子供の自律神経を守るために親ができること
みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。
「骨盤底筋(こつばんていきん)」という言葉、聞いたことはありますか?
「骨盤」はよく聞くけど、「骨盤の底の筋肉?」と、あまりピンとこない方も多いかもしれませんね。
実はこの「骨盤底筋」、私たちの健康と美容にとって、縁の下の力持ちのような、非常に重要な役割を担っている筋肉なのですが、残念ながらその大切さはあまり知られていないのが現状です。
今回は、そんな「骨盤底筋」とは一体どんな筋肉で、どんな働きをしているのか、そして、この筋肉が弱ってしまうとどんな困ったことが起こるのか、さらには骨盤底筋を鍛えるメリットや簡単なケア方法について、みなさんと一緒に学んでいきたいと思います。
「骨盤底筋」ってどこにある?どんな筋肉なの?
まずは、「骨盤底筋」がどこにあって、どんな構造をしているのかを見ていきましょう。
骨盤底筋は、その名の通り、骨盤の底の部分にハンモックのように張り巡らされている複数の筋肉や靭帯の総称です。
(参照:全国骨盤底協会 National Association for Pelvic Health https://pelvicfloor.jp/about/)
恥骨(ちこつ:おへその下の方にある骨)から尾骨(びこつ:お尻のしっぽの骨)、そして左右の坐骨(ざこつ:座った時に椅子に当たる骨)を結ぶように広がっています。
イメージとしては、骨盤という「器」の底をしっかりと支えている「フタ」や「床」のような存在で、この骨盤底筋は、いくつかの層になっていて、それぞれが協調して働いています。
主な筋肉としては、
- 肛門挙筋(こうもんきょきん)
- 尾骨筋(びこつきん)
- 深会陰横筋(しんえいんおうきん)
- 浅会陰横筋(せんえいんおうきん)
- 尿道括約筋(にょうどうかつやくきん)
- 肛門括約筋(こうもんかつやくきん)
などがあります。
これらの筋肉が連携しあって、骨盤底を形成しているのです。
骨盤底筋の3つの超重要ミッション
では、この目立たないけれど超重要な「骨盤底筋」は、私たちの体の中で一体どんな働きをしてくれているのでしょうか?主な働きは以下の3つです。
働き1:内臓を正しい位置で支える「ハンモック」!
骨盤の中には、膀胱(ぼうこう)、子宮(女性の場合)、直腸(ちょくちょう)といった大切な内臓が収まっています。
骨盤底筋は、これらの内臓が下に落ちてこないように、まるでハンモックのように下からしっかりと支えているのです。
もし骨盤底筋が弱ってしまうと、このハンモックが緩んでしまい、内臓が本来の位置よりも下に垂れ下がってしまう「内臓下垂」を引き起こす可能性があります。
内臓下垂は、ぽっこりお腹の原因になったり、便秘や頻尿といった不調に繋がったりすることもあるのです。
働き2:尿道や肛門をキュッと締める「蛇口」!
骨盤底筋群の一部には、尿道や肛門、膣(女性の場合)を取り囲むように存在する括約筋(かつやくきん:輪っか状の筋肉で、管を締めたり緩めたりする働きがあります)が含まれています。
これらの筋肉が適切に働くことで、私たちは尿や便を我慢したり、タイミングよく排出したりすることができるのです。
骨盤底筋が弱くなると、この「蛇口」を締める力が弱くなり、くしゃみや咳をした時、重いものを持った時などに思わず尿が漏れてしまう「尿もれ(尿失禁)」や、便が漏れやすくなる「便失禁」の原因となることがあります。
働き3:体幹を安定させる「土台」の一部!
骨盤底筋は、お腹の深層にある腹横筋(ふくおうきん)や背骨を支える多裂筋(たれつきん)、呼吸に関わる横隔膜(おうかくまく)といった「インナーマッスル」と連動して働いています。
これらのインナーマッスルは、体幹(体の胴体部分)を安定させ、正しい姿勢を保つために非常に重要です。
骨盤底筋がしっかりと働くことで、体幹の安定性が高まり、良い姿勢を維持しやすくなるのです。逆に、骨盤底筋が弱いと、体幹が不安定になり、姿勢が悪くなったり、腰痛の原因になったりすることもあります。
骨盤底筋が弱るとどうなる?見過ごせないSOSサイン
では、この大切な骨盤底筋が弱ってしまうと、具体的にどのような困った症状が現れるのでしょうか?
以下のようなサインが見られたら、骨盤底筋が弱っている可能性を考えてみましょう。
尿もれ(尿失禁):
くしゃみ、咳、笑った時、重いものを持った時、ジャンプした時などに、思わず尿が漏れてしまう。(腹圧性尿失禁)
急にトイレに行きたくなり、我慢できずに漏れてしまう。(切迫性尿失禁)
頻尿・残尿感:
トイレに行く回数が異常に多い、トイレに行った後もスッキリしない感じが残る。
便もれ(便失禁)・ガスもれ:
便意を我慢するのが難しかったり、知らないうちに便やガスが漏れてしまったりする。
骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤など):
子宮や膀胱、直腸といった骨盤内の臓器が、膣から体の外に出てきてしまう状態。「股の間に何か挟まっている感じがする」「ピンポン玉のようなものが触れる」といった症状が現れます。進行すると、排尿困難や排便困難、出血などを伴うこともあります。
ぽっこりお腹・下半身太り:
内臓下垂によって下腹部がぽっこりしたり、骨盤周りの筋肉のバランスが崩れて下半身が太りやすくなったりする。
腰痛・姿勢の悪化:
体幹の安定性が低下し、腰に負担がかかりやすくなったり、猫背などの悪い姿勢になったりする。
性機能の低下:
女性の場合、膣の締まりが悪くなったり、性交痛を感じたりすることがあります。男性の場合も、勃起不全(ED)などに関係する可能性が指摘されています。
これらの症状は、QOL(生活の質)を大きく低下させる可能性があります。恥ずかしがらずに、早めに専門家に相談することが大切です。
なぜ弱るの?骨盤底筋が衰える主な原因
では、なぜ骨盤底筋は弱ってしまうのでしょうか?主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。
加齢:
他の筋肉と同じように、骨盤底筋も加齢とともに筋力が低下しやすくなります。
妊娠・出産:
妊娠中は、大きくなる子宮や胎児の重みで骨盤底筋に大きな負担がかかります。また、出産時には、赤ちゃんが産道を通る際に骨盤底筋が引き伸ばされたり、傷ついたりすることがあります。これが、産後の尿もれなどの原因となることが多いのです。
肥満・体重増加:
体重が増えると、その分、骨盤底筋にかかる負担も大きくなります。
慢性的な便秘・咳:
排便時に強くいきんだり、慢性的な咳が続いたりすると、腹圧が骨盤底筋にかかり続け、負担となります。
長時間の立ち仕事や座り仕事:
同じ姿勢が長時間続くことで、骨盤周りの血行が悪くなったり、特定の筋肉に負担がかかったりして、骨盤底筋の機能低下を招くことがあります。
運動不足:
全身の筋力低下と同様に、骨盤底筋も使わなければ衰えていきます。
姿勢の悪さ:
猫背や反り腰といった悪い姿勢は、骨盤の歪みを引き起こし、骨盤底筋に余計な負担をかけることがあります。
骨盤底筋を鍛えるメリットとは?体が変わる!嬉しい変化
骨盤底筋を意識してケアし、鍛えることには、たくさんの嬉しいメリットがあります。
尿もれ・頻尿の改善・予防:
括約筋の機能が高まり、尿をコントロールする力が向上します。
便秘の改善:
腹圧をかけやすくなり、スムーズな排便をサポートします。
ぽっこりお腹の解消・姿勢改善:
内臓が正しい位置に戻り、体幹が安定することで、スッキリとしたお腹周りと美しい姿勢に繋がります。
腰痛の軽減:
体幹の安定性が向上し、腰への負担が軽減されます。
婦人科系トラブルの改善:
骨盤内の血行が促進され、生理痛や生理不順の緩和が期待できる場合があります。
産後の回復サポート:
出産でダメージを受けた骨盤底筋の回復を早め、産後の尿もれや体型崩れの改善に役立ちます。
性機能の向上:
膣の締まりが良くなったり、血行が改善されたりすることで、性生活の満足度向上に繋がる可能性があります。
骨盤底筋を鍛えることは、見た目の美しさだけでなく、QOL(生活の質)を大きく向上させることにも繋がるのです。
今日からできる!骨盤底筋トレーニングの基本
「じゃあ、どうやって骨盤底筋を鍛えればいいの?」と思いますよね。
骨盤底筋トレーニングは、「ケーゲル体操」とも呼ばれ、自宅でも簡単に行うことができます。
ただし、正しい方法で行わないと効果が出にくいだけでなく、かえって体を痛めてしまう可能性もあるので注意が必要です。
基本的なやり方は、
①リラックスした姿勢をとる: 仰向けに寝て膝を立てる、椅子に座るなど、自分がリラックスできる姿勢で行います。
②骨盤底筋を意識する: 「おしっこを我慢する時」や「おならを我慢する時」のようなイメージで、膣や肛門、尿道をキュッと締める感覚を掴みます。お腹やお尻、太ももの筋肉に余計な力が入らないように注意しましょう。
③締める・緩めるを繰り返す: 数秒間締めたら、ゆっくりと力を抜いて緩めます。これを数回繰り返します。
言葉で説明するのはなかなか難しいのですが、最初は「どこに力を入れたらいいのか分からない」という方も多いです。
無理のない範囲で、まずは「意識する」ことから始めてみましょう。
より効果的に、そして安全にトレーニングを行いたい場合は、一度、私たちのような専門家にご相談いただくことをおすすめします。
正しい筋肉の使い方ができているかを確認し、個々の状態に合わせたトレーニング方法を指導させていただきます。
まとめ:見えないけれど超重要!骨盤底筋ケアで快適な毎日を
さて、今回は「9割が知らない「骨盤底筋」の重要性!」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
「骨盤底筋って、そんなに大切な筋肉だったんだ!」と、その重要性に気づいていただけたなら嬉しいです。
私たちの体の土台を支え、様々な機能に関わる骨盤底筋は、まさに「縁の下の力持ち」。意識してケアすることで、多くの悩みが解決するかもしれません。
では、今日のポイントをまとめます。
・骨盤底筋は、骨盤の底にハンモックのように広がる筋肉群で、内臓を支え、排泄をコントロールし、体幹を安定させる重要な役割を担っている。
・骨盤底筋が弱ると、尿もれ、頻尿、便もれ、骨盤臓器脱、ぽっこりお腹、腰痛、姿勢悪化、性機能低下など、様々な不調を引き起こす可能性がある。
・骨盤底筋が弱る主な原因は、加齢、妊娠・出産、肥満、慢性的な便秘や咳、運動不足、悪い姿勢などである。
・骨盤底筋を鍛えることで、尿もれ改善、便秘解消、ぽっこりお腹解消、姿勢改善、腰痛軽減、婦人科系トラブル改善、産後の回復サポート、性機能向上などのメリットが期待できる。
・骨盤底筋トレーニングは自宅でも可能だが、正しい方法で行うことが重要であり、専門家のアドバイスを受けるのが望ましい。
もし、あなたが尿もれやぽっこりお腹、原因不明の腰痛など、「もしかして骨盤底筋が弱っているのかも?」と感じるようなお悩みをお持ちでしたら、一人で悩まず、ぜひ私たち専門家にご相談ください。
こころ鍼灸整骨院



