【秋バテ】季節の変わり目の不調を乗り切る自律神経の整え方

みなさん、こんにちは！
こころ鍼灸整骨院の東角です。

ようやく厳しい暑さが和らぎ、過ごしやすい季節がやってきたはずなのに…

「なんだか体がだるくて、夏の疲れが全然抜けない…」

「朝晩は涼しいのに、日中はまだ暑くて、体温調節がうまくいかない…」

「食欲がないし、寝つきも悪い。気分もなんとなく落ち込みがち…」

そんな、「秋」という季節の変わり目に特有の、原因不明の体調不良に悩まされていませんか？

もしかしたら、その症状、「秋バテ」かも…。

夏バテはよく知られていますが、実は秋にも、夏の疲れと季節の変わり目の急激な環境変化が重なることで、心身に様々な不調が現れることがあります。

「季節の変わり目だから仕方ない」と我慢している方も多いかもしれませんが、秋バテの根本的な原因は、「自律神経の乱れ」にあることがほとんど。

そして、その乱れを整えるためのヒントは、私たちの日常生活の中にたくさん隠されています。

今回は、そんな「秋バテ」がなぜ起こるのか、そのメカニズムと、不調を乗り切るための自律神経の整え方について、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。

「秋バテ」ってどんな症状？夏バテとの違いは？

まず、「秋バテ」とは、具体的にどのような症状が現れるのでしょうか？

その症状は、夏バテと似ている部分も多いですが、秋ならではの特徴もあります。

秋バテの主な症状

全身の倦怠感・疲労感:
夏の疲れがドッと出てきたような、何をしても抜けないだるさ。

消化器系の不調:
食欲不振、胃もたれ、便秘、下痢など。

頭痛・肩こり:
締め付けられるような頭痛や、首・肩周りのつらいコリ。

めまい・立ちくらみ

睡眠障害:
寝つきが悪い、夜中に目が覚める、朝スッキリ起きられない。

精神的な不調:
気分の落ち込み、やる気が出ない、なんだか物悲しい気持ちになる（秋うつ）。

肌や髪のトラブル:
夏の紫外線ダメージや乾燥で、肌荒れや抜け毛が気になる。

夏バテとの主な違い

夏バテが、主に「夏の厳しい暑さ」そのものによって引き起こされるのに対し、秋バテは、

夏の間に蓄積されたダメージ（冷房による冷え、冷たいものの摂りすぎなど）

秋口の「激しい寒暖差」や「日照時間の減少」

といった、複合的な要因によって引き起こされるのが大きな特徴です。

特に、精神的な不調が出やすいのも、秋バテの特徴の一つと言えるかもしれません。

なぜ起こるの？秋バテを引き起こす「自律神経の乱れ」

では、なぜ秋という季節の変わり目に、これほどまでに体調が崩れやすくなるのでしょうか？

その最大の原因は、夏のダメージと秋の環境変化による「自律神経の乱れ」にあります。


1．夏の間に蓄積された「冷え」と「胃腸の疲れ」：

夏の暑い間、私たちは知らず知らずのうちに、体を冷やす生活を送りがちです。

冷房による体の冷え:
クーラーの効いた涼しい室内と、暑い屋外との激しい温度差は、体温調節を担う自律神経を疲弊させます。

冷たい飲食物による内臓の冷え:
アイスクリームやかき氷、冷たい飲み物などを摂りすぎると、胃腸が直接冷やされ、その機能が低下してしまいます。

これらの「夏のツケ」が、秋になって一気に表面化し、だるさや食欲不振といった形で現れるのです。


2．秋の「激しい寒暖差」による自律神経のオーバーワーク：

秋は、日中はまだ汗ばむ陽気なのに、朝晩は急に肌寒くなるなど、一日の中での寒暖差が非常に大きい季節です。

私たちの体は、この激しい温度変化に対応するために、自律神経をフル稼働させて、血管を収縮させたり拡張させたり、発汗をコントロールしたりしています。

夏の間にすでに疲弊している自律神経にとって、この秋の寒暖差は、さらなる追い打ちとなり、バラ
ンスを崩す大きな引き金となってしまうのです。


3．「日照時間の減少」によるセロトニン不足：

秋になると、夏に比べて日照時間が短くなっていきます。

太陽の光を浴びる時間は、気分を安定させ、幸福感をもたらす脳内物質「セロトニン（幸せホルモン）」の分泌に大きく影響します。

日照時間が減ることで、セロトニンの分泌が減少し、「なんだか物悲しい」「やる気が出ない」といった、いわゆる「秋うつ」のような精神的な不調が現れやすくなるのです。


4．体の歪みが不調を助長する可能性：

これは私たち整体師・鍼灸師が特に注目するポイントですが、猫背や骨盤の歪みといった体の構造的な問題は、自律神経の乱れをさらに助長する可能性があります。

背骨の歪みは自律神経の通り道に影響を与えますし、姿勢の悪さは呼吸を浅くし、血行不良を招くことで、だるさや疲労感を増幅させてしまうのです。

秋バテを乗り切る！今日からできる「自律神経の整え方」

つらい秋バテの症状を和らげ、快適な季節を楽しむためには、乱れがちな自律神経を整える生活習慣を意識することが非常に重要です。

1．「体を温める」ことを意識した生活（温活）

夏の間に冷え切ってしまった体を、内側と外側からじっくりと温めてあげましょう。

湯船にゆっくり浸かる:
シャワーだけで済ませず、38～40℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、副交感神経が優位になり、心身がリラックスします。血行も促進され、質の高い睡眠にも繋がります。

「三首」を温める:
「首」「手首」「足首」を、ストールやカーディガン、レッグウォーマーなどで冷やさないように工夫しましょう。

温かい食事と飲み物:
食事に温かいスープや味噌汁を取り入れたり、飲み物も常温や白湯、ハーブティーなどを選んだりして、内臓を冷やさないようにしましょう。
体を温める食材（生姜、ネギ、根菜類など）も積極的に。

2．「質の高い睡眠」で心と体を回復させる

自律神経のバランスをリセットするためには、質の高い睡眠が不可欠です。

毎日同じ時間に寝起きする:
休日もできるだけ生活リズムを崩さないようにし、体内時計を整えましょう。

寝る前のリラックスタイム:
寝る1時間前からは、スマートフォンやパソコンの強い光を避け、読書や静かな音楽鑑賞、軽いストレッチなどで、心と体をリラックスモードに切り替えましょう。

3．「太陽の光」を浴びて、セロトニンを活性化

特に午前中に太陽の光を浴びることは、セロトニンの分泌を促し、体内時計を整える上で非常に効果的です。

朝の散歩を習慣に:
朝起きたら、まずはカーテンを開けて朝日を浴び、15～30分程度のウォーキングに出かけるのがおすすめです。

通勤時に一駅分歩く:
日中の活動量が少ない方は、意識的に屋外で過ごす時間を作る工夫をしましょう。

4．「胃腸に優しい食事」で夏の疲れを癒やす

夏の間に冷たいもので疲れてしまった胃腸を、いたわってあげましょう。

消化の良いものを:
おかゆ、うどん、スープ、豆腐、白身魚、鶏のささみなど、胃腸に負担の少ない食事を心がけましょう。

バランス良く栄養を摂る:
疲労回復に役立つビタミンB群（豚肉、うなぎなど）、セロトニンの材料となるトリプトファン（大豆製品、乳製品、バナナなど）、そして筋肉の材料となるタンパク質などをバランス良く摂ることが大切です。

ゆっくりよく噛んで食べる:
早食いやドカ食いは、胃腸に大きな負担をかけます。

5．「適度な運動」で血行促進と気分転換

ウォーキングやジョギング、ヨガ、ストレッチといった、心地よいと感じる程度の運動は、

• 全身の血行を促進する
• 自律神経のバランスを整える
• 気分転換になり、ストレスを解消する
• 質の高い睡眠に繋がる

といった、多くのメリットがあります。無理のない範囲で、生活に取り入れましょう。

まとめ：秋バテは体からのメッセージ。自律神経を整え、実りの秋を楽しもう

さて、今回は「【秋バテ】季節の変わり目の不調を乗り切る自律神経の整え方」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか？

秋の不調は、単なる気のせいではなく、夏のダメージと秋の環境変化によって引き起こされる、体からのSOSサインであることをご理解いただけたかと思います。

そのサインに耳を傾け、自律神経をいたわる生活を心がけることが、この過ごしやすい季節を心から楽しむための鍵となります。

では、今日のポイントをまとめます。

• 秋バテは、夏の間に蓄積されたダメージ（冷え、胃腸の疲れ）と、秋の激しい寒暖差や日照時間の減少などが原因で、「自律神経の乱れ」が生じ、だるさ、食欲不振、頭痛、気分の落ち込みといった心身の不調が現れる状態である。
• 対策の基本は、乱れた自律神経のバランスを整えることである。
• 具体的なセルフケアとして、体を温める「温活」、質の高い睡眠、朝日を浴びること、胃腸に優しい食事、そして適度な運動が非常に有効。
• 特に、夏の間に冷えた体を温め、疲れた胃腸をいたわり、生活リズムを整えることが、秋バテからの回復を早めるポイントとなる。

私たちの体は、季節の変化に順応しようと、常に健気に頑張っています。その頑張りをサポートしてあげるのが「養生」という考え方です。

もし、セルフケアだけではなかなか改善しないつらい不調が続く場合は、体の歪みから自律神経の乱れにアプローチすることも可能です。

体の構造を整え、血行を良くし、呼吸を深くすることは、自律神経が正常に働くための土台作りとなります。

つらい秋バテを乗り越え、実りの秋を存分に楽しんでくださいね。

こころ鍼灸整骨院