ゴルフ肘を予防&改善!【プロも実践】簡単ストレッチ法
みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。
「お尻から太ももの裏、ふくらはぎにかけて、ピリピリ、ジンジンとした痛みが走る…」
「足がしびれて、長く座っていられないし、歩くのもつらい…」
そんな風に、足の特定のラインに沿って現れる痛みやしびれにお悩みの方、いらっしゃいませんか?
その症状、もしかしたら「坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)」かもしれません。
坐骨神経痛は、実は病名ではなく、様々な原因によって「坐骨神経」という神経が圧迫されたり、刺激されたりすることで起こる症状の総称です。
今回は、このつらい坐骨神経痛の症状を和らげるために、ご自宅でもできる効果的なストレッチについて、詳しく解説していきたいと思います。
そもそも「坐骨神経痛」ってどんな状態?原因は?
まず、「坐骨神経」とは、私たちの体の中で最も太くて長い末梢神経で、腰からお尻を通り、太ももの後ろ側、ふくらはぎ、そして足先まで伸びています。
ボールペンの芯くらいの太さがあるんですよ。
この坐骨神経が何らかの原因で圧迫されたり、刺激を受けたりすると、その神経の通り道に沿って、
- お尻の痛み
- 太ももの裏側や外側の痛み、しびれ
- ふくらはぎの痛み、しびれ、張り
- 足先の痛み、しびれ、感覚の鈍さ
- 足に力が入らない、歩きにくい
といった様々な症状が現れます。
これが「坐骨神経痛」です。
では、坐骨神経痛を引き起こす主な原因には、どのようなものがあるのでしょうか?
腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア
背骨のクッションである椎間板の中身が飛び出して、坐骨神経の根元を圧迫する病気です。
比較的若い世代(20代~40代)に多く見られます。
前かがみになったり、重いものを持ったりすると症状が悪化しやすいのが特徴です。
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
加齢などにより、背骨の中の神経の通り道(脊柱管)が狭くなり、神経が圧迫される病気です。中高年以降の方に多く見られます。
少し歩くと足に痛みやしびれが出て、休むとまた歩けるようになる「間歇性跛行(かんけつせいはこう)」という症状が特徴的です。
梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)
お尻の奥にある「梨状筋」という筋肉が硬くなったり、緊張したりすることで、その下を通る坐骨神経が圧迫されて起こります。
長時間座っていると症状が悪化しやすく、お尻の特定の場所を押すと痛みを感じる(圧痛)ことがあります。
変形性腰椎症(へんけいせいようついしょう)
加齢により腰椎が変形し、骨のトゲ(骨棘)などができて神経を刺激することで起こります。
その他
まれに、脊椎や骨盤の腫瘍、感染症、あるいは妊娠中の体の変化などが原因となることもあります。
このように、坐骨神経痛の原因は多岐にわたります。自己判断せずに、まずは医療機関で正確な診断を受けることが大切です。
なぜストレッチが坐骨神経痛に効果的なの?
坐骨神経痛の症状を和らげるために、ストレッチが有効な場合があります。それはなぜでしょうか?
1.筋肉の緊張を和らげ、神経への圧迫を軽減する
坐骨神経の周りには、たくさんの筋肉があります。
これらの筋肉が硬く緊張してしまうと、坐骨神経を直接圧迫したり、神経の通り道を狭めたりして、痛みやしびれを引き起こすことがあります。
ストレッチによって、これらの筋肉の柔軟性を取り戻し、緊張を和らげることで、神経への圧迫が軽減され、症状の緩和が期待できるのです。
特に梨状筋症候群の場合は、梨状筋のストレッチが非常に効果的です。
2.血行を促進し、痛みの物質を排出する
筋肉が硬くなると、その部分の血行も悪くなりがちです。血行が悪くなると、疲労物質や痛みを引き起こす物質が溜まりやすくなります。
ストレッチは、筋肉を動かすことで血行を促進し、これらの不要な物質の排出を助け、新鮮な酸素や栄養を届けることで、痛みの軽減や組織の修復をサポートします。
3.関節の可動域を改善し、体のバランスを整える
坐骨神経痛の方は、痛みをかばうために不自然な姿勢や動きになりがちで、股関節や骨盤周りの関節の動きが悪くなっていることがあります。
ストレッチによって、これらの関節の可動域を広げ、体のバランスを整えることで、坐骨神経への負担を軽減する効果も期待できます。
ただし、全ての坐骨神経痛にストレッチが有効というわけではありません。
例えば、炎症が非常に強い急性期や、神経の圧迫が重度な場合などは、ストレッチによって症状が悪化する可能性もあります。
必ず、医師や私たちのような専門家のアドバイスを受け、ご自身の状態に合ったストレッチを、正しい方法で行うことが大切です。
坐骨神経痛のつらさを和らげる!効果的なストレッチ5選
それでは、坐骨神経痛の症状緩和に効果が期待できるストレッチを5つご紹介します。無理のない範囲で、ゆっくりと行ってみてくださいね。
1.お尻の奥を伸ばす!「梨状筋ストレッチ(仰向け)」
梨状筋症候群が原因の坐骨神経痛に特に効果的です。
仰向けに寝て、両膝を立てます。
痛む方の足首を、反対側の膝の上に乗せます。(例えば、右足が痛むなら、右足首を左膝の上に乗せます)
両手で、痛くない方の太ももの裏側(この例では左太もも)を抱え込みます。
息をゆっくり吐きながら、抱えた太ももを胸の方へゆっくりと引き寄せます。この時、痛む方のお尻(右お尻)の筋肉が伸びているのを感じましょう。
心地よく伸びているところで20~30秒キープします。
ゆっくりと元に戻し、必要であれば数回繰り返します。
ポイント:腰が浮かないように注意し、お尻の奥がじんわりと伸びるのを感じるのが大切です。
2.太ももの裏側を柔軟に!「ハムストリングスストレッチ(タオル使用)」
太ももの裏側にあるハムストリングスが硬いと、骨盤が後ろに傾きやすくなり、坐骨神経に影響が出ることがあります。
仰向けに寝て、片方の膝を立てます。
伸ばしたい方の足の裏にタオルをかけ、両手でタオルの両端を持ちます。
息をゆっくり吐きながら、タオルを使って足をゆっくりと天井方向へ上げていきます。膝は軽く曲がっていても構いません。
太ももの裏側が心地よく伸びているのを感じながら、20~30秒キープします。
ゆっくりと足を下ろし、反対側も同様に行います。
ポイント:腰が反らないように注意し、膝を無理に伸ばしすぎないようにしましょう。
3.お尻の横側をターゲット!「中殿筋ストレッチ(椅子使用)」
お尻の横側にある中殿筋も、坐骨神経と関わりが深い筋肉です。
椅子に浅めに座り、背筋を軽く伸ばします。
伸ばしたい方の足首を、反対側の膝の上に乗せます。(足を組むような形です)
息をゆっくり吐きながら、背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと体を前に倒していきます。
乗せている足のお尻の横側が伸びているのを感じながら、20~30秒キープします。
ゆっくりと体を起こし、反対側も同様に行います。
ポイント:背中が丸まらないように、股関節から体を前に倒すイメージで行いましょう。
4.腰と背中を丸めてリラックス!「腰まるめストレッチ(抱え込み)」
腰椎周りの緊張を和らげ、リラックス効果も期待できます。
仰向けに寝て、両膝を曲げます。
息をゆっくり吐きながら、両膝を両手で抱え込み、胸の方へゆっくりと引き寄せます。
腰や背中が心地よく丸まっているのを感じながら、20~30秒キープします。
ゆっくりと元に戻します。
ポイント:首や肩に力が入らないようにリラックスし、呼吸を止めないようにしましょう。
5.股関節周りを柔軟に!「股関節内旋・外旋ストレッチ」
股関節の動きが悪いと、骨盤や腰に負担がかかりやすくなります。
仰向けに寝て、両膝を立て、足は肩幅程度に開きます。両腕は体の横に置きます。
息をゆっくり吐きながら、両膝を揃えたまま、ゆっくりと右側に倒していきます。顔は左側を向くと、よりストレッチ効果が高まります。
腰や股関節周りが心地よく伸びているのを感じながら、20~30秒キープします。
ゆっくりと膝を元の位置に戻し、今度は左側に倒します。顔は右側を向きます。
左右交互に数回繰り返しましょう。
ポイント:肩が床から浮かないように注意し、無理のない範囲で膝を倒しましょう。
これらのストレッチを行う際は、必ず「痛気持ちいい」範囲で行い、痛みが増すような場合はすぐに中止してくださいね。
ストレッチを行う際の重要な注意点!これだけは守って!
坐骨神経痛のストレッチは、正しく行えば効果が期待できますが、やり方を間違えると症状を悪化させてしまう可能性もあります。以下の注意点を必ず守りましょう。
1.痛みが強い急性期は避ける
発症直後で炎症が強く、動かすのもつらいような急性期には、無理にストレッチを行うべきではありません。
まずは安静にし、炎症が落ち着いてから、専門家のアドバイスのもとで始めるようにしましょう。
2.「痛い=効いている」ではない!
ストレッチ中に強い痛みを感じる場合は、神経や筋肉を傷めている可能性があるので、すぐに中止してください。
「痛みを我慢すれば早く治る」というのは大きな間違いです。
3.反動をつけず、ゆっくりと行う
勢いをつけたり、反動を使ったりして筋肉を伸ばそうとすると、筋肉が防御反応で逆に硬くなったり、組織を傷つけたりすることがあります。
ゆっくりと、じわーっと伸ばすイメージで行いましょう。
4.呼吸を止めない
ストレッチ中は、自然な呼吸を続けることが大切です。
特に、筋肉を伸ばす際には、ゆっくりと息を吐き出すと、筋肉が緩みやすくなります。
5.毎日少しずつでも継続する
ストレッチの効果は、一度行っただけですぐに現れるものではありません。
毎日少しずつでも良いので、根気強く続けることが大切です。
6.症状が悪化したらすぐに中止し、専門家に相談する
ストレッチを行った後に、痛みやしびれが悪化するような場合は、そのストレッチが合っていないか、やり方が間違っている可能性があります。
すぐに中止し、医師や私たちのような専門家に相談してください。
ストレッチ以外のセルフケアも大切!日常生活でできること
坐骨神経痛の改善と再発予防のためには、ストレッチだけでなく、日常生活での工夫も大切です。
1.正しい姿勢を心がける:
長時間同じ姿勢を避け、特に座っている時は、骨盤を立てて背筋を伸ばすように意識しましょう。
2.体を冷やさない:
体が冷えると血行が悪くなり、筋肉も硬くなって症状が悪化しやすくなります。お風呂で温まったり、服装を工夫したりして、体を冷やさないようにしましょう。
3.適度な運動を取り入れる:
痛みが落ち着いてきたら、ウォーキングなど、腰に負担の少ない運動から始めてみましょう。筋力を維持し、血行を促進するのに役立ちます。
4.重いものを持つ時は注意する:
床にある物を持ち上げる時は、必ず膝を曲げ、腰を落としてから持ち上げるようにしましょう。
5.体重管理:
体重が増えると、腰や坐骨神経への負担も増加します。バランスの取れた食事を心がけ、適正体重を維持しましょう。
まとめ:坐骨神経痛のつらい症状、ストレッチで緩和への一歩を!
さて、今回は「坐骨神経痛のつらい痺れ…効果的なストレッチは〇〇だった!」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
坐骨神経痛の原因は様々ですが、適切なストレッチを行うことで、つらい症状の緩和が期待できることをご理解いただけたかと思います。
では、本日のポイントをまとめます。
・坐骨神経痛は、坐骨神経が圧迫・刺激されて起こる症状の総称であり、原因には椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などがある。
・ストレッチは、筋肉の緊張を和らげ神経への圧迫を軽減し、血行を促進し、関節の可動域を改善することで、坐骨神経痛の症状緩和に効果が期待できる。
・効果的なストレッチとして、「梨状筋ストレッチ」「ハムストリングスストレッチ」「中殿筋ストレッチ」「腰まるめストレッチ」「股関節内外旋ストレッチ」などがある。
・ストレッチを行う際は、急性期を避け、痛みを感じない範囲で、反動をつけずゆっくりと行い、呼吸を止めず、継続することが重要である。
・ストレッチ以外のセルフケア(正しい姿勢、体を冷やさない、適度な運動、重いものの持ち方注意、体重管理)も大切である。
もし、あなたが今、坐骨神経痛のつらい痛みやしびれにお悩みでしたら、今回ご紹介したストレッチを、まずは無理のない範囲で試してみてはいかがでしょうか。
ただし、自己判断は禁物です。症状が改善しない場合や、悪化するような場合は、必ず医療機関や私たちのような専門家にご相談くださいね。
こころ鍼灸整骨院



