パニック障害と自律神経|【過呼吸と姿勢】の関係と整体的アプローチ
みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。
「布団に入っても、なかなか寝付けない…」
「夜中に何度も目が覚めてしまい、朝スッキリ起きられない…」
「しっかり寝たつもりなのに、日中、強い眠気に襲われる…」
そんな、「睡眠」に関するお悩み、抱えていませんか?
厚生労働省の調査によると、日本人の約5人に1人が、睡眠に関して何らかの問題を抱えていると言われています。(※1)
「忙しいから睡眠時間が短いのは仕方ない」
「体質だから、昔から眠りは浅い」
そんな風に諦めてしまっている方もいるかもしれません。
しかし、睡眠は、単に体の疲れを取るだけでなく、脳の休息、記憶の整理、細胞の修復、免疫力の向上、自律神経の調整など、私たちの心身の健康を維持するために、絶対に欠かせない時間です。
睡眠の質が低下すると、これらの重要な機能が十分に果たされなくなり、様々な不調の原因となってしまいます。
そして、その睡眠の質を左右しているのは、実は、あなたが寝る前に行っている「何気ない習慣」かもしれないのです。
今回は、そんな「睡眠の質」を低下させてしまう、やりがちな「NG習慣」と、心地よい眠りへと誘うための、ベッドの上で簡単にできる「快眠ストレッチ」について、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。
(※1)出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「不眠症」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html
なぜ眠れないの?睡眠のメカニズムと「自律神経」
まず、私たちがスムーズに眠りにつくためには、体の中でどのような準備が必要なのか、そのメカニズムを簡単に理解しておきましょう。
1.自律神経の切り替え
私たちの体は、活動・緊張モードの「交感神経」と、休息・リラックスモードの「副交感神経」という二つの自律神経によってコントロールされています。
日中は交感神経が優位に働いていますが、夜になり、眠りにつくためには、副交感神経が優位な状態へとスムーズに切り替わる必要があります。
2.深部体温の低下
人は、体の内部の温度(深部体温)が下がっていく時に、強い眠気を感じます。
寝る前に手足が温かくなるのは、皮膚の血管を広げて熱を外に逃がし、深部体温を下げようとしているサインなのです。
3.睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌
夜になり、周囲が暗くなると、脳の松果体(しょうかたい)という場所から「メラトニン」というホルモンが分泌されます。
メラトニンには、脈拍や体温、血圧を下げて、体を睡眠に適した状態へと導く働きがあります。
これらのメカニズムがスムーズに働くことで、私たちは自然と深い眠りにつくことができるのです。
しかし、寝る前の行動によっては、これらの仕組みを妨害してしまうことがあります。
これ、やってない?睡眠の質を下げる「寝る前のNG習慣」
では、具体的にどのような習慣が、良質な睡眠を妨げてしまうのでしょうか?
多くの人がやりがちな「NG習慣」を見ていきましょう。
NG習慣1:寝る直前までの「スマホ・パソコン・テレビ」
これが、現代人にとって最大の「快眠の敵」と言えるでしょう。
これらの画面から発せられる「ブルーライト」は、非常に強いエネルギーを持った光です。
この光を目に入れると、脳が「まだ昼間だ!」と勘違いしてしまい、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑制されてしまいます。
また、SNSや動画、ニュースなどの刺激的な情報は、脳を興奮させ、交感神経を優位にしてしまうため、リラックスモードへの切り替えを妨げます。
理想は、就寝の1~2時間前からはデジタルデバイスの使用を控えることです。
NG習慣2:寝る直前の「熱いお風呂」
お風呂に入ることはリラックスに効果的ですが、タイミングと温度が重要です。
42℃以上の熱いお湯に浸かると、交感神経が刺激され、目が覚めてしまいます。
また、深部体温が上がりすぎてしまい、下がるまでに時間がかかるため、寝つきが悪くなることがあります。
快眠のためには、就寝の1~2時間前に、38~40℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かるのがベストです。
NG習慣3:寝る前の「カフェイン・アルコール・喫煙」
カフェイン:
コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには覚醒作用があり、その効果は数時間続きます。夕方以降は控えましょう。
アルコール:
「寝酒」は寝つきを良くするように感じるかもしれませんが、実は睡眠の質を著しく低下させ、眠りを浅くし、夜中に目が覚めやすくなる原因となります。また、利尿作用もあるため、トイレで起きる原因にもなります。
喫煙:
タバコに含まれるニコチンには覚醒作用があり、交感神経を刺激します。
NG習慣4:寝る直前の「食事」や「激しい運動」
食事:
寝る直前に食事をすると、消化活動のために胃腸が活発に働き、深部体温が下がりにくくなります。夕食は就寝の3時間前までに済ませるのが理想です。
激しい運動:
交感神経を興奮させ、深部体温を上げてしまうため、寝つきが悪くなります。寝る前は、リラックスできるストレッチなどがおすすめです。
NG習慣5:明るすぎる・うるさすぎる「寝室環境」
光や音は、脳を刺激し、眠りを妨げます。
寝室はできるだけ暗くし(豆電球程度か真っ暗)、遮光カーテンを活用しましょう。
また、静かな環境を整えることも大切です。
ベッドの上でリラックス!今日から始める「快眠ストレッチ」
NG習慣を見直した上で、寝る前に副交感神経を優位にし、体を睡眠モードへと導く、簡単な「快眠ストレッチ」をご紹介します。
パジャマに着替えて、ベッドや布団の上で、部屋の照明を落とし、ゆったりとした呼吸で行いましょう。
1.全身の力を抜く「脱力ストレッチ」
一日の緊張を解きほぐします。
仰向けに寝て、手足をご自身の楽な位置に広げます。
一度、手足の指先にギュッと力を入れ、5秒キープします。
一気に「ストン」と全身の力を抜きます。体がベッドに沈み込むような感覚を味わいましょう。これを数回繰り返します。
2.背中と腰を緩める「膝抱えストレッチ」
デスクワークなどで凝り固まった背中や腰を優しく伸ばします。
仰向けに寝て、両膝を両手で抱え込みます。
ゆっくりと息を吐きながら、膝を胸の方に引き寄せ、背中を丸めます。
そのままの姿勢で、ゆっくりと深呼吸を5回繰り返します。
体を左右にゴロンゴロンと小さく揺らすのも効果的です。
3.股関節を緩める「カエルのポーズ」
股関節周りの血行を促進し、リラックス効果を高めます。
仰向けに寝て、両膝を立てます。
左右の膝を外側にゆっくりと開き、足の裏同士を合わせます。
腕は体の横にリラックスして置くか、万歳するように頭の上に伸ばします。
股関節の力が抜け、膝の重みで自然に開いていくのを感じながら、ゆっくりと深呼吸を1分程度続けます。
腰が浮いて痛い場合は、膝の下にクッションなどを挟んで調整しましょう。
4.首・肩の緊張をとる「首回しストレッチ」
首周りの緊張は、脳への血流や自律神経に影響し、安眠を妨げます。
枕をしたまま、ゆっくりと首を右に向け、心地よく伸びる位置で深呼吸を数回繰り返します。
反対側も同様に行います。
[中見出し]5.最後は「深呼吸(腹式呼吸)」でリラックス[/大見出し]
仰向けのまま、お腹に手を当てます。
鼻からゆっくりと4秒かけて息を吸い、お腹を膨らませます。
口からゆっくりと8秒かけて息を吐ききり、お腹をへこませます。
これを数分間繰り返し、そのまま眠りにつくイメージで行いましょう。
「吐く息」を長く意識することで、副交感神経が優位になります。
まとめ:良い眠りは「準備」から。一日の終わりに自分をいたわろう
さて、今回は「【睡眠の質を高める】寝る前のNG習慣と快眠ストレッチ」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
「あ、これやってた…」というNG習慣に気づいた方もいるかもしれませんね。
良い眠りは、布団に入ってからいきなり訪れるものではなく、寝る前の数時間の過ごし方、つまり「眠るための準備」によって作られるものです。
では、今日のポイントをまとめます。
- 良質な睡眠には、副交感神経への切り替え、深部体温の低下、メラトニンの分泌といった体の準備が必要である。
- 睡眠の質を下げる主なNG習慣として、寝る直前のスマホ・PC操作(ブルーライト)、熱いお風呂、アルコール・カフェインの摂取、寝る直前の食事や激しい運動、不適切な寝室環境などが挙げられる。
- 快眠のためには、就寝1~2時間前からリラックスモードに入ることが重要。
- ベッドの上で行う、脱力、背中・腰、股関節、首のストレッチや深呼吸(腹式呼吸)は、筋肉の緊張を和らげ、副交感神経を優位にし、心地よい眠りへと導くのに効果的である。
私たちの体は、日中頑張った分、夜には休息と修復の時間を必要としています。
一日の終わりに、スマホを置いて、自分の体と心に向き合い、優しくいたわってあげる時間を持つこと。
それが、明日の元気を作る、最高の「睡眠」へと繋がるのです。
もし、生活習慣を見直しても、なかなか睡眠の悩みが改善しない場合は、体の歪みによる自律神経の乱れなどが影響している可能性もあります。
そのような時は、一度、体全体のバランスを見直してみることも、解決の糸口になるかもしれません。
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