足裏の痛み|朝の一歩が激痛!【足底筋膜炎】のセルフケア
みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。
飛距離を伸ばしたい、球速を上げたい、もっと速く走りたい…そう考えた時、多くの方が「腕の筋肉」や「脚の筋肉」といった、いわゆるアウターマッスルを鍛えることに意識が向きがちです。
もちろん、それらの筋力も重要。
しかし、本当に高いパフォーマンスを発揮し、ケガをしにくい体を作るためには、もっと根本的で重要な2つの要素があります。
それが、「体幹の安定性」と「全身の柔軟性」です。
今回は、そんなアスリートのパフォーマンス向上に不可欠な「体幹」と「柔軟性」がなぜ重要なのか、そして、それぞれの能力を高めるための基本的な考え方やトレーニングについて、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。
パフォーマンスの土台!「体幹」が持つ3つの超重要ミッション
まず、「体幹」とは、具体的にどの部分を指すのでしょうか?
一般的に、体幹とは「頭部と四肢(両腕・両脚)を除いた胴体部分」を指します。
そして、「体幹の強さ」とは、単に腹筋がバキバキに割れていることではありません。
体の深層部にあって、姿勢を保持し、背骨や骨盤を安定させる「インナーマッスル」が、アウターマッスルと協調して、適切に機能している状態のことを指すのです。
代表的なインナーマッスルには、
腹横筋(ふくおうきん): お腹の最も深層にある、コルセットのような筋肉。
多裂筋(たれつきん): 背骨の一つ一つを安定させる筋肉。
骨盤底筋群(こつばんていきんぐん): 骨盤の底で内臓を支える筋肉。
横隔膜(おうかくまく): 呼吸に深く関わるドーム状の筋肉。
これらのインナーマッスルが作り出す「体幹」には、スポーツパフォーマンスにおいて3つの超重要なミッションがあります。
ミッション1:体の軸を「安定」させる(スタビライゼーション)
体幹は、文字通り「体の幹」。どんなスポーツの動きにおいても、ブレない安定した軸を作る役割を担っています。
例えば、野球のピッチングで片足を上げた時、サッカーでボールを蹴る瞬間の軸足、バスケットボールでジャンプシュートを打つ時の空中姿勢など、あらゆる動作において、体幹がしっかりと安定しているからこそ、手足が正確に、そして力強く動かせるのです。
体幹が弱いと、体がグラグラとブレてしまい、パワーが逃げたり、フォームが崩れたりしてしまいます。
ミッション2:生み出したパワーを「伝達」する(リンケージ)
スポーツのパワーは、「地面→足→体幹→腕→ボールやラケット」といったように、運動の連鎖(キネティックチェーン)によって伝達されます。
この力の伝達経路のちょうど中心に位置するのが「体幹」です。
体幹が強固な「橋」のようになっていれば、下半身で生み出された大きなパワーを、ロスなく上半身や腕に伝えることができます。
しかし、体幹が弱くてフニャフニャの「吊り橋」のようだと、せっかく生み出したパワーが途中で逃げてしまい、末端まで伝わらないのです。
「下半身の力を使え!」とよく言われますが、その力を上半身に伝えるためには、強い体幹が不可欠なのです。
ミッション3:衝撃を吸収し、体を「保護」する(プロテクション)
体幹のインナーマッスルが適切に働くと、腹腔内圧(ふくくうないあつ)が高まり、背骨や骨盤を内側からがっちりと固めることができます。
この「天然のコルセット」が、着地時の衝撃や、相手選手との接触(コンタクト)時の衝撃を吸収・分散し、腰椎や関節、内臓などを守ってくれるのです。
体幹が弱いと、これらの衝撃が直接腰や膝にかかり、腰痛やヘルニア、関節のケガなどのリスクが高まります。
もう一つの鍵!「柔軟性」がパフォーマンスとケガ予防に与える影響
強い体幹と並んで、もう一つ不可欠なのが「柔軟性」です。
柔軟性とは、「筋肉や腱が伸びる能力」と「関節が動く範囲(可動域)」の両方を指します。
体が硬いと、パフォーマンスにどのような悪影響があるのでしょうか?
1.動きが小さくなり、パワーとスピードが低下する
関節の可動域が狭いと、それだけ動きの「振り幅」が小さくなります。
例えば、ゴルフや野球のスイングでは、股関節や胸椎(背骨の胸の部分)の柔軟性が低いと、テークバックが浅くなり、十分な捻転差(ねんてんさ)を生み出すことができず、飛距離や球速が伸びません。
陸上競技の短距離走でも、股関節の柔軟性が低いと、ストライド(歩幅)が狭くなり、スピードが頭打ちになってしまいます。
柔軟性は、大きなパワーを生み出すための「助走距離」のようなものなのです。
2.ケガのリスクが著しく増大する
筋肉や関節が硬い状態で、急激な動きや、可動域を超えるような動きを強いられると、筋肉は簡単に損傷(肉離れ)し、関節や靭帯も痛めてしまいます。
また、特定の関節(例えば股関節)の動きが悪いと、その動きを他の関節(例えば腰や膝)が代償しようとして、過剰な負担がかかり、ケガの原因となります。
しなやかな体は、衝撃を吸収し、無理な力がかかった時にも、その力を逃がすことができるのです。
3.疲労が蓄積しやすくなる
筋肉が硬いと、その中を通る血管が圧迫され、血行が悪くなります。
血行が悪いと、筋肉に必要な酸素や栄養素が届きにくくなり、疲労物質(乳酸など)も排出されにくくなるため、疲れが抜けにくく、回復が遅れてしまうのです。
「体幹」と「柔軟性」を高めるための基本トレーニング&ストレッチ
では、これらの重要な能力を高めるためには、どのようなことをすれば良いのでしょうか?
ここでは、全てのスポーツの基本となるトレーニングとストレッチをご紹介します。
体幹トレーニングの基本「プランク」
インナーマッスルを活性化させ、体の軸を安定させる基本のトレーニングです。
うつ伏せになり、両肘とつま先を床につけます。肘は肩の真下にくるようにします。
お腹とお尻に力を入れ、体が一直線になるように持ち上げます。
腰が反ったり、お尻が上がりすぎたりしないように注意し、その姿勢を30秒~1分程度キープします。
呼吸は止めないようにしましょう。
柔軟性を高める基本「ハムストリングス(太もも裏)ストレッチ」
多くのスポーツで重要となり、かつ硬くなりやすいハムストリングスのストレッチです。
仰向けに寝て、片方の膝を胸に引き寄せます。
その足の裏にタオルをかけ、両手でタオルの端を持ちます。
ゆっくりと膝を伸ばしていき、太ももの裏側が心地よく伸びるのを感じる位置で止めます。
腰が床から浮かないように注意し、呼吸を止めずに20~30秒間キープします。
反対側の足も同様に行います。
連動性を高める「股関節・胸椎ストレッチ」
パフォーマンス向上において、特に「股関節」と「胸椎」の柔軟性は非常に重要です。
股関節ストレッチ(お尻):
椅子に座って片方の足首を反対の膝に乗せ、背筋を伸ばしたまま体を前に倒し、お尻の筋肉を伸ばします。
胸椎ストレッチ(キャット&ドッグ):
四つん這いになり、息を吐きながら背中を丸め、息を吸いながら背中を反らせる動きを繰り返します。
これらのトレーニングやストレッチは、正しいフォームで行い、毎日コツコツと継続することが何よりも大切です。
まとめ:本当の強さは「しなやかさ」に宿る!体幹と柔軟性で高みを目指そう
さて、今回は「【アスリート向け】パフォーマンスを向上させる【体幹】と【柔軟性】」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
目に見える大きな筋肉を鍛えることだけでなく、体の中心を支える「体幹」と、しなやかな動きを生み出す「柔軟性」こそが、真のパフォーマンス向上の土台であることをご理解いただけたかと思います。
力強さと柔らかさ、この両方を兼ね備えた時に、アスリートとしての可能性は大きく広がります。
では、今日のポイントをまとめます。
- 高いパフォーマンスを発揮し、ケガをしにくい体を作るためには、「体幹の安定性」と「全身の柔軟性」が不可欠である。
- 体幹は、体の軸を「安定」させ、生み出したパワーを「伝達」し、衝撃から体を「保護」するという3つの重要な役割を担っている。
- 柔軟性は、動きの可動域を広げてパワーとスピードを向上させ、ケガのリスクを低減し、疲労回復を促進する。
- 体幹と柔軟性を高めるためには、プランクのようなインナーマッスルを鍛えるトレーニングや、ハムストリングス、股関節、胸椎といった重要な部分のストレッチを、正しいフォームで継続して行うことが重要である。
体の歪みがあると、体幹がうまく機能しなかったり、特定の筋肉が硬くなって柔軟性が低下したりします。
トレーニングの効果を最大限に引き出し、ケガのリスクを最小限に抑えるためには、まず自分の体の状態を正しく知り、そのバランスを整えることが非常に重要です。
もし、あなたがパフォーマンスの伸び悩みや、繰り返すケガに悩んでいるなら、それは体からの「土台を見直して!」というサインかもしれません。
しなやかで力強い体を手に入れ、あなたの持つポテンシャルを最大限に引き出しましょう。
こころ鍼灸整骨院



