寝ても治らない「眼精疲労」、本当の原因は【ピント調節筋のけいれん】と【脳の映像処理エラー】にあった!
みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。
ランニングやジョギングを楽しまれているみなさん。こんな経験はありませんか?
「走り始めは大丈夫なのに、数キロ走ると膝の外側がズキズキと痛み出す…」
「特に下り坂を走る時に、膝の外側に鋭い痛みが走る…」
「一度痛みが出ると、膝の曲げ伸ばしだけでも痛くて、走るのが怖くなってしまう…」
そんな、ランニング中に現れる「膝の外側の痛み」に悩まされていませんか?
もし、このような症状に心当たりがあるなら、それはもしかしたら、ランナーに非常に多く見られるスポーツ障害である「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」、通称「ランナー膝」かもしれません。
「走りすぎが原因だろう」「しばらく休めば治るはず」と軽く考えていると、痛みが慢性化してしまったり、少し走っただけですぐに再発したりと、なかなか思うようにランニングを楽しめない、厄介な状態に陥ってしまうことがあります。
今回は、そんな「ランナー膝」がなぜ起こるのか、その根本的な原因と、痛みを繰り返さないための重要な対策、そして効果的なセルフケアについて、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。
「ランナー膝(腸脛靭帯炎)」ってどんな状態?
まず、「腸脛靭帯炎」とは、どのような状態なのでしょうか?
腸脛靭帯とは?
「腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)」とは、骨盤の外側(腸骨)から始まり、太ももの外側を通り、すねの骨(脛骨)の外側に付着している、非常に長くて強靭な靭帯組織です。
イメージとしては、ズボンの外側の縫い目のような位置にあり、骨盤と膝関節の安定性を保つ上で重要な役割を担っています。
炎症が起こるメカニズム
ランニングなどで膝の曲げ伸ばしを繰り返すと、この腸脛靭帯は、太ももの骨の外側にある出っ張り(大腿骨外側上顆:だいたいこつがいそくじょうか)の上を、前後にスライドするように動きます。
通常であれば、この動きはスムーズに行われます。
しかし、何らかの原因で腸脛靭帯の緊張が強まったり、動きがスムーズでなくなったりすると、この骨の出っ張り部分との間で過剰な摩擦が生じ、炎症が起きてしまうのです。
これが「腸脛靭帯炎(ランナー膝)」の正体です。
【ランナー膝の主な症状】
- 膝の外側、特に骨の出っ張りの少し上あたりに、ズキズキとした痛みが生じる。
- 初期は、ランニングの後半やランニング後に痛みが出るが、休むと治まる。
- 進行すると、走り始めから痛んだり、日常生活(階段の上り下りなど)でも痛みを感じるようになったりする。
- 特に、下り坂を走る時に痛みが強くなることが多い。
- 痛む部分を押すと、強い痛み(圧痛)がある。
- 腫れや熱感を伴うこともある。
なぜ起こるの?ランナー膝を引き起こす「根本原因」
ランナー膝は、単に「走りすぎ(オーバーユース)」だけで起こるわけではありません。
なぜ、あなたの膝の外側にばかり負担がかかってしまうのか、その根本的な原因を探ることが、再発を防ぐ上で非常に重要です。
1.身体的な要因(体の歪み・筋力不足)
これが、ランナー膝の最も大きな原因と考えられています。
お尻の筋肉(特に中殿筋)の筋力不足:
お尻の横側にある「中殿筋(ちゅうでんきん)」は、ランニング中に骨盤を安定させ、体が左右にブレるのを防ぐ非常に重要な筋肉です。
この中殿筋が弱いと、着地時に骨盤が外側に傾き、その結果として太ももの外側にある腸脛靭帯が過剰に引っ張られ、緊張しやすくなります。
硬い筋肉(柔軟性の低下):
腸脛靭帯そのものや、腸脛靭帯と繋がっているお尻の筋肉(大殿筋)や太ももの外側の筋肉(大腿筋膜張筋)が硬くなっていると、摩擦が生じやすくなります。
O脚(内反膝):
O脚の方は、もともと体重が足の外側にかかりやすいため、腸脛靭帯に常にストレスがかかった状態になり、ランナー膝のリスクが高まります。
足元の不安定さ(回内足など):
着地時にかかとが内側に過剰に倒れ込む「回内足(オーバープロネーション)」があると、すねの骨が内側にねじれ、相対的に腸脛靭帯が引っ張られてしまいます。
2.トレーニングに関する要因
急激な走行距離や強度の増加:
体がまだ適応できていないのに、急に長い距離を走ったり、スピードを上げたりすると、膝への負担が急増します。
下り坂や硬い路面でのトレーニング:
下り坂は、着地時の衝撃が大きく、膝への負担が増します。また、アスファルトなどの硬い路面も同様です。
ウォーミングアップ・クールダウン不足:
練習前後のストレッチなどを怠ると、筋肉が硬いまま走り始めたり、疲労が蓄積したりして、ケガのリスクを高めます。
3.不適切なシューズ
クッション性が低い、かかとがすり減っている、自分の足の形や走り方に合っていないといったシューズは、衝撃吸収能力を低下させ、膝への負担を直接的に増やします。
今日から実践!ランナー膝の「痛み改善」と「再発予防」セルフケア
つらい痛みを和らげ、再発を防ぐために、ご自宅でできる効果的なセルフケアをご紹介します。
痛みが強い急性期は、まずはランニングを休んで安静にし、練習後に痛みや熱感がある場合はアイシングを行うことが最優先です。
ケア1:腸脛靭帯・太もも外側のストレッチ
硬くなった腸脛靭帯と、その周辺の筋肉を伸ばし、緊張を和らげます。
まっすぐに立ち、痛い方の足を、痛くない方の足の後ろで交差させます。
痛くない方の手で壁や椅子に手をついてバランスを取ります。
背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと体を痛くない方の横に倒していきます。
痛い方の足の外側、腰から太ももにかけてが心地よく伸びるのを感じながら、20~30秒間キープします。
※体を前に倒さないように注意しましょう。
ケア2:お尻の筋肉(中殿筋・梨状筋)のストレッチ
腸脛靭帯と繋がっているお尻の筋肉の柔軟性を高めることは、非常に重要です。
椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばします。
痛い方の足のくるぶしを、反対側の膝の上に乗せます。(数字の「4」の字の形)
背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと体を前に倒していきます。
乗せている側のお尻の筋肉が伸びるのを感じながら、20~30秒間キープします。
ケア3:フォームローラーを使った筋膜リリース
フォームローラーをお持ちの方は、より効果的に筋膜をほぐすことができます。
横向きになり、下側の腕で体を支えます。フォームローラーを痛い方の太ももの外側に置きます。
上側の足を体の前に出してバランスを取りながら、ゆっくりと体を上下に動かし、ローラーを股関節の付け根から膝の少し上まで転がします。
非常に痛みを感じやすい部位なので、体重のかけ方を調整し、無理のない範囲で行いましょう。
ケア4:お尻の筋肉(中殿筋)を鍛えるトレーニング
ランナー膝の再発予防において、最も重要なトレーニングの一つです。
横向きに寝て、下側の腕で頭を支え、体は一直線にします。両膝は軽く曲げましょう。
上側の膝を伸ばし、かかとを少し後ろに引くようなイメージで、ゆっくりと斜め後ろに持ち上げます。(クラムシェル運動の応用)
お尻の横あたりがキュッと締まるのを感じながら、数秒キープし、ゆっくりと下ろします。これを15~20回程度繰り返します。反対側も同様に行いましょう。
これらのセルフケアは、痛みがなくなってからも継続することが、再発を防ぐ上で何よりも大切です。
まとめ:ランナー膝は「膝の外側」だけが原因じゃない!体全体から見直そう
さて、今回は「ランナー膝の痛み|膝の外側が痛む【腸脛靭帯炎】の原因と対策」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
ランニング中のつらい膝の外側の痛みが、単なる「走りすぎ」だけでなく、その背景に「お尻の筋力不足」や「体の歪み」といった、根本的な原因が隠れていることをご理解いただけたかと思います。
痛む膝だけをケアしても、根本原因が解決されなければ、痛みは何度でも繰り返してしまいます。
では、今日のポイントをまとめます。
- ランナー膝(腸脛靭帯炎)は、膝の曲げ伸ばしの繰り返しにより、太ももの外側にある「腸脛靭帯」と、太ももの骨の出っ張りが擦れて炎症が起こるスポーツ障害である。
- 根本的な原因として、お尻の筋肉(特に中殿筋)の筋力不足、硬い筋肉(柔軟性低下)、O脚、足元の不安定さ(回内足など)といった身体的な要因が大きく関わっている。
- 対策として、急性期は安静とアイシングを優先し、慢性期には腸脛靭帯やお尻の筋肉のストレッチ、フォームローラーでの筋膜リリース、そして中殿筋を鍛えるトレーニングが非常に有効である。
- トレーニング内容の見直し(走行距離、路面)、シューズの見直し、ウォーミングアップ・クールダウンの徹底も、再発予防には不可欠である。
ランナー膝は、「走り方」や「体の使い方」を見直す良い機会を与えてくれるサインとも言えます。
もし、あなたがセルフケアだけでは改善しない、あるいは痛みを繰り返してしまう場合は、体の歪みを根本から整え、正しい体の使い方を再学習する必要があるかもしれません。
体の構造を整え、筋肉のバランスを改善することは、ランナー膝の改善だけでなく、より効率的で、ケガをしにくいランニングフォームを手に入れるための土台作りとなります。
痛みなく、生涯にわたってランニングを楽しめる体づくりを、一緒に目指しましょう。
こころ鍼灸整骨院



