免疫力を高める習慣|【風邪をひきやすい人】が見直すべき3つのポイント

東角剛司

東角剛司

テーマ:整体・鍼灸全般

みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。

「季節の変わり目になると、決まって体調を崩してしまう…」

「周りで風邪が流行ると、必ずと言っていいほどうつってしまう…」

「一度風邪をひくと、なかなか治らず長引いてしまう…」

そんな、「風邪をひきやすい」「体調を崩しやすい」といったお悩み、ありませんか?

「自分はもともと体が弱いから仕方ない」と諦めてしまっている方もいるかもしれません。

しかし、その「風邪のひきやすさ」は、単なる体質の問題だけでなく、日々の生活習慣が大きく影響している可能性が高いのです。

私たちの体には、ウイルスや細菌といった外敵から身を守るための、素晴らしい防御システムが備わっています。

それが「免疫力」です。

風邪をひきやすいということは、この「免疫力」が何らかの原因で低下してしまっているサインなのかもしれません。

今回は、そんな「免疫力」を高め、風邪に負けない強い体を作るために、特に見直していただきたい「3つの生活習慣のポイント」と、私たち専門家ができるサポートについて、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。

そもそも「免疫力」って何?私たちの体を守る精鋭部隊

まず、「免疫力」とは、一体どのようなものなのでしょうか?

私たちの身の回りには、ウイルスや細菌、カビといった、目に見えないたくさんの病原体が存在しています。

「免疫」とは、これらの病原体が体内に侵入してくるのを防いだり、侵入してしまった場合にそれらを攻撃して排除したりする、自己防衛システムのことです。

そして、「免疫力」とは、このシステムが正常に、そして力強く働く能力のことを指します。

私たちの体の中には、まるで精鋭部隊のように、様々な役割を持つ「免疫細胞」(白血球の中のリンパ球やマクロファージ、NK細胞など)が存在しています。

これらの免疫細胞が、常に体の中をパトロールし、異物を見つけると連携して攻撃し、私たちの健康を守ってくれているのです。

しかし、この素晴らしい免疫システムも、万能ではありません。

日々の生活習慣や体の状態によって、その働きは大きく左右されてしまうのです。

なぜ免疫力は下がるの?風邪をひきやすくなる主な原因

では、どのようなことが、私たちの免疫力を低下させてしまうのでしょうか?

風邪をひきやすい人が見直すべき、3つの重要なポイントを見ていきましょう。

ポイント1:乱れた「自律神経」が免疫部隊の指揮を乱す!

免疫システムの働きは、「自律神経」によって非常に巧みにコントロールされています。

自律神経は、活動・緊張モードの「交感神経」と、休息・リラックスモードの「副交感神経」がバランスを取りながら働いています。


交感神経が優位な時:

主に顆粒球(かりゅうきゅう)という、細菌などの比較的大きな異物を処理する免疫細胞が活発になります。


副交感神経が優位な時:

主にリンパ球という、ウイルスなどの小さな異物を処理したり、抗体を作ったりする免疫細胞が活発になります。


健康な状態では、この二つの神経がバランス良く働くことで、様々な病原体に適切に対応できます。

しかし、

  • 過度なストレス
  • 睡眠不足
  • 不規則な生活リズム

などによって自律神経のバランスが崩れ、交感神経ばかりが過剰に優位な状態が続くと、リンパ球の働きが抑制され、ウイルスに対する抵抗力が低下してしまいます。

これが、「ストレスが溜まると風邪をひきやすくなる」大きな理由の一つです。

また、自律神経の乱れは、免疫細胞の全体的なバランスを崩し、免疫システムの指揮系統を混乱させてしまうのです。

ポイント2:「体の冷え」が免疫部隊の動きを鈍らせる!

「体を冷やすと風邪をひく」と昔からよく言われますが、これには科学的な根拠があります。

私たちの体温と免疫力には、非常に密接な関係があります。

一般的に、体温が1℃下がると、免疫力は約30%も低下すると言われています。


免疫細胞の活動低下:

体温が低いと、免疫細胞(特にリンパ球など)の活動が鈍くなり、ウイルスや細菌を攻撃する能力が低下してしまいます。


血行不良によるパトロール不足:

体が冷えると、血管が収縮し、血行が悪くなります。


免疫細胞は、血液に乗って全身をパトロールしているため、血行が悪くなると、ウイルスの侵入場所に素早く駆けつけることができなくなります。


酵素の働きが鈍る:

免疫反応には、様々な「酵素」の働きが不可欠ですが、これらの酵素は体温が低いと思うように働きません。


現代人は、運動不足による筋肉量の減少(筋肉は熱を生み出す最大の器官です)、シャワーだけで済ませる入浴習慣、冷たい飲食物の過剰摂取、夏の過度な冷房などにより、低体温の傾向にあると言われています。

これが、免疫力を低下させる大きな要因となっているのです。

ポイント3:「腸内環境の悪化」が免疫部隊の基地を弱らせる!

「腸の調子と風邪って関係あるの?」と意外に思うかもしれませんが、実は「腸」は、私たちの体で最大の免疫器官なのです。

なんと、体中の免疫細胞の約70%が、腸に集中していると言われています。

腸は、食べ物を消化吸収するだけでなく、口から入ってくる病原体から体を守る、最前線の「バリア」でもあるのです。

この腸の免疫システムを正常に保つ上で、鍵を握るのが「腸内環境」、つまり腸内に棲む細菌たちのバランスです。


善玉菌の働き:

ビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌は、免疫細胞を活性化させたり、腸のバリア機能を高めたりする働きがあります。


悪玉菌の増加:

しかし、食生活の乱れやストレス、抗生物質の乱用などによって腸内環境が悪化し、悪玉菌が増えると、腸の免疫機能が低下してしまいます。

腸内環境が悪化することは、いわば「免疫部隊の基地」が弱体化するようなもの。

これでは、いざウイルスが侵入してきた時に、十分な戦力を送り出すことができなくなってしまいます。

免疫力を高める!今日からできる「強い体」を作る習慣

では、自律神経を整え、体を温め、腸内環境を改善し、免疫力を高めるためには、具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか?


1.自律神経を整える習慣:

①質の高い睡眠を確保する:

睡眠は、自律神経をリセットし、免疫細胞を活性化させるための最も重要な時間です。毎日7時間程度の睡眠を目指し、寝る前のスマホやカフェインは控えましょう。


②ストレスと上手に付き合う:

自分なりのリラックス方法(深呼吸、瞑想、趣味、音楽鑑賞など)を見つけ、ストレスを溜め込まないようにしましょう。

③適度な運動:

ウォーキングなどの軽い運動は、自律神経のバランスを整えるのに効果的です。



2.体を温める「温活」習慣:

①湯船にゆっくり浸かる:

シャワーだけで済ませず、38~40℃程度のぬるめのお湯に15分程度浸かり、体の芯から温めましょう。

血行が促進され、リラックス効果も得られます。


②「三首」を温める:

「首」「手首」「足首」は、太い血管が皮膚の近くを通っているため、ここを温めると効率よく全身が温まります。

ネックウォーマーやレッグウォーマーなどを活用しましょう。


③体を温める食材を摂る:

生姜、ニンニク、ネギ、根菜類、タンパク質(筋肉の材料)などを意識して摂りましょう。


④軽い筋トレで筋肉量を維持:

スクワットなど、下半身の大きな筋肉を鍛える運動は、効率よく熱を生み出し、基礎代謝アップに繋がります。



3.腸内環境を整える「腸活」習慣:

①発酵食品を摂る:

ヨーグルト、納豆、味噌、キムチ、甘酒など、善玉菌そのものを含む発酵食品を毎日の食事に取り入れましょう。


②食物繊維をたっぷり摂る:

野菜、果物、きのこ類、海藻類、豆類などに含まれる食物繊維は、善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えます。


③加工食品や砂糖を控える:

これらは悪玉菌を増やす原因となります。

できるだけ、自然な食材を使った食事を心がけましょう。

まとめ:免疫力は日々の習慣から!3つのポイントで見直そう

さて、今回は「免疫力を高める習慣|【風邪をひきやすい人】が見直すべき3つのポイント」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?

「風邪のひきやすさ」が、単なる体質ではなく、自律神経、体の冷え、そして腸内環境といった、日々の生活習慣に深く根差していることをご理解いただけたかと思います。

逆に言えば、これらの習慣を見直すことで、誰でも免疫力を高め、風邪に負けない強い体を手に入れることができるのです。

では、今日のポイントをまとめます。

  • 免疫力とは、ウイルスや細菌といった外敵から体を守る自己防衛システムであり、その働きは日々の生活習慣に大きく左右される。
  • 免疫力が低下する主な原因として、ストレスや睡眠不足による「自律神経の乱れ」、運動不足や冷房などによる「体の冷え(低体温)」、そして食生活の乱れによる「腸内環境の悪化」という3つのポイントが挙げられる。
  • 免疫力を高めるためには、質の高い睡眠やストレスケアで自律神経を整え、入浴や温かい食事、適度な運動で体を温め、発酵食品や食物繊維で腸内環境を改善することが重要である。
  • 私たち整体師や鍼灸師は、姿勢矯正による呼吸機能の改善、自律神経のバランス調整、全身の血行促進などを通じて、免疫力が正常に働くための体の土台作りをサポートできる。


免疫力は、特別なサプリメントや健康食品だけで簡単に手に入るものではありません。

それは、日々の食事、睡眠、運動、そして心の持ちようといった、地道な生活習慣の積み重ねによって育まれるものです。

もし、あなたが「風邪をひきやすい」と感じているなら、それは体からの「生活習慣を見直して!」というサインなのかもしれません。

体の歪みを整え、血行を良くし、自律神経のバランスを安定させることは、免疫力が最大限に発揮されるための土台となります。

こころ鍼灸整骨院

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東角剛司
専門家

東角剛司(柔道整復師・はり師・きゅう師)

こころ鍼灸整骨院

構造医学の視点から、個々の体の動かし方に合わせて骨格を整えます。肩や腰などの慢性的な痛みに向き合い、整骨院に通わずに済む健康な体づくりをサポート。実務者向けのセミナーも開催しています。

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