物を持つと肘の外側が痛い「テニス肘」、本当の原因は【手首の使いすぎ】と【指を握る力の疲労】にあった!
みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。
「なんだか最近、イライラしやすい…」
「お腹の調子が悪くて、便秘や下痢を繰り返している…」
そんな原因不明の不調、感じていませんか?
もしかしたら、その不調、「自律神経の乱れ」と「腸内環境の悪化」という、一見すると関係なさそうな二つの問題が、実は深く関わり合っているのかもしれません。
「自律神経」と「腸内環境」。
近年、この二つの関係性、「脳腸相関(のうちょうそうかん)」という言葉でも注目されていますが、具体的にどのように影響し合っているのか、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな「自律神経」と「腸内環境」の知られざる深い関係について、そして、その両方を整えることが、いかに私たちの心と体の健康にとって大切なのか、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。
そもそも「自律神経」ってどんな働きをしているの?
まずは、私たちの体にとって非常に重要な「自律神経」について、簡単におさらいしておきましょう。
自律神経とは、私たちの意思とは関係なく、呼吸、体温、血圧、心拍、消化、排泄、免疫など、生命を維持するための様々な機能を自動的にコントロールしている神経のことです。
自律神経は、主に二つの神経から成り立っています。
交感神経(こうかんしんけい):
主に日中、活動している時や、緊張・興奮している時に優位に働きます。
心拍数を上げたり、血管を収縮させたり、瞳孔を開いたりして、体を「戦闘モード」や「活動モード」にします。アクセルのような役割です。
副交感神経(ふくこうかんしんけい):
主に夜間、リラックスしている時や、睡眠中、食事中などに優位に働きます。
心拍数を下げたり、血管を拡張させたり、消化を促進したりして、体を「休息モード」や「回復モード」にします。ブレーキのような役割です。
この交感神経と副交感神経が、まるでシーソーのようにバランスを取りながら働くことで、私たちの体は健康な状態を保つことができます。
しかし、ストレスや不規則な生活、睡眠不足、栄養の偏りなど、様々な要因でこのバランスが崩れてしまうと、「自律神経の乱れ」が生じ、心身に様々な不調が現れてしまうのです。
もう一つの主役「腸内環境」とは?善玉菌と悪玉菌の戦い
次に、「腸内環境」についてです。
私たちの腸内には、約100兆個以上もの細菌が棲みついていると言われており、これらは「腸内フローラ(腸内細菌叢:ちょうないさいきんそう)」と呼ばれています。
まるでお花畑(フローラ)のように、多種多様な細菌がびっしりと腸の壁に生息しているイメージです。
腸内細菌は、大きく分けて3つのグループに分類されます。
善玉菌(ぜんだまきん):
ビフィズス菌や乳酸菌などが代表的です。
消化吸収を助けたり、免疫力を高めたり、ビタミンを合成したりと、私たちの体に良い働きをしてくれる菌です。腸内環境を酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑える役割も担っています。
悪玉菌(あくだまきん):
ウェルシュ菌や大腸菌(病原性のもの)などが代表的です。
腸内で有害物質を作り出したり、腐敗を進めたりして、便秘や下痢、肌荒れ、免疫力低下など、体に悪い影響を与える菌です。
日和見菌(ひよりみきん):
腸内細菌の中で最も数が多く、善玉菌と悪玉菌のうち、優勢な方の味方をする菌です。
健康な時は大人しくしていますが、体が弱ったり、腸内環境が悪化したりすると、悪玉菌と一緒に悪さをするようになります。
健康な人の腸内は、善玉菌が悪玉菌よりも優勢な状態(善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割くらいが理想と言われています)に保たれています。
しかし、食生活の乱れやストレス、加齢などによってこのバランスが崩れ、悪玉菌が優勢になると、「腸内環境が悪化」し、様々な不調を引き起こす原因となるのです。
驚きの繋がり!自律神経と腸内環境は「脳腸相関」で密接に連携
さて、ここからが本題です。
一見すると別々のもののように思える「自律神経」と「腸内環境」ですが、実は「脳腸相関(のうちょうそうかん)」というメカニズムを通じて、互いに密接に影響し合っていることが、近年の研究で明らかになってきています。
「脳腸相関」とは、文字通り、脳と腸が神経系やホルモン、免疫系などを介して、双方向に情報をやり取りし、影響を与え合っている状態のことです。
1.脳(自律神経)から腸への影響:ストレスが腸を直撃!
みなさんも経験があるかもしれませんが、
・緊張するとお腹が痛くなる
・ストレスで便秘や下痢になる
といったことは、まさに脳(自律神経)が腸に影響を与えている代表的な例です。
強いストレスを感じると、脳は自律神経を介して腸の働きをコントロールしている神経に指令を送り、腸の動き(蠕動運動:ぜんどううんどう)を過剰にしたり、逆に抑制したりします。
例えば、交感神経が過剰に働くと、腸の動きが鈍くなり便秘になりやすく、副交感神経が過剰に働くと、腸の動きが活発になりすぎて下痢になりやすくなる、といった具合です。
また、ストレスは腸内細菌のバランスにも影響を与えることが分かっています。ストレスによって悪玉菌が増えやすくなり、腸内環境が悪化する可能性もあるのです。
2.腸(腸内環境)から脳(自律神経)への影響:「第二の脳」からのメッセージ
驚くべきことに、腸は「第二の脳」とも呼ばれるほど、多くの神経細胞が存在し、脳からの指令がなくても独自に活動できる能力を持っています。そして、腸の状態は、様々な経路を通じて脳や自律神経にも影響を与えるのです。
腸内細菌が作る物質の影響:
腸内細菌は、私たちが食べたものをエサにして、様々な物質を作り出しています。
例えば、善玉菌は「短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)」という物質を作り出し、これは腸のバリア機能を高めたり、免疫細胞を活性化させたり、さらには脳に働きかけてセロトニン(幸せホルモンとも呼ばれる神経伝達物質)の分泌を促したりする効果があると言われています。
逆に、悪玉菌はアンモニアや硫化水素といった有害物質を作り出し、これらが血流に乗って脳に到達すると、気分を落ち込ませたり、自律神経の乱れを引き起こしたりする可能性があります。
腸内環境が良いか悪いかで、脳に送られるメッセージの質が大きく変わってくるのです。
迷走神経を通じた情報伝達:
腸と脳は、「迷走神経(めいそうしんけい)」という太い神経で直接繋がっています。腸内細菌が作り出す物質や、腸の状態に関する情報は、この迷走神経を通じて脳に伝えられ、気分や行動、そして自律神経の働きに影響を与えると考えられています。
免疫システムへの影響:
私たちの体の免疫細胞の約70%は、腸に集中していると言われています。腸内環境が悪化すると、腸のバリア機能が低下し(リーキーガット症候群など)、体内に異物や毒素が侵入しやすくなります。すると、免疫システムが過剰に反応し、全身的な炎症を引き起こしたり、自律神経の乱れを招いたりすることがあります。
このように、自律神経の乱れが腸内環境を悪化させ、悪化した腸内環境がさらに自律神経の乱れを助長するという、負のスパイラルに陥ってしまう可能性があるのです。
自律神経と腸内環境、両方を整えるための「Wケア」習慣
自律神経と腸内環境が互いに影響し合っているということは、どちらか一方だけをケアするのではなく、両方に対して同時にアプローチすることが、心身の健康を保つ上で非常に重要だということです。
では、具体的にどのような「Wケア」習慣を心がければ良いのでしょうか?
1.腸を元気にする「腸活」を始めよう!
バランスの取れた食事:
善玉菌のエサとなる食物繊維(野菜、果物、きのこ類、海藻類など)やオリゴ糖(玉ねぎ、ごぼう、バナナなど)を積極的に摂りましょう。
また、善玉菌そのものを含む発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌、キムチ、甘酒など)もおすすめです。
逆に、悪玉菌を増やす原因となる動物性脂肪の摂りすぎや、加工食品、ジャンクフード、甘いものの摂りすぎには注意が必要です。
適度な運動:
ウォーキングなどの適度な運動は、腸の蠕動運動を活発にし、便通を促します。また、血行を促進し、腸に酸素や栄養を届けやすくする効果も期待できます。
質の高い睡眠:
睡眠中に腸は活発に働き、修復されます。質の高い睡眠を十分にとることは、腸内環境を整える上で欠かせません。
2.自律神経を整える「リラックス習慣」を取り入れよう!
規則正しい生活リズム:
毎日同じ時間に寝起きし、食事の時間もできるだけ一定にすることで、体内時計が整い、自律神経のバランスも安定しやすくなります。
質の高い睡眠: (腸活と共通)
自律神経を整える上でも、睡眠は非常に重要です。寝る前のリラックスタイムを設け、快適な睡眠環境を整えましょう。
深呼吸や瞑想:
ゆっくりとした深い呼吸や瞑想は、副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせる効果があります。1日数分でも良いので、取り入れてみましょう。
適度な運動: (腸活と共通)
軽い運動はストレス解消にも繋がり、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。
ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる:
38~40℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、副交感神経が優位になり、リラックスできます。
自分の好きなことや趣味の時間を持つ:
ストレスを上手に発散することも、自律神経を整える上で大切です。
3.整体や鍼灸も「Wケア」の強力なサポーター!
私たち整体師や鍼灸師は、体の歪みを整えたり、特定のツボを刺激したりすることで、自律神経のバランスを調整し、同時に腸の働きを活性化させるお手伝いができます。
体の歪みの調整:
骨盤や背骨の歪みは、自律神経の通り道に影響を与えたり、内臓の位置をずらしたりして、両者の機能低下を招くことがあります。整体で体の歪みを整えることで、これらの問題にアプローチします。
腹部へのアプローチ:
お腹周りの筋肉の緊張を緩めたり、内臓の位置を優しく調整したりする手技(内臓マニピュレーションなど)や、お腹にあるツボへの鍼灸治療は、腸の蠕動運動を促し、血行を改善する効果が期待できます。
自律神経を整える鍼灸治療:
全身にあるツボの中から、自律神経のバランスを整える効果のあるツボを選んで鍼やお灸をすることで、交感神経と副交感神経の働きを調整します。
まとめ:自律神経と腸内環境を整え、心と体の真の健康を目指そう!
さて、今回は「自律神経と「腸内環境」の深い関係」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
一見すると別々の問題のように思える「自律神経の乱れ」と「腸内環境の悪化」が、実は「脳腸相関」というメカニズムを通じて、互いに密接に影響し合っていることをご理解いただけたかと思います。
どちらか一方の不調が、もう一方の不調を招き、悪循環に陥ってしまう可能性があるのです。
では、今日のポイントをまとめます。
・自律神経は、交感神経と副交感神経がバランスを取りながら、生命維持機能を自動的にコントロールしている。
・腸内には多種多様な細菌(腸内フローラ)が棲みついており、善玉菌と悪玉菌のバランスが腸内環境の良し悪しを左右する。
・自律神経と腸内環境は、「脳腸相関」というメカニズムで双方向に影響し合っており、ストレスは腸内環境を悪化させ、腸内環境の悪化は自律神経の乱れを招く。
・心身の健康を保つためには、腸内環境を整える「腸活」と、自律神経を整える「リラックス習慣」の両方に取り組む「Wケア」が重要である。
・整体や鍼灸は、体の歪みを整え、自律神経のバランスを調整し、腸の働きを活性化させることで、この「Wケア」をサポートできる。
もし、あなたが原因不明の体調不良や、繰り返すお腹の不調、気分の落ち込みなどに悩んでいるなら、それは「自律神経」と「腸内環境」の両方からのSOSサインかもしれませんね。
こころ鍼灸整骨院



