アトピー性皮膚炎と自律神経|【かゆみとストレス】の悪循環と整体ケア
みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。
「朝、起き上がろうとするとフワフワとめまいがする…」
「しっかり寝ているはずなのに、一日中だるさが抜けない」
「理由もないのに急に心臓がドキドキしたり、不安になったりする」
そんな、病院で検査をしても「特に異常なし」「ストレスですね」と言われてしまうような、原因不明のつらい不調に悩まされていませんか?
これらの症状は、まとめて「自律神経の乱れ」や「自律神経失調症」と呼ばれることが多く、多くの方が「心の問題」「気のもちよう」だと考えてしまいがちです。
しかし、もしあなたが、薬を飲んだり、気分転換をしたりしても一向に改善しないのであれば、その不調の引き金は、単なる「ストレス」だけではないかもしれません。
その背景には、あなたの体に染み付いた「物理的な問題」が、自律神経の正常な働きを妨げ、心身のバランスを崩してしまっている可能性が非常に高いのです。
今回は、そんな出口の見えない不調の根本原因、特に見過ごされがちな【首の異常な緊張】と【無意識の浅い呼吸】に焦点を当て、自分自身で心身のバランスを取り戻すためのヒントについて、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。
そもそも「自律神経」とは?アクセルとブレーキの乱れ
自律神経とは、私たちが意識しなくても、心臓を動かしたり、汗をかいたり、食べたものを消化したりと、生命を維持するために24時間働き続けてくれている神経のことです。
自律神経は、2つの相反する働きを持つ神経で構成されています。
・交感神経:車でいう「アクセル」。心拍数を上げ、血管を収縮させ、体を活動的・緊張状態にする。
・副交感神経:車でいう「ブレーキ」。心拍数を下げ、血管を拡張させ、体を休息・リラックス状態にする。
健康な状態では、このアクセルとブレーキが、状況に応じてシーソーのようにバランスを取りながら、うまく切り替わっています。
しかし、「自律神経が乱れている」状態とは、何らかの原因でアクセルである「交感神経」が過剰に働き続け、ブレーキがうまく効かなくなってしまった状態なのです。これでは、心も体も休まる時がなく、様々な不調が現れるのも当然です。
あなたのブレーキを壊す、2つの物理的な原因
では、なぜブレーキが効かなくなってしまうのでしょうか。
精神的なストレスはもちろん大きな要因ですが、それ以上に「体の構造的な問題」が、自律神経のスイッチを物理的に狂わせていることがあります。
1.神経の通り道を塞ぐ!「首・肩周りの異常な緊張」
これが、自律神経の乱れを引き起こす、極めて重要な物理的要因です。
首の骨(頸椎)の周りには、自律神経の中でも特に重要な神経が密集しています。
特に、体をリラックスさせる「副交感神経」の大きな枝である「迷走神経」は、首の前側を通っています。
ところが、
・長時間のスマホやパソコン作業による「ストレートネック」
・猫背や巻き肩といった不良姿勢
こうした状態が続くと、首から肩にかけての筋肉は、常に重い頭を支えるためにガチガチに緊張し続けます。
硬くこわばった筋肉は、まるで万力のように、自律神経の通り道そのものを圧迫し、正常な信号のやり取りを妨害してしまうのです。
さらに、首の筋肉の緊張は、脳への血流も悪化させます。自律神経の最高中枢である脳が酸欠状態になれば、正しい指令が出せなくなるのは当然のことです。
あなたの首は、自律神経のコントロールセンターと体をつなぐ、最も重要な「関所」。この関所が凝り固まっていては、全身に平和な指令は届きません。
2.体を常に臨戦態勢にする「浅い呼吸」[/背景黄色]
自律神経の働きは、基本的に意識してコントロールできません。しかし、唯一、私たちが意識的に介入できるのが「呼吸」です。
本来、リラックスしている時の呼吸は、お腹が膨らむ「腹式呼吸」です。横隔膜という筋肉がしっかり上下することで、深くゆったりとした呼吸が可能になります。
しかし、ストレスや猫背姿勢が続くと、横隔膜の動きが硬くなり、胸だけで行う浅く速い「胸式呼吸」が癖になってしまいます。
浅く速い呼吸は、交感神経が優位な「興奮・緊張状態」のサインです。
無意識にこのような呼吸を繰り返している体は、「常に何かの脅威にさらされている」と勘違いし、アクセル(交感神経)を踏みっぱなしにしてしまうのです。
心身をリセットする!自律神経を整えるセルフケア
薬に頼る前に、まずは体の構造から自律神経のバランスを整えるアプローチを試してみましょう。
[中見出し]1.首の関所を開放する「胸鎖乳突筋ストレッチ」
首の前側にある「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」は、自律神経と深く関わる筋肉です。ここを優しく伸ばしてあげましょう。
1.椅子に座るか、楽な姿勢で立ち、背筋を伸ばします。
2.まず、鎖骨の下あたりを片方の手で軽く押さえます。
3.ゆっくりと首を反対側に倒し、そのまま斜め上を向くように、ゆっくりと天井を見上げます。
4.首の前の筋が、じんわりと気持ちよく伸びているのを感じながら、深呼吸をしながら15~20秒キープします。
5.ゆっくりと元に戻し、反対側も同様に行います。
[中見出し]2.ブレーキを意図的に踏む「1:2呼吸法」[/背景黄色]
息を「吸う」時よりも「吐く」時を長くすることで、副交感神経(ブレーキ)を優位にすることができます。
1.姿勢を正し、楽な体勢になります。まず、口から体の中の空気をすべて、ゆっくりと吐ききります。
2.次に、鼻から4秒かけて、ゆっくりと息を吸い込みます。
3.そして、口をすぼめて、8秒かけて、吸った時の倍の時間をかけてゆっくりと息を吐き出します。
4.これを5~10分ほど、特に就寝前や、不安を感じた時に行ってみましょう。
まとめ:原因不明の不調は「体の使い方を変えて」というサイン
さて、今回は「原因不明のめまい・だるさ『自律神経の乱れ』、本当の原因は【首の異常な緊張】と【呼吸の浅さ】にあった!」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
出口の見えない不調が、単なる「心の問題」ではなく、「首の緊張」や「呼吸の浅さ」といった、具体的な「体の問題」から引き起こされていることを、ご理解いただけたかと思います。
そのつらい症状は、あなたの体が「今の姿勢や呼吸のままではもう限界だよ」「少し立ち止まって、体をいたわってほしい」と発している、必死のサインなのです。
では、今日のポイントをまとめます。
- 自律神経の乱れの多くは、アクセル(交感神経)が過剰になり、ブレーキ(副交感神経)が効かなくなった状態である。
- ストレートネックなどによる「首の異常な緊張」は、自律神経の通り道を物理的に圧迫し、機能を妨害する大きな原因となる。
- 無意識に定着した「浅い呼吸」は、体を常に興奮・緊張状態にさせ、自律神経の乱れを助長する。
- 首のストレッチで神経の通り道を確保し、「吐く息を長くする」呼吸法で意図的にブレーキを踏むセルフケアが非常に有効である。
私たちの心と体は、分けることのできない、一つながりのものです。
体の状態が、心の状態に大きな影響を与えています。
「原因不明」とされた不調にも、必ずどこかに原因は隠れています。
まずは今日ご紹介したケアを、ご自身の体と対話するように、優しく試してみてください。
その小さな一歩が、穏やかで快適な毎日を取り戻すための、大きな変化につながっていくはずです。
こころ鍼灸整骨院



