熱中症対策!”〇〇補給”で猛暑を乗り切れ!

東角剛司

東角剛司

テーマ:整体・鍼灸全般

みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。

いよいよ夏が近づいてきましたね。
青い空、照りつける太陽、楽しいイベントも多い季節ですが、同時に気をつけなければならないのが「熱中症」です。

「まだそんなに暑くないから平気…。」

そんな風に油断していると、気づかないうちに熱中症の初期症状が現れ、重症化すると命に関わることもある、非常に怖い状態なのです。

総務省消防庁のデータによると、毎年多くの方が熱中症で救急搬送されています。
特に高齢者や子供、そして屋外で作業する方やスポーツをする方は注意が必要です。

今回は、そんな夏の大きな敵である「熱中症」を予防するために、そして、もしなってしまった場合にどう対処すれば良いのか、特に重要な「〇〇補給」という観点から、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

そもそも「熱中症」ってどうして起こるの?そのメカニズム

まず、なぜ熱中症が起こるのか、そのメカニズムを簡単に理解しておきましょう。

私たちの体は、平常時、体温が上がりすぎないように、汗をかいたり、皮膚の血管を広げて熱を外に逃がしたりすることで、体温を一定に保つ機能(体温調節機能)が備わっています。

しかし、高温多湿な環境に長時間いたり、激しい運動をしたりすると、この体温調節機能がうまく働かなくなり、体の中に熱がこもってしまうのです。
その結果、体温が異常に上昇し、様々な体の不調が現れる、これが「熱中症」です。

熱中症は、その重症度によって大きく3つの段階に分けられます。


Ⅰ度(軽症):現場での応急処置で対応できる段階

症状:めまい、立ちくらみ、筋肉痛、筋肉のこむら返り、大量の発汗など。

「あれ?なんだかおかしいな」と感じる初期のサインです。



Ⅱ度(中等症):病院への搬送が必要な段階

症状:頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感(体がだるい)、虚脱感(力が入らない)、集中力や判断力の低下など。

この段階になったら、速やかに医療機関を受診する必要があります。



Ⅲ度(重症):入院して集中治療が必要な段階

症状:意識障害(呼びかけに反応しない、おかしな言動など)、けいれん、運動障害(体が思うように動かせない)、高体温(体に触ると熱い)など。

命に関わる非常に危険な状態であり、ためらわずに救急車を呼ぶ必要があります。

熱中症は、軽症のうちに気づき、適切に対処することが非常に重要なのです。

熱中症予防の基本!「〇〇補給」が命を救う!?

では、熱中症を予防するために、最も重要なことは何でしょうか?
それは、ズバリ「〇〇補給」です。この「〇〇」には、大きく分けて2つの重要な要素が入ります。

その1:「水分」補給の徹底!のどが渇く前に飲む習慣を

私たちの体の約60%は水分でできています。汗をかくことで体温を下げていますが、その汗の材料はもちろん「水分」です。
高温下では、気づかないうちに大量の汗をかき、体から水分が失われています。

水分が不足すると、

①脱水症状: 体に必要な水分量が足りなくなり、めまい、頭痛、吐き気などを引き起こします。

②血液ドロドロ: 血液の濃度が上がり、流れが悪くなります。これにより、心臓に負担がかかったり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まったりすることも。

③体温調節機能の低下: 汗をかけなくなり、体内に熱がこもりやすくなります。

といった、熱中症のリスクを著しく高める状態に陥ってしまいます。


水分の正しい摂り方とは?

のどが渇く前に、こまめに飲む:

「のどが渇いたな」と感じた時には、すでに体は水分不足の状態になっています。
そうなる前に、少量ずつ、こまめに水分を摂る習慣をつけましょう。
例えば、30分に1回、コップ半分程度の水を飲む、といった具合です。


適切な飲み物を選ぶ:

基本的には「水」や「麦茶」で十分です。
大量に汗をかいた時や、長時間の運動をする時などは、後述する「塩分(電解質)」も一緒に補給できる経口補水液やスポーツドリンクが効果的です。
ただし、糖分の多いジュースや炭酸飲料は、吸収が遅く、かえってのどの渇きを増すことがあるので注意が必要です。
また、コーヒーや緑茶、紅茶などに含まれるカフェインや、アルコールには利尿作用があるため、水分補給としては適していません。


1日の目安量を知っておく:

食事から摂取する水分とは別に、1日に1.2リットル~1.5リットル程度の水分をこまめに摂ることが推奨されています。
暑い日や運動時は、さらに多くの水分が必要です。



その2:「塩分(電解質)」補給も忘れずに!汗と一緒に失われるもの

汗をかくと、水分だけでなく、体に必要なミネラル(電解質)、特に「塩分(ナトリウム)」も一緒に失われてしまいます。

塩分は、体内の水分バランスを調整したり、筋肉や神経の働きを正常に保ったりする上で非常に重要な役割を担っています。
この塩分が不足すると、

熱けいれん: 足や腕、お腹などの筋肉が痛みを伴ってけいれんする症状。

脱力感・疲労感: 体の電解質バランスが崩れ、力が入らなくなったり、ひどい疲れを感じたりします。

といった症状が現れることがあります。これは、熱中症の初期症状の一つです。


塩分の正しい摂り方とは?

大量に汗をかいた時は特に意識する:

特に暑い場所で長時間作業したり、激しい運動をしたりして大量の汗をかいた時は、水分だけでなく塩分も積極的に補給する必要があります。
水だけを大量に飲むと、体内の塩分濃度が薄まってしまい、かえって体調を崩す「低ナトリウム血症」を引き起こす危険性もあるのです。


経口補水液やスポーツドリンクを活用する:

経口補水液(OS-1など)は、水分と塩分、糖分がバランス良く配合されており、体に素早く吸収されるように作られています。
熱中症の初期症状が見られる場合や、脱水が疑われる場合に特に有効です。
スポーツドリンクも、運動時の水分・電解質補給に適しています。
ただし、糖分が多いものもあるので、飲みすぎには注意が必要です。



食事からも塩分を補給する:

普段の食事で、味噌汁や漬物、梅干しなどを適度に摂ることも、塩分補給に繋がります。


塩飴や塩タブレットも便利:

外出時や運動時には、手軽に塩分を補給できる塩飴や塩タブレットも活用できます。



「水分」と「塩分(電解質)」、この二つをバランス良く補給することが、熱中症予防の最大の鍵と言えるでしょう。

「〇〇補給」以外にも大切!熱中症を防ぐための生活習慣

水分・塩分補給以外にも、熱中症を予防するために日頃から気をつけておきたい生活習慣があります。

暑さを避ける工夫をする:

日中の気温が高い時間帯(午前10時~午後2時頃)の外出や屋外作業は、できるだけ避ける。

外出時は、日傘や帽子を着用し、日陰を選んで歩く。

通気性の良い、吸湿性・速乾性のある衣服を選ぶ。

室内では、我慢せずにエアコンや扇風機を適切に使い、室温を快適に保つ(室温28℃以下、湿度50~60%が目安)。すだれやカーテンで直射日光を遮るのも効果的です。



こまめに休憩をとる:

屋外での作業や運動中は、30分~1時間に1回程度は必ず休憩をとり、涼しい場所で水分・塩分補給をしましょう。
「まだ大丈夫」と思っても、体は正直です。無理は禁物です。



体調管理をしっかり行う:

睡眠不足や疲労、風邪気味、二日酔いなど、体調が万全でない時は、熱中症になりやすい状態です。
普段からバランスの取れた食事、質の高い睡眠を心がけ、体調を整えておくことが大切です。
暑い日は、特に体力を消耗しやすいので、無理のないスケジュールを組みましょう。



暑さに体を慣らす(暑熱順化:しょねつじゅんか):

急に暑くなった時に熱中症が起こりやすいのは、体がまだ暑さに慣れていないためです。
梅雨明けなど、本格的に暑くなる少し前から、ウォーキングなどの軽い運動を短時間から始め、徐々に体を暑さに慣らしていく「暑熱順化」を行うと、汗をかきやすくなり、体温調節機能が高まります。



周囲の人にも気を配る:

特に高齢者や子供は、自分でのどの渇きや体調の変化に気づきにくいことがあります。
周りの人が気にかけて、こまめな水分補給を促したり、顔色や様子がおかしくないか確認したりすることが大切です。

もし熱中症のサインが見られたら?落ち着いて行うべき応急処置

万が一、自分や周りの人に熱中症の疑いがある症状が見られた場合は、落ち着いて以下の応急処置を行いましょう。

涼しい場所へ避難する:

風通しの良い日陰や、クーラーが効いた室内など、涼しい場所に移動させます。



衣服をゆるめ、体を冷やす:

衣服をゆるめて、体から熱が逃げやすいようにします。
濡らしたタオルや氷のう(ビニール袋に氷と少量の水を入れたもの)などで、首の付け根、脇の下、太ももの付け根(股関節)といった太い血管が通っている部分を冷やすと効果的です。
霧吹きで体に水をかけ、うちわや扇風機で風を送るのも良いでしょう。



水分・塩分を補給する:

意識がはっきりしていて、自分で飲めるようであれば、経口補水液やスポーツドリンク、食塩水(水1リットルに対し、食塩1~2g程度)などを少量ずつ飲ませます。
吐き気がある場合や、意識が朦朧としている場合は、無理に飲ませてはいけません。
誤嚥(ごえん:飲み物が気管に入ってしまうこと)の危険があります。



医療機関を受診する:

呼びかけに反応がおかしい、自分で水分が摂れない、症状が改善しない、といった場合は、ためらわずに救急車を呼ぶか、速やかに医療機関を受診しましょう。
特に、意識障害やけいれんが見られる場合は、命に関わる危険な状態ですので、一刻も早い対応が必要です。

まとめ:賢い「〇〇補給」と生活習慣で、元気に猛暑を乗り切ろう!

さて、今回は「熱中症対策!”〇〇補給”で猛暑を乗り切れ!」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
熱中症は、正しい知識を持ち、適切な予防策を講じることで、確実に防ぐことができるものです。
特に、こまめな「水分」と「塩分」の補給は、熱中症予防の基本中の基本。この「〇〇補給」を意識するだけで、猛暑を乗り切る力は格段にアップします。

では、今日のポイントをまとめます。

・熱中症は、高温多湿な環境などで体温調節機能が破綻し、体内に熱がこもることで発症する。重症度によりⅠ度(軽症)、Ⅱ度(中等症)、Ⅲ度(重症)に分類され、重症の場合は命に関わる。

・熱中症予防の最大の鍵は、「水分」と「塩分(電解質)」の適切な補給である。のどが渇く前にこまめに水分を摂り、大量に汗をかいた時は塩分も意識して補給する。

・水分補給には水や麦茶が基本だが、大量発汗時は経口補水液やスポーツドリンクも有効。糖分の多い飲料やカフェイン、アルコールは避ける。

・熱中症を防ぐ生活習慣として、暑さを避ける工夫、こまめな休憩、体調管理、暑熱順化、周囲への気配りが重要である。

・熱中症のサインが見られた場合の応急処置は、涼しい場所への避難、体の冷却、水分・塩分の補給、そして必要に応じた医療機関の受診である。


これからますます暑い日が続きますが、今回の内容を参考に、しっかりと熱中症対策を行い、元気に夏を乗り切ってくださいね。

こころ鍼灸整骨院

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東角剛司
専門家

東角剛司(柔道整復師・はり師・きゅう師)

こころ鍼灸整骨院

構造医学の視点から、個々の体の動かし方に合わせて骨格を整えます。肩や腰などの慢性的な痛みに向き合い、整骨院に通わずに済む健康な体づくりをサポート。実務者向けのセミナーも開催しています。

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