【四十肩・五十肩の夜間痛】眠れないほどの痛みを和らげる対処法
みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。
「なんだか今日は頭が重いな…と思ったら、やっぱり雨が降ってきた」
「梅雨の時期は、頭痛薬が手放せない…」
そんな風に、雨の日や台風の日、季節の変わり目など、「天気」の変化によって頭痛やめまい、関節痛、古傷の痛みといった様々な体の不調が現れること、ありませんか?
これらの症状は、気のせいでも、単なる体調不良でもなく、「天気痛(てんきつう)」あるいは「気象病(きしょうびょう)」と呼ばれる、れっきとした体の反応である可能性が高いのです。
「天気で体調が悪くなるなんて、本当にあるの?」と半信半疑の方もいるかもしれません。
今回は、そんな厄介な「天気痛」がなぜ起こるのか、その驚きのメカニズムと、つらい症状を少しでも和らげるためのセルフケア方法について、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。
「天気痛」ってどんな症状?あなたは大丈夫?セルフチェック
まずは、ご自身が「天気痛」の傾向があるかどうか、簡単なセルフチェックで確認してみましょう。
□ 雨が降る前や、天気が崩れる予感がすると、頭痛や頭が重い感じがする。
□ 台風が近づいてくると、めまいや吐き気を感じることがある。
□ 梅雨の時期や季節の変わり目に、特に関節(膝、腰、首など)が痛む、または古傷が痛む。
□ 曇りの日や雨の日は、なんとなく気分が落ち込んだり、やる気が出なかったりする。
□ 乗り物酔いをしやすい体質だ。
□ 過去にむちうちなどのケガをしたことがある。
□ 普段から肩こりや首こりがひどい。
□ ストレスを感じやすい、または自律神経が乱れやすいと感じる。
これらの項目に複数当てはまる方は、「天気痛」の影響を受けやすい体質かもしれません。
【天気痛で現れやすい主な症状】
天気痛の症状は人によって様々ですが、代表的なものとしては以下のようなものが挙げられます。
- 頭痛(片頭痛、緊張型頭痛など)
- めまい、ふらつき
- 首こり、肩こり、腰痛、関節痛
- 古傷の痛み
- 耳鳴り、耳の閉塞感
- 吐き気、倦怠感、疲労感
- 気分の落ち込み、不安感、イライラ
- 眠気
これらの症状が、特定の天候の変化(特に気圧の低下、気温や湿度の急激な変化)と連動して現れるのが特徴です。
なぜ天気が悪いと体調が悪くなるの?「天気痛」の驚きのメカニズム
「どうして天気が変わると、体に不調が出るんだろう?」
そのメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、現在、主に以下の3つの要因が複雑に関わっていると考えられています。
メカニズム1:気圧の変化をキャッチする「内耳(ないじ)」のセンサー
私たちの耳の奥には、「内耳」という器官があります。
内耳には、音を聞くための蝸牛(かぎゅう)と、体のバランスを保つための三半規管(さんはんきかん)や耳石器(じせきき)があります。
この内耳の一部が、実は「気圧の変化」を敏感に感知するセンサーの役割も果たしていると考えられています。
天気が崩れる時、特に低気圧が近づいてくると、気圧が急激に低下します。この気圧の変化を内耳がキャッチすると、その情報が脳に伝わります。
しかし、この内耳のセンサーが過敏な人や、うまく機能していない人の場合、脳が気圧の変化を「ストレス」と捉えてしまい、自律神経のバランスを乱してしまうのです。
自律神経は、血管の収縮や拡張、痛みの感じ方などをコントロールしているため、そのバランスが崩れると、頭痛やめまい、関節痛といった様々な症状が引き起こされると考えられています。
乗り物酔いをしやすい人は、この内耳のセンサーが敏感な傾向があるため、天気痛も感じやすいと言われています。
メカニズム2:「自律神経の乱れ」が引き起こす体のアンバランス
先ほども触れましたが、天気痛の大きな原因の一つが「自律神経の乱れ」です。
自律神経は、「交感神経(活動・緊張モード)」と「副交感神経(休息・リラックスモード)」の二つが、状況に応じてバランスを取りながら働いています。
しかし、気圧の急激な変化や、寒暖差、湿度の変化といった気象ストレスを受けると、
①交感神経が過剰に優位になる:
体がストレスに対抗しようとして、交感神経が過剰に働きます。すると、血管が収縮して血行が悪くなったり、筋肉が緊張しやすくなったり、痛みに敏感になったりします。
これが、頭痛や肩こり、関節痛などを引き起こす原因となります。
②副交感神経が過剰に優位になる:
逆に、体がだるくなったり、眠気を感じたり、やる気が出なくなったりするのは、副交感神経が過剰に働いているサインかもしれません。
普段からストレスが多い、生活リズムが不規則、睡眠不足といった状態にある人は、自律神経のバランスがもともと崩れやすいため、天気痛の症状も出やすい傾向にあります。
メカニズム3:古傷や炎症部位の「痛みセンサー」の過敏化
過去にケガをした場所や、慢性的な炎症がある関節などは、天気が悪くなると「痛みセンサー」とも言える神経が過敏になり、痛みを感じやすくなることがあります。
これは、気圧の低下によって、体内の組織がわずかに膨張し、それが古傷や炎症部位の神経を刺激するためではないかと考えられています。
「雨が降ると古傷がうずく」というのは、気のせいではなかったのですね。
これらのメカニズムが複合的に絡み合い、人それぞれ異なる「天気痛」の症状として現れるのです。
天気痛を悪化させる「NG習慣」とは?
天気痛の症状を悪化させてしまう可能性のある、日常生活での「NG習慣」についても知っておきましょう。
不規則な生活リズム・睡眠不足:
体内時計を狂わせ、自律神経のバランスを乱す最大の原因です。
ストレスの溜め込みすぎ:
自律神経を常に緊張状態にし、天気痛の症状を悪化させます。
体を冷やすこと:
血行が悪くなり、痛みを感じやすくなります。特に首周りや足首を冷やさないようにしましょう。
長時間の同じ姿勢(デスクワーク、スマホ操作など):
筋肉の緊張や血行不良を招き、頭痛や肩こりを悪化させます。
カフェインやアルコールの摂りすぎ:
自律神経を刺激したり、脱水を招いたりして、症状を悪化させる可能性があります。
天気の情報を過剰に気にしすぎること:
「明日は雨だから、きっと頭痛がするだろうな…」と、天気の情報を気にしすぎるあまり、かえって不安感やストレスが増し、症状を誘発してしまう「予期不安」という状態に陥ることもあります。
これらの習慣を見直すだけでも、天気痛の症状が和らぐ可能性があります。
雨の日も快適に!今日からできる「天気痛セルフケア」
つらい天気痛の症状を少しでも和らげるために、今日からできるセルフケア方法をご紹介します。
1.「耳のマッサージ」で内耳の血行を促進!
内耳の血行を良くし、気圧センサーの働きを整える効果が期待できる簡単なマッサージです。
両耳を軽くつまみ、上下、横、斜めなど、様々な方向に優しく引っ張ります。
耳全体を手のひらで覆うようにし、ゆっくりと前後に回します。(各5回程度)
耳たぶの少し上あたりを人差し指と親指でつまみ、軽く下に引っ張りながら、ゆっくりと後ろに回します。(5回程度)
痛みを感じない、気持ちの良い範囲で行いましょう。朝起きた時や、天気が崩れそうな時に行うのがおすすめです。
2.「首・肩周りのストレッチ」で血行改善!
首や肩周りの筋肉の緊張を和らげ、血行を促進することで、頭痛や肩こりの緩和を目指します。
ゆっくりと首を左右に倒し、それぞれの方向で20秒程度キープします。
ゆっくりと首を前に倒し、アゴを胸につけるようなイメージで20秒程度キープします。
両手を肩に置き、肘で大きな円を描くように、前回し、後ろ回しにそれぞれゆっくりと行います。
無理のない範囲で、呼吸を止めずに行うことが大切です。
3.「深呼吸」で自律神経を整える!
ゆっくりとした深い呼吸は、副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせる効果があります。
楽な姿勢で座るか、仰向けに寝ます。
鼻からゆっくりと息を吸い込み(4秒程度)、お腹を膨らませます。
口からゆっくりと息を吐き出します(6~8秒程度かけて)、お腹をへこませます。
これを数分間繰り返します。
4.「体を温める」習慣を意識する!
ぬるめのお風呂(38~40℃程度)にゆっくり浸かる。
首の後ろや肩、腰などを蒸しタオルやカイロで温める。
温かい飲み物(生姜湯、ハーブティーなど)を飲む。
腹巻やレッグウォーマーを活用する。
5.「天気日記」をつけて、自分のパターンを知る!
いつ、どんな天気の時に、どのような症状が出やすいのかを記録する「天気日記」をつけるのもおすすめです。
自分のパターンを把握することで、早めに対策を立てたり、心の準備をしたりすることができます。
最近では、天気痛の予測アプリなどもあるので、活用してみるのも良いでしょう。
これらのセルフケアは、症状を完全に無くすものではありませんが、上手に取り入れることで、つらい症状を和らげ、天気と上手く付き合っていくための一助となるはずです。
まとめ:天気痛のメカニズムを知り、賢いセルフケアで快適な毎日を!
さて、今回は「「雨の日に頭痛がひどい…」天気痛の【メカニズム】とセルフケア」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
「天気が悪いと体調が悪くなるのは、気のせいじゃなかったんだ!」と、長年の疑問が少し解消された方もいるかもしれませんね。
天気痛は、決して我慢するしかないものではありません。そのメカニズムを理解し、自分に合った対策を講じることで、症状を和らげ、天候に左右されにくい快適な毎日を目指すことができるのです。
では、今日のポイントをまとめます。
・天気痛(気象病)は、気圧の変化、気温や湿度の急激な変化といった天候の変化によって引き起こされる頭痛、めまい、関節痛などの様々な体の不調である。
・主なメカニズムとして、内耳の気圧センサーの過敏性、自律神経の乱れ、古傷や炎症部位の痛みセンサーの過敏化などが考えられる。
・天気痛を悪化させるNG習慣には、不規則な生活、ストレス、体の冷え、長時間の同じ姿勢、カフェイン・アルコールの摂りすぎ、天気の過剰な気にしすぎなどがある。
・セルフケアとして、耳のマッサージ、首・肩周りのストレッチ、深呼吸、体を温める習慣、天気日記などが有効である。
天気痛の症状は、雨の日が多い日本では、頻繁に起こるもの。
雨の日も、晴れの日も、笑顔で元気に過ごせるように、一緒に取り組んでいきましょう!
こころ鍼灸整骨院



