膝の痛みにサヨナラ!構造医学が解き明かす「根本原因」

東角剛司

東角剛司

テーマ:身体の痛み・不調

みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。

「階段の上り下りで膝がズキッとする…」

そんな膝の痛みは、日常生活の様々な場面で不便を感じやすく、生活の質(QOL)を大きく下げてしまう原因にもなります。

多くの方は、膝が痛むと「膝の使いすぎかな?」「歳のせいかな?」と考え、湿布を貼ったり、サポーターをしたり、安静にしたりといった対処をされるかもしれません。

しかし、実はその膝の痛み、原因は「膝そのもの」だけにあるとは限らないのです。
もしかしたら、膝から離れた場所にある「体の歪み」が、巡り巡って膝に負担をかけ、痛みを引き起こしている可能性があるのです。

今回は、そんな「膝の痛み」の知られざる根本原因を、私が専門とする「構造医学」という視点から解き明かし、痛みにサヨナラするためのヒントをみなさんと一緒に探っていきたいと思います。

なぜ膝が痛むの?一般的な原因をおさらい

まず、一般的に膝の痛みの原因として考えられているものを確認しておきましょう。


加齢による変形性膝関節症:
最も代表的な原因の一つです。加齢とともに膝関節の軟骨(骨と骨の間のクッション材)がすり減ったり、骨が変形したりして炎症や痛みが起こります。特に中高年以降の方に多く見られます。


スポーツや事故によるケガ(外傷):
スポーツ中のジャンプや着地、急な方向転換、あるいは交通事故などで、膝の靭帯(骨と骨をつなぐ強靭な組織)や半月板(膝関節の内側と外側にあるクッション材)を損傷し、痛みや不安定感が生じることがあります。代表的なものに、前十字靭帯損傷や半月板損傷などがあります。


使いすぎ(オーバーユース)による炎症:
ランニングやジャンプ動作などを繰り返すことで、膝の腱(筋肉と骨をつなぐ組織)やその周りの組織に炎症が起こることがあります。いわゆる「ランナー膝(腸脛靭帯炎)」や「ジャンパー膝(膝蓋腱炎)」などがこれにあたります。


関節リウマチなどの病気:
関節リウマチは、免疫の異常によって関節に炎症が起こり、痛みや腫れ、変形などを引き起こす病気です。膝関節にも症状が現れることがあります。


これらの原因は、確かに膝の痛みを引き起こす直接的な要因です。
しかし、同じようにスポーツをしていても、同じように年齢を重ねていても、膝が痛くなる人とならない人がいるのはなぜでしょうか?

そこに、「構造医学」的な視点が関わってくるのです。

構造医学って何?膝の痛みを「体全体のバランス」から考える

「構造医学」と聞いても、あまり馴染みがないかもしれませんね。

簡単に言うと、構造医学とは、人間の体を「建物」のように捉え、その構造(骨格、筋肉、関節など)のバランスが崩れることで、様々な不調や痛みが生じると考える医学です。

例えば、家も基礎が傾いていたり、柱が歪んでいたりすると、壁にひびが入ったり、ドアの開閉が悪くなったりしますよね?
体も同じで、どこか一箇所に歪みが生じると、その影響が他の部分にも波及し、負担がかかってしまうのです。

膝の痛みに関しても、この「構造医学」的な視点から見ると、膝そのものだけでなく、膝を取り巻く関節(足首や股関節)や、体の土台である「骨盤」、さらには柱である「背骨」の歪みが、巡り巡って膝に過剰なストレスをかけているケースが非常に多いのです。

膝の痛みの「隠れた犯人」!?構造医学が指摘する根本原因

では、具体的にどのような体の歪みが、膝の痛みを引き起こす「隠れた犯人」となり得るのでしょうか?構造医学的な視点から、代表的なものをいくつかご紹介します。

1.体の土台「骨盤の歪み」が膝への負担を増大させる!

骨盤は、上半身と下半身をつなぐ体の中心であり、歩行や姿勢保持において非常に重要な役割を担っています。

この骨盤が、

①前後に傾く(前傾・後傾): 例えば、骨盤が前に傾きすぎると「反り腰」になりやすく、太ももの前側の筋肉が過剰に緊張し、膝のお皿(膝蓋骨)周りに負担がかかりやすくなります。逆に、骨盤が後ろに傾くと「猫背」になりやすく、膝が曲がったような姿勢になり、膝関節全体に負担がかかります。

②左右に傾く: 左右の足の長さが違って見えたり、片方の腰だけが高くなったりします。これにより、体重のかかり方が左右でアンバランスになり、どちらか一方の膝に過剰な負担がかかり、痛みを引き起こすことがあります。

③ねじれる: 骨盤がねじれると、股関節や膝関節もそれに伴ってねじれが生じやすくなり、膝の靭帯や半月板にストレスがかかることがあります。


骨盤の歪みは、膝関節の動きを不自然にし、特定の場所に負担を集中させてしまうため、膝痛の大きな原因となり得るのです。



2.意外な盲点!「足首の硬さ・歪み」が膝を苦しめる!

「膝が痛いのに、足首?」と思うかもしれませんが、足首は膝と股関節と連動して動く、非常に重要な関節です。

足首の柔軟性の低下(硬さ):
足首が硬いと、歩いたりしゃがんだりする際に、地面からの衝撃をうまく吸収・分散できなくなります。その結果、吸収しきれなかった衝撃が、上の関節である膝に直接伝わり、負担をかけてしまうのです。
例えば、スキーブーツのように足首が固定された状態で無理な動きをすると膝を痛めやすいのと同じ原理です。


足首の歪み(内反・外反):
足首が内側に倒れやすい「内反足(ないはんそく)」や、外側に倒れやすい「外反足(がいはんそく)」、あるいは土踏まずが潰れてしまう「扁平足(へんぺいそく)」などがあると、立っている時や歩いている時の体重のかかり方が偏ってしまいます。
これがO脚やX脚の原因の一つとなり、膝の内側や外側に不自然なストレスがかかり、痛みを引き起こすことがあります。



3.連鎖の始まり?「股関節の硬さ・機能不全」が膝に影響!

股関節は、体の中で最も大きな関節であり、歩行や体重支持において中心的な役割を果たしています。

股関節の柔軟性の低下(硬さ):
股関節が硬いと、足を前に出したり、横に開いたりといった動きがスムーズにできなくなります。その動きを補うために、膝関節が本来の動き以上に無理に動かされたり、ねじられたりして、負担がかかってしまうのです。


股関節周りの筋力低下:
お尻の筋肉(大殿筋、中殿筋など)は、股関節を安定させ、正しい歩行をサポートする重要な筋肉です。これらの筋力が低下すると、歩行時に体が左右にぶれやすくなり、膝関節に横方向のストレスがかかり、痛みの原因となることがあります。



このように、膝の痛みは、「膝だけの問題」ではなく、「骨盤」「足首」「股関節」といった、体全体の構造的なバランスの乱れが複雑に絡み合って生じていることが多いのです。

あなたは大丈夫?膝痛リスクを高める「体の歪み」セルフチェック!

ご自身の体に、膝痛のリスクを高めるような歪みが隠れていないか、簡単なセルフチェックで確認してみましょう。

□ まっすぐ立った時、左右の肩の高さや腰の高さが違う気がする。

□ 靴の裏の減り方が左右で違う、または外側(内側)だけが極端に減る。

□ 椅子に座ると、無意識に足を組んでしまうことが多い。

□ O脚またはX脚であると自覚している、または指摘されたことがある。

□ しゃがみ込む動作(和式トイレのような姿勢)がスムーズにできない、または踵が浮いてしまう。

□ 片足立ちでフラフラしやすい。

□ 長時間歩くと、膝だけでなく股関節や足首も痛くなることがある。

□ 過去に足首を捻挫したことがある、または足首が硬いと感じる。

これらの項目に複数当てはまる方は、膝の痛みの根本原因が、膝以外の体の歪みにある可能性が考えられます。

構造医学的アプローチで膝の痛みにサヨナラ!

では、私たち整体師・鍼灸師は、構造医学的な視点から、膝の痛みに対してどのようなアプローチをしていくのでしょうか?

全身の歪みを徹底的にチェック:
まず、膝の状態だけでなく、足首、股関節、骨盤、背骨といった全身の骨格の歪みや、筋肉のバランス、関節の可動域などを詳細に検査します。そして、膝の痛みの根本原因がどこにあるのかを特定していきます。


骨盤矯正・背骨矯正:
体の土台である骨盤や、柱である背骨の歪みを、一人ひとりの状態に合わせた優しい手技で調整します。これにより、体全体のバランスが整い、膝にかかる不自然な負担を軽減します。


足首・股関節の調整:
硬くなっている足首や股関節の柔軟性を取り戻し、正しい動きができるように調整します。これにより、歩行時の衝撃吸収能力を高め、膝への負担を分散させます。


筋肉のバランス調整と筋力強化指導:
硬く緊張している筋肉を緩め、逆に弱っている筋肉(特にお尻周りや太ももの内側の筋肉など)を活性化させるための施術や、ご自宅でできる簡単なエクササイズを指導します。これにより、膝関節を安定させ、正しい動きをサポートします。


歩行指導・生活習慣アドバイス:
正しい歩き方や、膝に負担をかけない日常生活の動作(階段の上り下り、物の持ち方など)についてアドバイスします。これにより、痛みの再発を防ぎ、良い状態を維持できるようにサポートします。


私たちは、単に膝の痛みを和らげるだけでなく、その痛みを引き起こしている「根本原因」にアプローチし、体全体のバランスを整えることで、痛みの出にくい体づくりを目指します。

まとめ:膝の痛みは体からのSOS!根本原因を見つけて快適な毎日を

さて、今回は「膝の痛みにサヨナラ!構造医学が解き明かす「根本原因」」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
「膝が痛いのは、年のせいだと諦めていたけど、もしかしたら他の原因があるのかもしれない」と感じた方もいるかもしれませんね。
膝の痛みは、我慢していても良くなることは少なく、むしろ悪化させてしまうこともあります。

では、今日のポイントをまとめます。

・膝の痛みの原因は、加齢やケガ、使いすぎだけでなく、「骨盤の歪み」「足首の硬さ・歪み」「股関節の硬さ・機能不全」といった、体全体の構造的なバランスの乱れが大きく関わっている。

・構造医学では、人間の体を「建物」のように捉え、構造のバランスが崩れることで様々な不調が生じると考える。

・骨盤の歪みは膝関節の動きを不自然にし、特定の場所に負担を集中させる。

・足首の硬さや歪みは、衝撃吸収能力を低下させ、膝に直接的な負担をかける。

・股関節の硬さや機能不全は、膝関節に無理な動きを強いたり、ねじれを生じさせたりする。

・整体では、全身の歪みをチェックし、骨盤・背骨・足首・股関節などを調整し、筋肉バランスを整え、生活習慣のアドバイスを行うことで、膝の痛みの根本原因にアプローチする。

もし、あなたが長引く膝の痛みに悩んでいるなら、一度、構造医学的な視点を持つ専門家にご相談してみてはいかがでしょうか。

あなたの膝の痛みの「隠れた犯人」を見つけ出し、根本からの改善を目指すお手伝いをさせていただきます。

痛みのない快適な毎日を取り戻し、好きなことを思いっきり楽しめるように、一緒に頑張りましょう!

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こころ鍼灸整骨院

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東角剛司
専門家

東角剛司(柔道整復師・はり師・きゅう師)

こころ鍼灸整骨院

構造医学の視点から、個々の体の動かし方に合わせて骨格を整えます。肩や腰などの慢性的な痛みに向き合い、整骨院に通わずに済む健康な体づくりをサポート。実務者向けのセミナーも開催しています。

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