ゴルフ肘を予防&改善!【プロも実践】簡単ストレッチ法

東角剛司

東角剛司

テーマ:ストレッチ・運動

みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。

ゴルフを楽しまれているみなさん、こんな経験はありませんか?

「スイングの時に、肘の内側がピリッと痛む…」

「ゴルフの後、肘の内側がズキズキする…」

「ドアノブを回したり、雑巾を絞ったりするだけでも肘が痛い…」

もし、このような肘の内側の痛みに心当たりがあるなら、それはもしかしたら「ゴルフ肘(ゴルフひじ)」かもしれません。

ゴルフ肘は、その名の通りゴルファーに多く見られる症状ですが、実はゴルフをしない人でも、手首や腕をよく使う作業をする方(例えば、テニス、野球、料理人、大工さんなど)にも起こりうる、意外と身近な肘のトラブルなのです。

「たかが肘の痛み」と軽く考えて放置していると、痛みが慢性化してしまったり、日常生活にも支障が出てしまったりすることもあります。

今回は、そんなつらい「ゴルフ肘」の原因や症状について詳しく解説するとともに、予防と改善に役立つ、プロも実践している簡単なストレッチ法、そして私たち整体師・鍼灸師ができるサポートについて、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

「ゴルフ肘」ってどんな状態?その正体とは

まず、「ゴルフ肘」とは、医学的には「上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)」と呼ばれる状態のことを指します。

ちょっと難しい名前ですよね。
簡単に言うと、肘の内側にある骨の出っ張り部分(内側上顆)にくっついている「手首を手のひら側に曲げる筋肉(屈筋群)」や「指を曲げる筋肉」の付け根(腱)に炎症が起きている状態です。

ゴルフのスイング動作、特にダウンスイングからインパクト、フォロースルーにかけて、手首を内側に返す動きや、ボールを強く叩く衝撃などが、この肘の内側の腱に繰り返し負担をかけることで、微細な損傷や炎症が生じ、痛みとして現れるのです。

ちなみに、肘の外側が痛む場合は「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」と呼ばれ、ゴルフ肘とは痛む場所や原因となる筋肉が異なります。

ゴルフ肘の主な症状

  • 肘の内側(内側上顆のあたり)を押すと痛い(圧痛)。
  • ゴルフのスイング時(特にインパクト前後)に肘の内側に痛みが出る。
  • 手首を手のひら側に曲げたり、物を握ったり、ドアノブを回したり、雑巾を絞ったりする動作で痛みが増す。
  • ひどくなると、安静にしていてもジンジンとした痛みを感じたり、肘から前腕にかけて痛みが広がったりすることもある。
  • 肘の曲げ伸ばしがスムーズにできなくなることもある。

もし、これらの症状に心当たりがある場合は、ゴルフ肘の可能性を考えてみましょう。

なぜ起こるの?ゴルフ肘を引き起こす主な原因

ゴルフ肘は、単に「ゴルフのやりすぎ」だけで起こるわけではありません。
いくつかの要因が複合的に絡み合って発症することが多いのです。


間違ったスイングフォーム・オーバースイング:

手打ちになっていたり、腕の力だけで無理にボールを飛ばそうとしたりするスイングフォームは、肘に過度な負担をかけます。
また、体の回転を使わずに腕だけで振るようなオーバースイングも、肘への負担を増大させます。



使いすぎ(オーバーユース):

練習のしすぎや、ラウンドの回数が多すぎると、肘の腱に繰り返し負担がかかり、炎症が起きやすくなります。特に、十分なウォーミングアップやクールダウンを怠っていると、リスクはさらに高まります。



合わないゴルフクラブ・重すぎるクラブ:

自分の体力やスイングに合っていない重すぎるクラブや、硬すぎるシャフトのクラブを使用すると、スイング時に肘に余計な力が入ってしまい、負担を増やす原因となります。



グリップの握りすぎ・手首の使いすぎ:

クラブを強く握りすぎたり、手首を過剰に使いすぎたりするスイングも、前腕の筋肉に負担をかけ、ゴルフ肘を引き起こしやすくします。



筋力不足・柔軟性の低下:

前腕の筋肉だけでなく、肩周りや体幹の筋力が不足していたり、手首や肘、肩関節の柔軟性が低下していたりすると、スイングの際に肘に頼った動きになりやすく、負担が増加します。
特に、手首を手のひら側に曲げる筋肉(屈筋群)が硬くなっていると、ゴルフ肘のリスクが高まります。


体の歪み(構造医学的視点):

これは私たち整体師・鍼灸師が特に注目する点ですが、肩甲骨の位置のズレ、猫背、骨盤の歪みといった体全体のバランスの乱れがあると、スイング時に体がスムーズに回転できず、腕や肘に余計な力が入ってしまい、ゴルフ肘の原因となることがあります。
例えば、肩甲骨の動きが悪ければ、肩の回転が不十分になり、それを補うために肘や手首に過度な負担がかかってしまうのです。

放置はNG!ゴルフ肘が悪化するとどうなる?

「少し痛むけど、まだゴルフはできるから…」と、ゴルフ肘の初期症状を放置してしまうと、症状が悪化し、様々な問題を引き起こす可能性があります。

①痛みの慢性化・悪化:
最初はゴルフの時だけだった痛みが、だんだんと日常生活の些細な動作(ドアノブを回す、物を持つなど)でも現れるようになり、安静にしていても痛むようになることがあります。


②パフォーマンスの低下:
痛みでスイングが思い切りできなくなったり、飛距離が落ちたり、コントロールが定まらなくなったりと、ゴルフのパフォーマンスが著しく低下します。


③日常生活への支障:
ひどくなると、コップを持つのもつらい、パソコンのキーボードを打つのも痛い、といったように、日常生活に大きな支障が出てしまうことも。


④治療の長期化:
症状が悪化してから治療を始めると、治癒までに時間がかかり、長期間ゴルフができなくなってしまう可能性もあります。


ゴルフ肘は、早期発見・早期対処が非常に重要なのです。

プロも実践!ゴルフ肘を予防&改善する簡単ストレッチ法

では、ゴルフ肘の予防と症状の改善に役立つ、自宅で簡単にできるストレッチ法をご紹介します。
プロゴルファーもウォーミングアップやクールダウンに取り入れている基本的なストレッチです。


痛みがある場合は無理せず、気持ちの良い範囲で行いましょう。


ストレッチ1:前腕屈筋群(手首を手のひら側に曲げる筋肉)のストレッチ

片方の腕を、手のひらを上に向けて前にまっすぐ伸ばします。

もう片方の手で、伸ばした方の手の指先を持ち、ゆっくりと手首を反らせるように、手のひらを自分の方に引き寄せます。

前腕の内側(手のひら側)が心地よく伸びるのを感じながら、20~30秒キープします。

ゆっくりと元に戻し、反対側の腕も同様に行います。
肘は伸ばしたまま行い、肩が上がらないように注意しましょう。



ストレッチ2:前腕伸筋群(手首を手の甲側に曲げる筋肉)のストレッチ

ゴルフ肘は主に屈筋群の問題ですが、バランスを整えるために伸筋群のストレッチも行いましょう。

片方の腕を、手のひらを下に向けて前にまっすぐ伸ばします。

もう片方の手で、伸ばした方の手の甲を持ち、ゆっくりと手首を手のひら側に曲げるように、手の甲を自分の方に引き寄せます。

前腕の外側(手の甲側)が心地よく伸びるのを感じながら、20~30秒キープします。

ゆっくりと元に戻し、反対側の腕も同様に行います。



ストレッチ3:手首の回旋ストレッチ

両腕を前に伸ばし、軽く手を握ります。

手首をゆっくりと、内回し、外回しにそれぞれ10回程度回します。
肘は固定し、手首だけを滑らかに回すように意識しましょう。



ストレッチ4:肩周りのストレッチ(肩甲骨の動きを良くする)

両手を肩に置き、肘で大きな円を描くように、前回し、後ろ回しにそれぞれ10回程度ゆっくりと回します。

両腕を体の横に下ろし、肩をすくめるように上げて、ストンと落とす動作を数回繰り返します。
肩甲骨から大きく動かすことを意識しましょう。


これらのストレッチは、ゴルフの練習やラウンドの前後、そして日常生活の中でこまめに行うことで、ゴルフ肘の予防と改善に繋がります。

ゴルフ肘を悪化させないための注意点


①痛みを感じたら無理しない:
ゴルフ中やストレッチ中に痛みを感じたら、すぐに中止し、安静にしましょう。我慢して続けると、症状が悪化する可能性があります。


②アイシング:
プレー後や痛みを感じる時は、肘の内側を15分程度アイシング(氷のうなどで冷やす)すると、炎症を抑えるのに効果的です。


③サポーターの活用:
ゴルフ肘用のサポーターやテーピングは、肘への負担を軽減し、痛みを和らげる効果が期待できます。専門家のアドバイスを受けて、適切なものを選びましょう。


④スイングフォームの見直し:
可能であれば、ゴルフの専門家(ティーチングプロなど)にスイングフォームを見てもらい、肘に負担のかからない正しいフォームを身につけることが根本的な予防に繋がります。


⑤ゴルフクラブの見直し:
自分の体力やスイングに合った重さや硬さのクラブを選びましょう。

まとめ:正しいケアと予防で、ゴルフ肘にサヨナラ!快適なプレーを

さて、今回は「ゴルフ肘を予防&改善!【プロも実践】簡単ストレッチ法」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
ゴルフ肘は、ゴルファーにとって非常につらい症状ですが、正しい知識を持ち、適切なケアと予防を行うことで、十分に改善し、再発を防ぐことができるものです。
「たかが肘の痛み」と放置せず、早めの対処を心がけましょう。

では、今日のポイントをまとめます。

・ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)は、肘の内側にある腱の炎症であり、ゴルフのスイング動作などで手首や腕をよく使う人に起こりやすい。

・主な原因は、間違ったスイングフォーム、使いすぎ、合わないクラブ、筋力不足・柔軟性低下、そして体の歪みなどである。

・放置すると痛みが慢性化し、パフォーマンス低下や日常生活への支障をきたす可能性があるため、早期発見・早期対処が重要である。

・予防と改善には、前腕屈筋群・伸筋群のストレッチ、手首の回旋ストレッチ、肩周りのストレッチなどが有効であり、プロも実践している。

・ゴルフ肘を悪化させないためには、痛みを感じたら無理せず安静にし、アイシングやサポーターを活用し、スイングフォームやクラブを見直すことも大切である。


もし、あなたが「ゴルフ肘」の症状でお悩みでしたら、一人で抱え込まず、ぜひ一度、私たち専門家にご相談ください。

あなたの痛みの原因を的確に見極め、一日でも早く快適なゴルフライフを取り戻せるようサポートさせていただきます。
ナイスショットを目指して、一緒に頑張りましょう!

こころ鍼灸整骨院

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東角剛司
専門家

東角剛司(柔道整復師・はり師・きゅう師)

こころ鍼灸整骨院

構造医学の視点から、個々の体の動かし方に合わせて骨格を整えます。肩や腰などの慢性的な痛みに向き合い、整骨院に通わずに済む健康な体づくりをサポート。実務者向けのセミナーも開催しています。

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