【痛みと栄養】炎症を抑える食事、回復を早める食事

東角剛司

東角剛司

テーマ:美容関連

みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。

「長引く肩こりや腰痛、どうにかならないかな…」

「膝や股関節の痛みが、なかなかスッキリしない…」

「ケガをした後、少しでも早く回復したい…」

そんな、「痛み」に関するお悩み、抱えていませんか?

痛みを感じると、多くの方は湿布を貼ったり、マッサージを受けたり、ストレッチをしたりといった「外側からのケア」を思い浮かべますよね。

もちろん、それらのケアも非常に重要です。

しかし、そのつらい痛みや、体の回復を、実は「内側から」、つまり「毎日の食事」によっても大きく左右されることをご存知でしょうか?

「食べ物で痛みが変わるなんて、本当?」と驚かれるかもしれません。

しかし、私たちの体は、食べたもので作られています。

炎症を抑える働きをする栄養素もあれば、逆に炎症を促進してしまう食べ物もあるのです。

今回は、そんな「痛み」と「栄養」の知られざる深い関係、そして、炎症を抑え、体の回復を早めるための食事のポイントについて、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。

「痛み」と「炎症」のメカニズム|体の中で何が起こっているの?

まず、「痛み」がどのようにして起こるのか、その背景にある「炎症」という体の反応について、簡単に理解しておきましょう。

ケガをした時や、体に異常が起きた時、私たちの体の中では「炎症」という防御反応が起こります。
炎症には、

  • 発赤(赤くなる)
  • 熱感(熱を持つ)
  • 腫脹(腫れる)
  • 疼痛(痛む)
  • 機能障害(動かしにくくなる)

といった「5大徴候」があります。

この炎症の過程で、「プロスタグランジン」や「サイトカイン」といった、痛みを引き起こしたり、炎症を増強させたりする「炎症性物質」が作られます。

「痛み」とは、この炎症性物質が、神経を刺激することで生じる、体からのSOSサインなのです。

ケガなどの「急性炎症」は、体を修復するための正常な反応であり、通常は時間とともに治まります。

しかし、長引く肩こりや腰痛、関節痛などの「慢性的な痛み」の背景には、体の中でくすぶり続ける「慢性炎症」という状態が隠れていることが多いのです。

そして、この「慢性炎症」の状態を、日々の食事が大きく左右している可能性があるのです。

あなたの食事が炎症を招く!?「炎症を促進する」食べ物

残念ながら、現代の食生活には、体の「慢性炎症」を促進し、痛みを悪化させやすい食べ物が多く含まれています。

1.質の悪い「油(脂質)」


油の種類は、体内の炎症レベルを左右する最も重要な要素の一つです。

特に注意したいのが、「オメガ6系脂肪酸」と「トランス脂肪酸」です。


オメガ6系脂肪酸の過剰摂取:

サラダ油、コーン油、ごま油といった一般的な植物油や、スナック菓子、加工食品に多く含まれるオメガ6系脂肪酸は、体内で炎症を促進する物質に変換されやすい性質があります。

もちろん、適量は必要ですが、現代の食生活では、過剰摂取になりやすい傾向にあります。


トランス脂肪酸:

マーガリン、ショートニング、それらを使ったパンやお菓子、揚げ物などに含まれるトランス脂肪酸は、「最悪の油」とも呼ばれ、体内で強い炎症を引き起こし、動脈硬化などの原因にもなることが知られています。

2.「砂糖」や「精製された炭水化物」

砂糖や、白米、白いパン、うどんといった精製された炭水化物は、血糖値を急激に上昇させます。

血糖値が急上昇すると、それを下げるためにインスリンというホルモンが大量に分泌されますが、この血糖値の乱高下は、体内で炎症を引き起こす「AGEs(終末糖化産物)」という老化物質の生成を促進してしまいます。

AGEsは、血管や骨、関節などを硬くし、痛みの原因となります。

3.「加工食品」や「ジャンクフード」

加工食品やジャンクフードには、前述した質の悪い油や砂糖が多く含まれているだけでなく、食品添加物や保存料などが、体の解毒機能に負担をかけ、炎症を引き起こす一因となる可能性があります。

これらの食べ物を完全に排除するのは難しいかもしれませんが、「摂りすぎていないか?」と、ご自身の食生活を一度見直してみることが大切です。

痛みを和らげ、回復を早める!「抗炎症作用」のある栄養素と食べ物

では、逆に、体の炎症を抑え、痛みを和らげ、回復をサポートしてくれる食べ物には、どのようなものがあるのでしょうか?

1.良質な「油(オメガ3系脂肪酸)」

炎症を促進しやすいオメガ6系脂肪酸とは逆に、炎症を抑制する働きがあるのが「オメガ3系脂肪酸」です。

現代人は、オメガ6系が過剰で、オメガ3系が不足している傾向にあるため、意識して摂取することが非常に重要です。

多く含まれる食品:
青魚(サバ、イワシ、サンマ、アジなど)、アマニ油、えごま油、チアシード、くるみなど。

アマニ油やえごま油は熱に弱いため、ドレッシングなど、加熱せずに使うのがおすすめです。

2.「抗酸化物質」で体のサビを防ぐ

体内で発生する「活性酸素」は、細胞を傷つけ、炎症を引き起こす原因となります。この活性酸素の働きを抑えるのが「抗酸化物質」です。

色とりどりの野菜や果物を摂ることで、様々な種類の抗酸化物質をバランス良く摂取できます。

ビタミンC:
パプリカ、ブロッコリー、キウイ、イチゴなど。

ビタミンE:
アーモンドなどのナッツ類、アボカド、かぼちゃなど。

ポリフェノール:
緑茶、コーヒー、カカオ、ベリー類(ブルーベリーなど)、大豆製品など。

カロテノイド:
トマト(リコピン)、人参(β-カロテン)、ほうれん草(ルテイン)など。

3.体の材料となる「タンパク質」

筋肉や骨、軟骨、皮膚、血液といった、傷ついた組織を修復するための材料となるのが「タンパク質」です。

痛みの回復期には、特に重要となります。

多く含まれる食品:
肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など。
毎食、手のひら1枚分くらいを目安に、バランス良く摂りましょう。

4.回復をサポートする「ビタミン・ミネラル」


ビタミンB群:
エネルギー代謝を助け、神経の機能を正常に保つ働きがあります。

疲労回復や、しびれの緩和にも関わります。

豚肉、レバー、魚介類、豆類などに多く含まれます。

亜鉛:
細胞の再生や、タンパク質の合成に不可欠なミネラルです。傷の治りを早める効果が期待できます。
牡蠣、レバー、牛肉などに多く含まれます。

マグネシウム:
筋肉の弛緩を助け、神経の興奮を鎮める働きがあります。筋肉のけいれんや、痛みの緩和に関わります。

海藻類、ナッツ類、豆類、玄米などに多く含まれます。

5.「スパイス」や「ハーブ」の抗炎症作用

料理に使うスパイスやハーブにも、強力な抗炎症作用を持つものがあります。

  • 生姜(ジンゲロール): 血行を促進し、体を温める効果も。
  • ウコン(クルクミン): カレー粉の主成分。
  • ニンニク(アリシン)
  • シナモン
  • ローズマリー


まとめ:食事は最高の「セルフケア」。内側から痛みと戦う体を作ろう

さて、今回は「【痛みと栄養】炎症を抑える食事、回復を早める食事」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?

「痛み」と「食事」が、これほどまでに深く結びついていることに、驚かれた方もいるかもしれません。

毎日の食事は、単に空腹を満たすためだけのものではありません。

私たちの体を作り、コンディションを整え、そして痛みと戦う力を与えてくれる、最高のセルフケアなのです。

では、今日のポイントをまとめます。

  • 長引く痛みの背景には、体内でくすぶり続ける「慢性炎症」が隠れていることが多い。
  • 質の悪い油(オメガ6系、トランス脂肪酸)、砂糖、精製された炭水化物、加工食品などは、体内の炎症を促進し、痛みを悪化させる可能性がある。
  • 炎症を抑え、回復を早めるためには、良質な油(オメガ3系脂肪酸)、抗酸化物質(色とりどりの野菜・果物)、体の材料となるタンパク質、回復をサポートするビタミン・ミネラル(ビタミンB群、亜鉛、マグネシウムなど)、そして抗炎症作用のあるスパイスやハーブを積極的に摂ることが有効である。
  • 特に、炎症を抑えるオメガ3系脂肪酸(青魚、アマニ油など)と、炎症を促進するオメガ6系脂肪酸(サラダ油、加工食品など)のバランスを意識することが重要。


もちろん、体の歪みを整えたり、硬くなった筋肉を緩めたりといった、外側からのアプローチも非常に重要です。

しかし、体の内側が「炎症体質」のままでは、施術の効果も十分に発揮されにくく、痛みがぶり返しやすくなってしまいます。

外側からのケアと、内側からの食事ケア。

この両輪が揃って初めて、私たちは痛みの悪循環から抜け出すことができるのです。

もし、あなたが長引く痛みに悩んでいるなら、ぜひ一度、ご自身の「食生活」という土台を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

こころ鍼灸整骨院

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東角剛司
専門家

東角剛司(柔道整復師・はり師・きゅう師)

こころ鍼灸整骨院

構造医学の視点から、個々の体の動かし方に合わせて骨格を整えます。肩や腰などの慢性的な痛みに向き合い、整骨院に通わずに済む健康な体づくりをサポート。実務者向けのセミナーも開催しています。

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