老化を加速させる「〇〇」不足についてプロが解説!
みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。
電車の中でも、歩きながらでも、カフェでも、そして寝る前の布団の中でも…
気づけば、私たちの手にはいつもスマートフォンがありますよね。
情報収集、コミュニケーション、エンターテイメントと、現代生活に欠かせない便利なツールであるスマートフォンですが、その使い方によっては、私たちの体に深刻な影響を与えているかもしれないということを、ご存知でしょうか?
特に最近、問題視されているのが「スマホ首」です。
「スマホ首って、ただの肩こりみたいなものでしょ?」
もし、そう思っているとしたら、それは大きな間違いかもしれません。
実はこの「スマホ首」、年齢や性別に関わらず誰にでも起こりうる問題であり、放置しておくと首や肩のこりだけでなく、頭痛、めまい、手のしびれ、さらには自律神経の乱れといった、様々な不調を引き起こす可能性があるのです。
今回は、そんな現代病とも言える「スマホ首」について、その原因や危険性、そして今日からすぐに実践できる対策について、詳しくお話ししていきたいと思います。
あなたの首は大丈夫?「スマホ首」とは一体どんな状態?
まず、「スマホ首」とは具体的にどのような状態を指すのでしょうか?
私たちの首の骨(頸椎:けいつい)は、通常、横から見ると緩やかな「前カーブ(前弯:ぜんわん)」を描いています。
このカーブは重たい頭を支え、衝撃を吸収するための、いわば「天然のクッション」のような役割を果たしています。
ところが、スマートフォンを操作する際、多くの方が頭を前に突き出し、下を向くような姿勢になりがちですよ。
このうつむきの姿勢が長時間続くと、首の自然な前カーブが失われ、首の骨がまっすぐになってしまう、あるいは場合によっては後ろにカーブ(後弯:こうわん)してしまうことがあります。
この状態が、いわゆる「スマホ首」であり、医学的には「ストレートネック」と呼ばれる状態の一つと考えられています。
頭が前に傾く角度が大きくなればなるほど、首にかかる負担は急増します。
例えば、首の傾きが15度で約12kg、30度で約18kg、そして60度にもなると、なんと約27kgもの負荷が首にかかると言われています。
これは、小学校低学年の子供を首の上に乗せているのと同じくらいの重さです。
想像してみてください。
毎日何時間も、そんな重たいものを首だけで支え続けていたら…首や肩周りの筋肉は悲鳴を上げてしまいますよね。
なぜ「スマホ首」になるの?主な原因はやっぱりアレ!
「スマホ首」になってしまう最大の原因は、もうお分かりの通り、「スマートフォンの不適切な使用習慣」にあります。
長時間のうつむき姿勢:
最も大きな原因は、やはり画面を見るために長時間うつむいた姿勢を取り続けることです。
SNSのチェック、動画視聴、ゲーム、メッセージのやり取りなど、夢中になっていると、あっという間に時間が過ぎ、その間ずっと首に負担がかかり続けています。
画面と目の距離が近すぎる:
小さな画面を凝視しようとして、無意識のうちに顔を画面に近づけすぎていると、自然と頭が前に出て、首がまっすぐになりやすくなります。
悪い姿勢での操作:
ソファに寝転がってスマホを見たり、猫背のまま操作したりするのも、首にとっては良くありません。
リラックスしているつもりでも、首には大きな負担がかかっているのです。
片手での操作:
スマートフォンを片手で持ち、もう片方の手で操作する際、どうしても体がねじれたり、首が傾いたりしやすくなります。このアンバランスな姿勢も、スマホ首を助長する一因となります。
もちろん、スマートフォンだけでなく、パソコン作業や読書、細かい手作業など、長時間うつむき姿勢を強いる他の要因も、スマホ首(ストレートネック)を引き起こす可能性があります。
現代の生活スタイルそのものが、スマホ首を生み出しやすい環境にあると言えるかもしれませんね。
「たかがスマホ首」と侮れない!放置が招く様々な不調
スマホ首を放置しておくと、様々な体の不調を引き起こす可能性があります。
1.慢性的な首こり・肩こり・背中の痛み:
これは最も代表的で、多くの方が最初に感じる症状でしょう。
首のカーブが失われることで、頭の重みを直接支えなければならなくなるため、首や肩、背中にかけての筋肉が常に緊張し、血行不良を起こし、頑固なこりや痛みが生じます。
2.頭痛・めまい・吐き気:
首周りの筋肉の過度な緊張は、頭部への血流を悪化させたり、首の骨の近くを通る神経を圧迫したりすることがあります。
これにより、ズキズキとした緊張型頭痛や、ふわふわとしためまい、時には吐き気といった症状が現れることがあります。
3.手のしびれ・腕のだるさ・握力低下:
首の骨の間からは、腕や手につながる神経が出ています。スマホ首によって首の骨の並びが悪くなったり、周囲の筋肉が硬くなったりすると、これらの神経が圧迫され、腕や指先にしびれが出たり、腕がだるく感じたり、握力が低下したりすることがあります。
ひどくなると、日常生活にも支障をきたすことも。
4.自律神経の乱れによる不調:
首の骨の周りには、自律神経(体の機能を自動的に調整する神経)の重要な通り道があります。
スマホ首によって首周りの環境が悪くなると、自律神経のバランスが乱れやすくなり、原因不明の倦怠感、不眠、動悸、胃腸の不調、イライラ、集中力低下など、全身に様々な不調が現れる可能性があります。
5.呼吸が浅くなる・息苦しさ:
頭が前に突き出た姿勢は、胸郭(胸の骨格)の動きを制限し、呼吸を浅くしてしまうことがあります。
これにより、体内に取り込まれる酸素量が減少し、慢性的な疲労感や集中力の低下、さらには息苦しさを感じることもあります。
6.眼精疲労・ドライアイ:
長時間小さな画面を凝視することで、目の筋肉が疲弊し、眼精疲労やドライアイを引き起こしやすくなります。
これがさらに頭痛や肩こりを悪化させるという悪循環に陥ることも。
7.見た目の問題(二重アゴ・老け顔):
頭が前に突き出た姿勢は、アゴのラインがたるんで二重アゴになりやすくなったり、実年齢よりも老けて見えたりするなど、美容面でもマイナスな影響があります。
これらの症状は、一つ一つは些細なものに感じるかもしれませんが、積み重なるとQOL(生活の質)を大きく低下させてしまいます。
あなたは大丈夫?簡単「スマホ首」セルフチェック
ご自身が「スマホ首」の傾向があるかどうか、簡単なセルフチェックで確認してみましょう。
壁を背にして、かかと、お尻、肩甲骨(背中)を壁につけて、自然に立ちます。
この時、後頭部が自然に壁についていますか?
正常な状態の目安: 後頭部が自然に壁につく、または軽く触れる程度。
スマホ首(ストレートネック)の疑いあり: 後頭部が壁から離れてしまう。無理につけようとするとアゴが上がって苦しい。
もし後頭部が壁から離れている場合、指で測ってみて、壁との間に指が2~3本以上入るようであれば、スマホ首の可能性が高いと考えられます。
その他、以下の項目もチェックしてみましょう。
□ スマートフォンを見ている時、無意識に猫背になっている。
□ 首を後ろに反らすと、痛みや詰まりを感じる。
□ 上を向くのがつらい、または向けない。
□ 枕の高さが合わないと感じることが多い。
□ 慢性的な肩こりや頭痛がある。
これらのチェックで思い当たる節がある方は、早めの対策が必要です。
今日から実践!「スマホ首」にならないための簡単対策
「スマホ首」は、日々のちょっとした心がけで予防したり、症状を軽減したりすることが期待できます。今日からできる簡単な対策をご紹介します。
1.スマートフォンの持ち方・見る位置を変える:
最も重要なのは、スマートフォンを目線の高さまで上げて操作することです。
画面を覗き込むように下を向くのではなく、スマートフォンの方を顔の高さに持ってくるイメージです。両手で持つようにすると、安定して高さも保ちやすくなります。
2.長時間の連続使用を避ける:
15分~30分に一度は休憩を挟み、遠くの景色を見たり、首や肩を軽く動かしたりするようにしましょう。
スマートフォンの使いすぎ防止アプリなどを活用するのも良いかもしれません。
3.正しい姿勢を意識する:
スマートフォンを使う時だけでなく、普段から正しい姿勢を心がけましょう。
立っている時も座っている時も、耳・肩・股関節が一直線になるように、背筋を軽く伸ばし、アゴを少し引くことを意識します。
4.首と肩周りのストレッチを習慣にする:
こまめに首や肩周りの筋肉をほぐすストレッチを行いましょう。
- 首をゆっくり前後左右に倒す。
- 首をゆっくり回す(痛みがある場合は無理しない)。
- 肩をすくめてストンと落とす。
- 肩甲骨を寄せるように胸を張る。
これらのストレッチは、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進するのに効果的です。
5.適度な運動で筋力をつける:
首や肩を支える筋肉(特に首の後ろや背中の筋肉)を鍛えることは、スマホ首の予防・改善に繋がります。ウォーキングや水泳なども良いでしょう。
6.睡眠環境を見直す:
高すぎる枕や柔らかすぎる枕は避け、首の自然なカーブをサポートしてくれるものを選びましょう。寝る直前までのスマートフォン操作も控えたいですね。
まとめ:「スマホ首」対策は現代人の必須スキル!意識して首を守ろう
さて、今回は「「スマホ首」が急増中!今すぐできる対策とは?」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
便利なスマートフォンとの付き合い方が、いかに私たちの首、そして全身の健康に影響を与えるかをご理解いただけたかと思います。
では、本日のポイントをまとめます。
・スマホ首(ストレートネック)とは、長時間のうつむき姿勢により首の自然なカーブが失われた状態である。
・放置すると、首肩こり、頭痛、めまい、手のしびれ、自律神経の乱れ、呼吸の浅さなど様々な不調を引き起こす。
・主な原因は、スマートフォンの不適切な使用習慣(長時間のうつむき、画面との距離、悪い姿勢)である。
・セルフチェックでスマホ首の傾向を確認し、気になる場合は専門家に相談することが推奨される。
・対策として、スマホを目線の高さで操作する、連続使用を避ける、正しい姿勢を意識する、首肩ストレッチ、適度な運動、適切な枕選びが重要である。
「スマホ首」は、もはや他人事ではありません。現代社会を生きる私たちにとって、その対策は必須の知識・スキルと言えるでしょう。
今日から、ほんの少しスマートフォンの使い方や姿勢を意識するだけで、未来のあなたの首と健康を守ることができますよ。
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