【ウォーキングの効果】正しい歩き方で腰痛・膝痛を改善する

東角剛司

東角剛司

テーマ:ストレッチ・運動

みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。

「健康のために、何か運動を始めたいけど、何から手をつけて良いか分からない…」

そんな風に思っている方、多いのではないでしょうか?

そんな方に、私がまず最初におすすめしたいのが「ウォーキング」です。

ウォーキングは、老若男女を問わず、誰でも、いつでも、どこでも、手軽に始められる、最も基本的で効果的な運動の一つです。

「ただ歩くだけでしょ?」と侮ってはいけません。

実は、「正しい歩き方」を意識するだけで、ウォーキングは単なる有酸素運動にとどまらず、体の歪みを整え、つらい「腰痛」や「膝痛」を改善する、最高のセルフケアにもなり得るのです。

しかし、その一方で、間違った歩き方を続けていると、かえって腰や膝に負担をかけ、症状を悪化させてしまう危険性もあります。

今回は、そんな「ウォーキング」の効果を最大限に引き出し、腰痛・膝痛を改善するための「正しい歩き方」のポイントについて、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。

なぜ「歩くこと」が体に良いの?ウォーキングがもたらす驚きの効果

まず、ウォーキングが私たちの心と体に、どのような素晴らしい効果をもたらしてくれるのか、改めて確認しておきましょう。

1.生活習慣病の予防・改善

ウォーキングは、脂肪を燃焼させ、血糖値や血圧、血中脂質を改善する効果が期待できる、代表的な有酸素運動です。

定期的に続けることで、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病の予防・改善に繋がります。

2.骨を丈夫にし、骨粗しょう症を予防

歩くことで、骨に「着地衝撃」という適度な負荷がかかります。この刺激が、骨密度を高め、骨を丈夫にする働きがあるのです。

特に、閉経後の女性は骨粗しょう症のリスクが高まるため、ウォーキングは非常に重要な骨の健康法と言えます。

3.心肺機能の向上

継続的なウォーキングは、心臓や肺の働きを高め、持久力を向上させます。

これにより、疲れにくい体になり、日常生活での活動量も自然と増えていきます。

4.脳の活性化とストレス解消

リズミカルな運動であるウォーキングは、気分を安定させる脳内物質「セロトニン」の分泌を促します。

これにより、ストレスが解消され、気分がリフレッシュします。

また、脳の血流が良くなることで、認知機能の維持・向上や、認知症の予防にも効果が期待できると言われています。

5.そして…腰痛・膝痛の改善!

そして、今回最も注目したいのが、この効果です。

正しい歩き方によるウォーキングは、

筋力アップ:
お尻や太もも、体幹といった、体を支える重要な筋肉を強化します。

血行促進:
筋肉のポンプ作用により、全身の血行が良くなり、痛みを発する物質の排出を促し、筋肉の緊張を和らげます。

関節の柔軟性向上:
股関節や膝関節、足首といった関節を、負担の少ない範囲で動かすことで、関節の動きを滑らかにし、可動域を維持・改善します。

これらの効果が、腰痛や膝痛の根本的な原因にアプローチし、症状の改善に繋がるのです。

あなたの歩き方は大丈夫?腰痛・膝痛を招く「NGウォーキング」

せっかく健康のために歩いているのに、その歩き方が間違っていたら、元も子もありません。

以下のような「NGウォーキング」になっていないか、チェックしてみましょう。

NG1:猫背・うつむき歩き

背中が丸まり、頭が前に突き出た姿勢で歩くと、首や肩、背中の筋肉に大きな負担がかかります。

また、体の重心が前に傾くため、バランスを取ろうとして膝が曲がりやすくなり、膝痛の原因となります。

腰にも負担がかかり、腰痛を悪化させることも。

NG2:反り腰・胸張りすぎ歩き

「良い姿勢で歩こう!」と意識するあまり、胸を張りすぎて、腰を過剰に反らせてしまう歩き方です。

この歩き方は、腰の骨(腰椎)の関節に常に圧迫ストレスをかけ、腰痛(特に脊柱管狭窄症やすべり症の方には禁物)を悪化させる原因となります。

NG3:すり足・ペタペタ歩き

足の指で地面をしっかりと蹴り出さず、足裏全体で着地するような歩き方です。

足裏のアーチ機能が使えず、地面からの衝撃をうまく吸収できません。その結果、衝撃が膝や股関節、腰に直接伝わり、痛みの原因となります。

また、つまずきやすく、転倒のリスクも高まります。

NG4:ガニ股・内股歩き

つま先が外側を向く「ガニ股」は膝の内側に、つま先が内側を向く「内股」は膝の外側に、それぞれ偏った負担をかけ、O脚やX脚を助長し、膝痛の原因となります。

股関節や骨盤の歪みとも深く関連しています。

NG5:ドスドス歩き

かかとから強く地面に打ち付けるように歩くと、着地時の衝撃が非常に大きくなります。

この衝撃が、膝、股関節、腰、そして首にまで響き、様々な痛みの原因となります。

腰痛・膝痛を改善する!「正しい歩き方」7つの法則

では、体に負担をかけず、ウォーキングの効果を最大限に引き出すための「正しい歩き方」とは、どのようなものでしょうか?7つのポイントにまとめてみました。

1:視線は遠く、まっすぐに

足元ばかり見るのではなく、視線は10~15mくらい先の、遠くを見るようにしましょう。

自然とアゴが引かれ、頭が背骨の真上に乗り、首や肩への負担が軽減されます。

2:頭のてっぺんから吊られているイメージ

頭のてっぺんから、一本の糸で空に向かって、すーっと軽く吊られているようなイメージを持つと、背筋が自然と伸び、美しい姿勢になります。
胸を張りすぎる必要はありません。

3:肩の力を抜き、腕はリズミカルに

肩に力が入っていると、肩こりの原因になります。肩の力をストンと抜き、リラックスさせましょう。

腕は、肘を軽く曲げ(90度くらいが目安)、脚の動きに合わせて、前後にリズミカルに振ります。

肩甲骨から動かすように、後ろに引くことを意識すると、猫背や巻き肩の改善にも繋がります。

4:おへその下(丹田)に軽く力を入れる

おへそから指3本分くらい下にある「丹田(たんでん)」という部分に、軽く力を入れると、骨盤が安定し、反り腰を防ぐことができます。

体幹(インナーマッスル)が使われている感覚です。

5:着地は「かかと」から、優しく

着地は、かかとから優しく地面につきます。

ドスンドスンと音を立てないように、ソフトな着地を心がけましょう。

膝は軽く曲げ、クッションのように衝撃を吸収します。

6:重心移動はスムーズに

着地したかかとから、足の外側を通り、小指の付け根、そして親指の付け根へと、体重がスムーズに移動していくのを感じましょう。(ローリング歩行)

7:最後は「親指の付け根」で力強く蹴り出す

歩行の推進力を生み出す、最も重要なポイントです。

後ろ足の親指の付け根(母指球)で、地面をしっかりと押し出すように蹴り出します。

この時、お尻の筋肉(大殿筋)がキュッと締まるのを感じられれば、正しく使えている証拠です。

この「蹴り出し」が、歩幅を広げ、ヒップアップ効果や、腰痛・膝痛の改善に繋がるのです。

まとめ:歩き方を変えれば、体は変わる。今日の一歩から始めよう

さて、今回は「【ウォーキングの効果】正しい歩き方で腰痛・膝痛を改善する」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?

毎日、何気なく行っている「歩く」という動作が、これほどまでに奥深く、そして私たちの体の状態を左右する力を持っていることをご理解いただけたかと思います。

正しい歩き方は、お金も時間もかからない、最高の健康法であり、治療法でもあるのです。

では、今日のポイントをまとめます。

  • ウォーキングは、生活習慣病予防、骨粗しょう症予防、心肺機能向上、脳の活性化、ストレス解消といった多くの効果に加え、正しい歩き方で行うことで、腰痛や膝痛の改善にも繋がる。
  • 猫背・うつむき歩き、反り腰歩き、すり足・ペタペタ歩き、ガニ股・内股歩き、ドスドス歩きといった「NGウォーキング」は、かえって腰や膝に負担をかけ、症状を悪化させる可能性がある。
  • 腰痛・膝痛を改善する「正しい歩き方」の極意は、視線を遠くに、頭は吊られているイメージ、肩の力を抜き腕を振る、お腹に軽く力を入れる、着地はかかとから優しく、スムーズな重心移動、そして最後は親指の付け根で力強く蹴り出すことである。
  • 特に、後ろ足の親指の付け根で地面を蹴り出し、お尻の筋肉を使う意識が、推進力を生み出し、腰や膝への負担を減らす鍵となる。


体の歪みが強い場合、意識するだけでは正しい歩き方が難しいこともあります。

それは、長年の癖によって、筋肉のバランスが崩れ、関節の動きが悪くなっているからです。

体の構造を整え、正しい動きを取り戻すことで、初めて理想的なウォーキングフォームが身につきます。

もし、あなたが「正しい歩き方をしても、なぜか痛い」「自分の体の歪みが気になる」と感じるなら、それは、あなたの体が「まずは土台から整えて!」とサインを送っているのかもしれません。

こころ鍼灸整骨院

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東角剛司
専門家

東角剛司(柔道整復師・はり師・きゅう師)

こころ鍼灸整骨院

構造医学の視点から、個々の体の動かし方に合わせて骨格を整えます。肩や腰などの慢性的な痛みに向き合い、整骨院に通わずに済む健康な体づくりをサポート。実務者向けのセミナーも開催しています。

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