警告!間違った筋トレが「体の歪み」を悪化させる!?

東角剛司

東角剛司

テーマ:ストレッチ・運動

みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。

健康増進や体力向上、理想の体型を目指して、筋力トレーニングに励んでいる方、最近とても増えていますよね。
素晴らしいことです。

しかし、良かれと思って行っているその筋トレ、もしかしたらやり方次第では、かえって体のバランスを崩し、「体の歪み」を助長してしまっている可能性があるとしたら、どうでしょうか?

今回は、「間違った筋トレ」が体に及ぼす意外なリスクと、そうならないために気をつけるべきポイント、そして、体の専門家である私たち整体師・鍼灸師が考える「本当に体に良いトレーニング」について、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

なぜ筋トレで体が歪むの?知っておきたい3つの落とし穴

「筋肉を鍛える=体に良い」というイメージが強い筋トレですが、やり方を間違えると、以下のような落とし穴にはまってしまうことがあります。


落とし穴1:偏った筋肉ばかり鍛えていませんか?「アンバランス筋トレ」の危険性

私たちの体には、たくさんの筋肉があります。それらの筋肉は、互いに協力し合ったり、拮抗(きっこう:一方が縮むともう一方が伸びる関係)したりしながら、複雑な動きや姿勢をコントロールしています。

しかし、多くの方が筋トレをする際、「見た目に分かりやすい大きな筋肉(アウターマッスル)」や、「自分が得意な部位」ばかりを偏って鍛えてしまう傾向にあります。
例えば、男性なら胸や腕の筋肉をムキムキにしたくてベンチプレスばかり、女性ならお腹を凹ませたくて腹筋運動ばかり、といった具合です。

このように、特定の筋肉ばかりを過剰に鍛えてしまうと、どうなるでしょうか?
鍛えられた筋肉は強く収縮する力が強くなり、短縮しやすくなります。一方で、あまり鍛えられていない筋肉は相対的に弱く、伸びやすくなります。
その結果、筋肉のバランスが崩れ、骨格が引っ張られて歪んでしまうのです。

例えば、胸の筋肉(大胸筋)ばかりを鍛えすぎると、肩が前に引っ張られて「巻き肩」や「猫背」になりやすくなります。腹筋の中でも、お腹の表面にある腹直筋ばかりを鍛えすぎると、腰が丸まりやすくなることがあります。
これでは、せっかく筋トレを頑張っても、姿勢が悪くなったり、体の他の部分に負担がかかって痛みが出たりする可能性があるのです。



落とし穴2:そのフォーム、本当に正しい?「自己流フォーム」の代償

筋トレで最も重要なことの一つが、「正しいフォーム」で行うことです。
しかし、特に自宅で動画を見ながらトレーニングしている方や、ジムで自己流でマシンを使っている方の中には、残念ながら間違ったフォームで筋トレを続けてしまっているケースが少なくありません。

間違ったフォームで筋トレを行うと、

①ターゲットの筋肉に効かない: 本来鍛えたい筋肉ではなく、別の筋肉ばかりを使ってしまい、トレーニング効果が得られない。

②関節や靭帯に過度な負担がかかる: 不自然な動きや無理な負荷によって、膝や腰、肩などの関節や靭帯を痛めてしまう。

③体の歪みを助長する: 例えば、スクワットで膝が内側に入ってしまう、デッドリフトで腰が丸まってしまう、といった間違ったフォームは、骨盤や背骨の歪みをさらに悪化させる可能性があります。


「とりあえず重いものを持ち上げればいい」「回数をこなせばいい」という考えは非常に危険です。正しいフォームを理解し、意識して行うことが、効果的かつ安全な筋トレの第一歩なのです。



落とし穴3:体の「歪み」を放置したまま筋トレしていませんか?

これが、私たち整体師の視点から特に強調したいポイントです。
多くの方は、ご自身の体に元々「歪み」があることに気づかないまま、あるいは気づいていても放置したまま筋トレを始めてしまうことがあります。

例えば、

  • 骨盤が左右どちらかに傾いている
  • 背骨がS字にカーブしている(側弯症の傾向)
  • 肩の高さが左右で違う
  • O脚やX脚である

といった体の歪みがある状態で筋トレを行うと、どうなるでしょうか?

歪んだ体のまま筋肉を鍛えることになるため、その歪みをさらに固定化してしまったり、歪みによって負担がかかりやすい部分にさらに負荷をかけてしまったりする可能性があるのです。

例えるなら、傾いた柱に重い荷物をどんどん積み重ねていくようなものです。柱はさらに傾き、いつか倒れてしまうかもしれませんよね。
まずは体の歪みを整え、バランスの取れた状態にしてから筋トレを行うことが、本来の目的を達成するための近道であり、ケガの予防にも繋がるのです。

あなたの筋トレは大丈夫?危険サインをセルフチェック!

もしかしたら、あなたの筋トレも「体の歪み」を悪化させる原因になっているかもしれません。以下の項目でセルフチェックしてみましょう。

□ 特定の部位の筋トレばかりしていて、全身をバランス良く鍛えられていないと思う。

□ 筋トレのフォームが正しいか自信がない、または誰にもチェックしてもらったことがない。

□ 筋トレ中や筋トレ後に、特定の関節(膝、腰、肩など)に痛みが出ることがよくある。

□ 筋トレを始めてから、以前よりも姿勢が悪くなった気がする、または体の左右差を感じるようになった。

□ 筋肉はついたけど、体の柔軟性が低下したように感じる。

□ 整体院などで「体が歪んでいる」と指摘されたことがあるが、特に改善せずに筋トレを続けている。

□ 早く結果を出したくて、無理な重さや回数でトレーニングしてしまいがちだ。

これらの項目に複数当てはまる方は、筋トレの方法や体の状態を見直す必要があるかもしれません。

「体の歪み」を悪化させない!本当に体に良い筋トレの3つの秘訣

では、体の歪みを悪化させることなく、本当に体に良い筋トレを行うためには、どのような点に気をつければ良いのでしょうか?


秘訣1:まずは「体の歪み」を整えることから始めよう!

筋トレを始める前、あるいは筋トレと並行して、まずはご自身の体の歪みを専門家に見てもらい、整えることが非常に重要です。
整体院や整骨院で、骨盤の歪みや背骨のバランス、筋肉の硬さなどをチェックしてもらい、必要であれば矯正や調整の施術を受けましょう。
土台が整った状態で筋トレを行うことで、初めて効果的かつ安全に筋肉を鍛えることができるのです。



秘訣2:「インナーマッスル」と「アウターマッスル」をバランス良く!

筋トレというと、つい見た目に分かりやすい「アウターマッスル(体の表面にある大きな筋肉)」ばかりを鍛えがちですが、体の深層部にあって姿勢を支えたり、関節を安定させたりする「インナーマッスル」を鍛えることも非常に大切です。

インナーマッスル(腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群、横隔膜など)がしっかりと機能することで、体幹が安定し、アウターマッスルも効率よく使えるようになります。
ピラティスやヨガ、体幹トレーニングなどは、インナーマッスルを鍛えるのに効果的な運動です。
アウターマッスルとインナーマッスルをバランス良く鍛えることで、見た目だけでなく、機能的にも優れた体を作ることができます。



秘訣3:「正しいフォーム」と「適切な負荷」を常に意識!

筋トレの効果を最大限に引き出し、ケガのリスクを最小限に抑えるためには、「正しいフォーム」が何よりも重要です。
可能であれば、最初は専門のトレーナーに指導してもらい、正しいフォームを身につけることをおすすめします。動画を見る場合も、鏡で自分のフォームを確認しながら、細かいポイントまで意識して行いましょう。

また、負荷の設定も大切です。
他人と比べたり、見栄を張ったりせず、今の自分の筋力レベルに合った適切な重さや回数で行うことが、継続と成長の鍵です。きつすぎるとフォームが崩れたり、ケガの原因になったりしますし、軽すぎると十分なトレーニング効果が得られません。
少しずつ負荷を上げていく「漸進性過負荷の原則」を意識しましょう。

まとめ:正しい知識で筋トレを!歪みのない健康な体を目指そう

さて、今回は「警告!間違った筋トレが「体の歪み」を悪化させる!?」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
「筋トレ=体に良い」と信じて頑張っていたのに、実は逆効果だった…なんてことにならないように、今回の内容が少しでもお役に立てれば幸いです。
健康のための筋トレが、かえって不調の原因になってしまっては本末転倒ですよね。

では、今日のポイントをまとめます。

・間違った筋トレは、偏った筋肉の発達、不適切なフォーム、元々の体の歪みの放置などにより、かえって体の歪みを悪化させる可能性がある。

・特定の筋肉ばかりを鍛えると筋肉のバランスが崩れ、骨格が歪む原因となる。

・間違ったフォームでの筋トレは、ターゲットの筋肉に効かないだけでなく、関節を痛めたり、体の歪みを助長したりする。

・体の歪みを放置したまま筋トレを行うと、その歪みを固定化・悪化させる危険性がある。

・本当に体に良い筋トレのためには、まず体の歪みを整え、インナーマッスルとアウターマッスルをバランス良く鍛え、正しいフォームと適切な負荷を常に意識することが重要である。

もし、あなたが今、筋トレに取り組んでいて、「なんだか体に違和感があるな」「本当にこのやり方で合っているのかな?」と少しでも不安を感じたら、一度私たち専門家にご相談ください。

あなたの体の状態をチェックし、より効果的で安全なトレーニング方法についてアドバイスさせていただきます。

正しい知識と適切なケアで、歪みのない健康で美しい体を目指しましょう!

こころ鍼灸整骨院

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東角剛司
専門家

東角剛司(柔道整復師・はり師・きゅう師)

こころ鍼灸整骨院

構造医学の視点から、個々の体の動かし方に合わせて骨格を整えます。肩や腰などの慢性的な痛みに向き合い、整骨院に通わずに済む健康な体づくりをサポート。実務者向けのセミナーも開催しています。

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