけの問題ではなく、日々の「手首」や「指」の使い方によって、前腕の筋肉が疲弊した「結果」であることを、ご理解いただけたかと思います。
その痛みは、あなたの体が「今の腕の使い方は、付け根の部分に負担がかかりすぎていますよ」「少し休ませて、使い方を見直してください」と教えてくれている、大切なサインなのです。
では、今日のポイントをまとめます。
- テニス肘の痛みの正体は、手首や指を動かす筋肉の「肘の付け根」に、微細な傷と炎症が起きている状態である。
- 主な要因は、PC作業などで「手首を反らし続ける」ことで、筋肉が常に緊張し、付け根を引っ張り続けてしまうことにある。
- もう一つの要因は、「物を強く握る」動作で、手首を安定させるために無意識に手の甲側の筋肉を酷使し、疲労を蓄積させていることである。
- 改善には、前腕のストレッチで筋肉の柔軟性を取り戻し、セルフマッサージで硬くなった部分を直接ほぐすケアが非常に有効である。
私たちの手や腕は、毎日当たり前のように、実に精緻で力強い働きをしてくれています。
その働きを支えている筋肉や腱に、少しだけ注意を向け、いたわってあげる時間を作ってみてください。
まずは今日ご紹介したケアを、仕事や家事の合間に取り入れることから始めてみましょう。
痛みなく、快適に毎日を過ごすための第一歩は、ご自身の体への小さな配慮から始まります。
こころ鍼灸整骨院



