股関節の痛み|歩き始めや立ち上がりが辛い【変形性股関節症】のケア
みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。
「朝、顔を洗おうとかがんだ瞬間、腰に激痛が!」
「重い荷物を持ち上げようとしたら、ピキッときて動けなくなった…」
「くしゃみをしただけで、腰が砕けるような痛みに襲われた!」
そんな経験、みなさんや周りの方でお持ちの方はいらっしゃいませんか?
このような突然の激しい腰の痛み、一般的に「ぎっくり腰」と呼ばれていますが、正式には「急性腰痛症」と言います。
あまりの痛みに、欧米では「魔女の一撃」なんて呼ばれることもあるくらい、つらい症状ですよね。
今回は、そんな「もしも」の時に役立つぎっくり腰の正しい対処法と、絶対にやってはいけないNGな行動について、詳しく解説していきたいと思います。
そもそも「ぎっくり腰」って何が起こっているの?
まず、ぎっくり腰になると、腰に一体何が起こっているのでしょうか?
ぎっくり腰は、腰の筋肉や筋膜(筋肉を包む膜)、椎間関節(背骨の関節)、靭帯(じんたい:骨と骨をつなぐ組織)などが、急な負荷や無理な動きによって損傷したり、炎症を起こしたりすることで発生する、急性の腰痛の総称です。
よくある原因としては、
- 重いものを持ち上げようとした時
- 急に体をひねった時
- くしゃみや咳をした時
- 長時間同じ姿勢でいた後、急に動き出した時
- スポーツなどで無理な体勢をとった時
などが挙げられます。
しかし、時には「特に何もしていないのに、急に痛くなった」というケースもあります。
これは、日頃の疲労や筋肉の緊張、体の歪みなどが少しずつ蓄積し、何かの些細なきっかけで、コップの水が溢れるように痛みとして現れたと考えられるのです。
ぎっくり腰になると、「腰が抜けたような感じ」「電気が走るような痛み」「動くと激痛が走って身動きが取れない」といった、非常に強い痛みを感じることが多いです。
もし、ぎっくり腰になったら…まずやるべき【正しい対処法】
では、実際にぎっくり腰になってしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?
パニックにならず、落ち着いて以下のステップで対処しましょう。
ステップ1:まずは安静!無理に動かないこと
ぎっくり腰になった直後は、とにかく「安静」が第一です。
無理に動こうとすると、炎症が悪化したり、損傷した組織がさらに傷ついたりする可能性があります。
「少し動いた方が早く治るんじゃないか…」と思うかもしれませんが、それは間違い。
炎症が起きている急性期(通常は発症から2~3日程度)は、できるだけ腰に負担をかけないように、楽な姿勢で安静に過ごしましょう。
【楽な姿勢の例】
横向きで寝る: 膝の間にクッションや枕を挟み、エビのように少し体を丸めると、腰への負担が軽減されます。痛む方を上にするか下にするかは、ご自身が楽だと感じる方で構いません。
仰向けで寝る: 膝の下にクッションや丸めた布団などを入れ、膝を軽く曲げた状態にすると、腰の反りが和らぎ、楽になることがあります。
どの姿勢が楽かは個人差があるので、色々試してみて、一番痛みが和らぐ姿勢を見つけてください。
ステップ2:炎症を抑えるために「冷やす」
ぎっくり腰の急性期は、腰の組織が炎症を起こしている状態です。
そのため、炎症を抑え、痛みを和らげるためには「冷やす」ことが効果的です。
アイスパックや氷嚢(ひょうのう:氷を入れる袋)、保冷剤などをタオルで包み、痛む箇所に15分~20分程度当てましょう。これを1日に数回繰り返します。
冷やしすぎると凍傷になる可能性もあるので、必ずタオルなどで包み、直接肌に当てないように注意してください。
また、感覚が鈍くなっている場合は、冷やしすぎないように特に気をつけましょう。
温めるのは、炎症が悪化する可能性があるため、急性期(特に発症から24~48時間以内)は避けましょう。
お風呂で温まるのも、炎症を助長する可能性があるので、シャワー程度で済ませるのが無難です。
ステップ3:痛みが少し和らいだら、できる範囲で少しずつ動く
安静期間(通常1~3日程度)を過ぎ、激しい痛みが少し和らいできたら、無理のない範囲で、少しずつ日常生活に戻していくことが大切です。
あまりにも長期間安静にしすぎると、かえって筋肉が硬くなったり、血行が悪くなったりして、回復が遅れてしまうことがあります。
- ゆっくりと起き上がる
- 家の中を少し歩いてみる
- 簡単な家事をする
など、腰に負担をかけないように注意しながら、徐々に活動量を増やしていきましょう。
「痛いけど、我慢して動かなきゃ!」と無理をするのは禁物です。
痛みを感じたら、すぐに休憩するようにしてください。
ステップ4:専門家(医療機関や整骨院など)に相談する
ぎっくり腰の症状や原因は人それぞれです。
自己判断で対処を続けるのではなく、できるだけ早く整形外科などの医療機関や、私たちのような整骨院・整体院の専門家に相談することを強くおすすめします。
特に、以下のような場合は、すぐに医療機関を受診するようにしてください。
- 安静にしていても痛みが全く変わらない、または悪化する。
- 足にしびれや麻痺がある、力が入らない。
- 尿が出にくい、便が出にくい、失禁するなどの排尿・排便障害がある。
- 発熱がある。
これらは、単なるぎっくり腰ではなく、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、あるいは内臓疾患など、他の深刻な病気が隠れている可能性を示す「レッドフラッグサイン」かもしれません。
これは絶対ダメ!ぎっくり腰の時にやってはいけない【NG行動】
ぎっくり腰になった時、良かれと思ってやった行動が、実は症状を悪化させてしまうこともあります。
絶対にやってはいけないNG行動を覚えておきましょう。
NG行動1:痛む場所を強く揉んだり、マッサージしたりする
炎症が起きている急性期に、痛む場所を強く刺激すると、炎症がさらに悪化し、回復を遅らせてしまう可能性があります。
「凝っているからほぐした方が良いのでは?」と思うかもしれませんが、それは逆効果です。自己流のマッサージは避けましょう。
NG行動2:無理にストレッチをする
痛みが強い時に無理にストレッチをすると、損傷した筋肉や靭帯をさらに傷つけてしまう恐れがあります。
ストレッチは、痛みが和らぎ、回復期に入ってから、専門家のアドバイスのもとで行うようにしましょう。
NG行動3:急性期に温める(お風呂に長く浸かるなど)
前述したように、急性期に温めると、炎症が助長され、痛みが強くなることがあります。
お風呂はシャワー程度で済ませ、湯船に長く浸かるのは、痛みが引いてからにしましょう。カイロなどで温めるのもNGです。
NG行動4:痛みを我慢して普段通りの生活を送る
「仕事が休めないから…」「これくらいなら大丈夫だろう…」と痛みを我慢して無理をすると、症状が悪化し、治りが遅くなるだけでなく、慢性的な腰痛に移行してしまうリスクも高まります。
ぎっくり腰になったら、まずは安静にすることが何よりも大切です。
NG行動5:自己判断で「大丈夫」と放置する
「ぎっくり腰はクセになるって言うし、今回もそのうち治るだろう」と安易に自己判断し、専門家に見せずに放置するのは危険です。
適切な処置をしないと、回復が遅れたり、後遺症が残ったり、あるいは前述したような深刻な病気を見逃してしまったりする可能性もあります。
これらのNG行動を避け、正しい対処法を実践することが、ぎっくり腰からの早期回復への近道です。
ぎっくり腰を繰り返さないために!日常生活でできる予防策
一度ぎっくり腰になると、再発しやすいと言われています。つらい痛みを繰り返さないためには、日頃からの予防がとても大切です。
1.正しい姿勢を意識する
立っている時も座っている時も、背筋を伸ばし、骨盤を立てるような良い姿勢を心がけましょう。
猫背や反り腰は腰に負担をかけます。
2.物を持ち上げる時の注意点
床にある物を持ち上げる時は、必ず膝を曲げ、腰を落とし、体に物を近づけてから持ち上げるようにしましょう。
腰だけで持ち上げようとするのは非常に危険です。
3.適度な運動で筋力を維持する
腹筋や背筋、お尻の筋肉など、体幹を支える筋肉(特にインナーマッスル)を鍛えることは、腰椎の安定に繋がり、ぎっくり腰の予防に効果的です。
ウォーキングなどの有酸素運動も血行促進に役立ちます。
4.こまめに体を動かす
長時間同じ姿勢でいることが多い方は、30分~1時間に一度は立ち上がって体を動かしたり、軽いストレッチをしたりするようにしましょう。
5.体を冷やさない
体が冷えると筋肉が硬くなり、血行も悪くなって、ぎっくり腰を起こしやすくなります。
特に冬場やクーラーの効いた部屋では、腰回りを冷やさないように注意しましょう。
6.ストレスを溜めない
ストレスは筋肉を緊張させ、ぎっくり腰の引き金になることもあります。
自分なりのリフレッシュ方法を見つけて、上手にストレスを発散しましょう。
7.定期的な体のメンテナンス
自分では気づかない体の歪みや筋肉のアンバランスが、ぎっくり腰の原因になっていることもあります。
定期的に整体や鍼灸などで体のメンテナンスを受けることも、再発予防には有効です。
まとめ:突然のぎっくり腰!慌てず正しい対処で早期回復を目指そう
さて、今回は「突然の激痛!ぎっくり腰の【正しい対処法】と絶対NGな行動」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
ぎっくり腰は、誰にでも起こりうる、非常につらい腰のトラブルです。もしもの時に備えて、正しい知識を持っておくことが大切ですね。
では、本日のポイントをまとめます。
・ぎっくり腰(急性腰痛症)は、腰の筋肉や組織が急な負荷で損傷・炎症を起こした状態である。
・発症直後は「安静第一」であり、無理に動かず楽な姿勢で休む。
・急性期は「冷やす」ことが重要で、温めるのはNGである。
・痛みが和らいだら、無理のない範囲で少しずつ動き始める。
・できるだけ早く専門家(医療機関や整骨院など)に相談する。
・NG行動(強く揉む、無理なストレッチ、急性期の入浴、痛みを我慢して動く、放置)は避ける。
再発予防には、正しい姿勢、物の持ち方、適度な運動、体を冷やさない、ストレスケア、定期的な体のメンテナンスが重要である。
突然の激痛に見舞われると、どうしても慌ててしまいがちですが、まずは深呼吸をして落ち着き、今回お伝えした対処法を思い出してください。
そして、決して自己判断で済ませず、私たちのような専門家を頼ってくださいね。
こころ鍼灸整骨院



