嫌な頭痛の原因は〇〇にあり!?
みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。
「最近、ちょっとした段差でつまずきやすくなった…」
「親が転んで骨折しないか心配…」
そんな風に、ご自身や大切なご家族の「転倒」について、不安を感じている方はいらっしゃいませんか?
高齢者の転倒は、単なる「ケガ」で済まないことが多く、骨折や頭部外傷といった深刻な事態を引き起こし、それが原因で「寝たきり」や「要介護状態」に繋がってしまうケースが後を絶ちません。
内閣府の調査によると、65歳以上の高齢者の介護が必要となった主な原因として、「骨折・転倒」は「脳卒中(脳血管疾患)」や「認知症」と並んで上位に挙げられています。
「もう歳だから仕方ない…」と諦めてしまうのではなく、転倒の原因を正しく理解し、適切な予防策を講じることで、そのリスクを大幅に減らすことができるのです。
今回は、そんな「高齢者の転倒予防」という非常に重要なテーマについて、私が専門とする「構造医学」という視点から、なぜ高齢者は転倒しやすくなるのか、そして「寝たきり」を防ぐために何ができるのか、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。
なぜ高齢者は転びやすくなるの?知っておきたい主な原因
年齢を重ねると、若い頃には考えられなかったような些細なことで転倒しやすくなります。その背景には、加齢に伴う様々な身体機能の変化が関わっています。
筋力の低下(特に下半身):
加齢とともに、太ももやお尻、ふくらはぎといった下半身の筋肉量が減少し、筋力が低下します。これにより、体をしっかりと支える力や、バランスを崩した時に立て直す力が弱くなり、転倒しやすくなります。
特に、つま先を上げる筋肉(前脛骨筋など)が弱ると、すり足になりやすく、小さな段差でもつまずきやすくなります。
バランス能力の低下:
体の平衡感覚を保つためには、視覚、内耳(三半規管など)、足の裏からの感覚情報などを統合し、適切に反応する必要があります。しかし、加齢とともにこれらの感覚機能や情報処理能力が低下し、バランスを保つのが難しくなります。
視力の低下:
白内障や緑内障、加齢黄斑変性といった目の病気だけでなく、単純な視力低下や視野の狭まりも、足元の障害物を見つけにくくしたり、距離感をつかみにくくしたりして、転倒のリスクを高めます。
関節の可動域制限・変形:
変形性膝関節症や変形性股関節症などにより、関節の動きが悪くなったり、痛みが生じたりすると、スムーズな歩行が困難になり、転倒しやすくなります。また、背中が丸くなる「円背(えんぱい)」も、体の重心が前に移動し、バランスを崩しやすくなる原因となります。
反応時間の遅れ:
「危ない!」と感じてから体が反応するまでの時間が、若い頃に比べて長くなる傾向があります。そのため、とっさの時に体勢を立て直すのが間に合わず、転倒してしまうことがあります。
服用している薬の影響:
高血圧の薬、睡眠薬、精神安定剤、痛み止めなど、服用している薬の種類や数によっては、副作用としてふらつきやめまい、眠気などが現れ、転倒のリスクを高めることがあります。複数の薬を服用している場合は特に注意が必要です。
病気の影響:
パーキンソン病、脳卒中後遺症、認知症といった病気は、歩行能力やバランス能力、判断力などに影響を与え、転倒しやすくなることがあります。
これらの要因が単独で、あるいは複合的に影響し合って、高齢者の転倒リスクを高めているのです。
構造医学的視点!「体の歪み」が転倒リスクをさらに高める!?
前述した加齢に伴う身体機能の低下に加えて、私たち整体師・鍼灸師が注目するのが、「体の歪み」が転倒リスクに与える影響です。
「構造医学」では、人間の体を建物のように捉え、骨盤という土台の上に背骨という柱がバランス良く乗っている状態が理想と考えます。
しかし、長年の生活習慣や癖、過去のケガなどにより、
- 骨盤の歪み(前傾、後傾、左右の傾き、ねじれなど)
- 背骨の歪み(猫背、反り腰、側弯など)
- O脚やX脚
- 足首の歪み(扁平足、外反母趾など)
といった「体の歪み」が生じている方が非常に多いのです。
これらの体の歪みは、単に見た目の問題だけでなく、体の重心バランスを崩し、特定の関節や筋肉に過剰な負担をかけ、結果として転倒しやすい状態を作り出してしまうのです。
例えば、
骨盤が左右に傾いていると…
左右の足にかかる体重がアンバランスになり、歩行時にふらつきやすくなります。また、股関節や膝関節にも偏った負担がかかり、痛みや変形を助長する可能性があります。
猫背(円背)になると…
頭が体の前に突き出るため、体の重心が前方に移動します。すると、バランスを取ろうとして膝が曲がりやすくなったり、歩幅が狭くなったりして、つまずきやすくなります。また、視野も下向きになりがちで、足元の障害物に気づきにくくなります。
足首が硬かったり、扁平足だったりすると…
地面からの衝撃をうまく吸収できず、バランスを崩しやすくなります。また、足の指がうまく使えないと、踏ん張る力が弱くなり、不安定な場所での転倒リスクが高まります。
このように、体の歪みは、加齢による身体機能の低下と相まって、転倒のリスクをさらに増幅させてしまうのです。
そして、転倒によって骨折などをすると、長期間の安静が必要となり、筋力や体力がさらに低下し、寝たきりへと繋がる…という負のスパイラルに陥ってしまう危険性があります。
転倒を予防し「寝たきり」を防ぐ!今日からできること
では、転倒を予防し、元気に自立した生活を長く続けるためには、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか?
1.「住環境」を見直して、転びにくい家にする!
家の中は、意外と転倒の危険が潜んでいます。
段差をなくす: 敷居やカーペットの縁など、小さな段差もつまずきの原因になります。スロープを設置したり、段差解消グッズを活用したりしましょう。
床の滑り止め対策: フローリングや畳の部屋には滑り止めマットを敷く、浴室や脱衣所には滑り止めシートを貼るなど、滑りやすい場所の対策を。
整理整頓を心がける: 床に物が散乱していると、足を引っかけて転倒する原因になります。コード類も壁際にまとめるなど工夫しましょう。
手すりの設置: 階段、廊下、トイレ、浴室など、移動や立ち座りが多い場所には手すりを設置すると安心です。
照明を明るくする: 足元が見えにくいと危険です。廊下や階段、夜間のトイレへの通路などには、明るい照明や足元灯を設置しましょう。
2.「適度な運動」で筋力とバランス能力を維持・向上!
「もう歳だから…」と運動を諦めてしまうのは禁物です。無理のない範囲で、楽しみながら続けられる運動を取り入れましょう。
ウォーキング: 最も手軽で効果的な運動の一つです。正しい姿勢で、少し大股で歩くことを意識しましょう。
筋力トレーニング: スクワット(椅子に座って立つ動作でもOK)、かかと上げ、もも上げなど、下半身の筋力を鍛える運動を取り入れましょう。
バランストレーニング: 片足立ち(壁や椅子に手をついてもOK)、つま先立ち歩き、かかと立ち歩きなど、バランス感覚を養う運動も効果的です。
ストレッチ: 関節の柔軟性を保つために、ゆっくりとしたストレッチも行いましょう。特に股関節や足首周りは重要です。
3.「履物」にも注意!安定感のある靴を選ぶ
自分に合ったサイズの靴を選ぶ: 大きすぎたり小さすぎたりする靴は、歩きにくく転倒の原因になります。
かかとがしっかりしていて、滑りにくい靴底の靴を選ぶ: スリッパやサンダルは脱げやすく危険です。室内でも、かかとがあり、滑りにくい履物を選びましょう。
ヒールの高い靴や底の厚すぎる靴は避ける: バランスを崩しやすくなります。
4.「栄養バランス」の取れた食事を心がける
タンパク質をしっかり摂る: 筋肉の材料となるタンパク質(肉、魚、卵、大豆製品など)を毎食意識して摂りましょう。
カルシウムとビタミンDで骨を強く: 骨粗しょう症を予防し、骨折のリスクを減らすために、乳製品、小魚、緑黄色野菜、きのこ類などを積極的に摂りましょう。
5.定期的な「体のチェック」と「専門家によるケア」
視力・聴力の定期検査: 見えにくさや聞こえにくさは、転倒リスクに直結します。定期的に検査を受け、必要であればメガネや補聴器を使用しましょう。
服用している薬の確認: かかりつけ医や薬剤師に、服用している薬の中に転倒のリスクを高めるものがないか、定期的に相談しましょう。
体の歪みのチェックとケア: 私たち整体師や鍼灸師は、体の歪みを評価し、それを整えることで、バランス能力の向上や痛みの軽減を図り、転倒しにくい体づくりをサポートします。
まとめ:「転ばない体」と「転ばない環境」で、健やかな毎日を!
さて、今回は「高齢者の転倒予防!構造医学で「寝たきり」を防ぐ」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
高齢者の転倒は、決して「運が悪かった」「歳のせい」だけで片付けられる問題ではありません。その背景には、加齢による身体機能の低下や、体の歪み、そして生活環境など、様々な要因が複雑に絡み合っているのです。
しかし、裏を返せば、これらの要因に一つ一つ対処していくことで、転倒のリスクは確実に減らすことができるということです。
では、今日のポイントをまとめます。
・高齢者の転倒は、筋力低下、バランス能力低下、視力低下、関節の問題、薬の影響、病気など、加齢に伴う様々な身体機能の変化が主な原因である。
・構造医学的視点では、骨盤の歪み、背骨の歪み、O脚・X脚、足首の歪みといった「体の歪み」が、重心バランスを崩し、転倒リスクをさらに高める。
・転倒を予防し「寝たきり」を防ぐためには、「住環境の見直し(段差解消、手すり設置など)」「適度な運動(筋力・バランス能力向上)」「安定した履物の選択」「栄養バランスの取れた食事」「定期的な体のチェックと専門家によるケア」が重要である。
・整体師や鍼灸師は、体の歪みを整え、関節可動域を改善し、筋力強化や歩行指導を行うことで、転倒しにくい体づくりをサポートできる。
・「転ばない体づくり」と「転ばない環境づくり」の両面からアプローチすることが、高齢者の健康寿命を延ばし、質の高い生活を維持するために不可欠である。
もし、ご自身やご家族の「転倒」について心配なこと、不安なことがあれば、どうぞ一人で悩まず、私たち専門家にご相談ください。
体の状態を詳しく拝見し、一人ひとりに合った転倒予防策を一緒に考え、実践していくお手伝いをさせていただきます。
いつまでも元気に、自分の足で歩き続けられる喜びを、一緒に守っていきましょう!
こころ鍼灸整骨院



