金融教育×住教育から空き家対策を
自然災害は建物に甚大なダメージを与えます。
この事実は近年の日本列島を襲った甚大な被害を思い起こせば容易に想像できるのではないでしょうか。東日本大震災などの大地震や、地球温暖化の影響と考えられる台風や集中豪雨による風水害などが年々増加し、それに伴う建物被害も頻発しています。
地震には、揺れによる被害(建物倒壊、タイルの剥落、ガラス窓の破損等)のほかに、地盤の液状化による被害(建物の全体傾斜や沈下等)、津波による被害(建物の流失等)などがあります。また台風、梅雨前線や低気圧等に伴う豪雨によって、河川の氾濫や土砂災害による建物の全半壊、床上・床下浸水など、甚大な被害が広範囲に発生します。
住まい選びや住まいの資産価値を判断する際に、これまで災害リスクはさほど重視されてきませんでした。しかし、このような現実を踏まえれば、災害リスクは重要な判断材料とすべき時期に来ていると考えるべきです。宅地建物取引業法では、令和2年8月28日から宅地建物取引業者に対して不動産の取引時に水害ハザードマップを用いた対象物件の水害リスクの説明を行うことが義務化されました。平成30年7月豪雨や令和元年台風19 号といった甚大な被害をもたらした大規模水災害の頻発を受け、不動産取引時には水害リスクに係る情報が契約締結の意思決定に重要な影響を与える、という考え方が法改正の背景にあります。具体的には、水防法に基づき作成された水害ハザードマップを活用し、重要事項説明書に水害リスクに係る項目が追加され、水害リスクに係る説明を契約締結前までに行うことが必要となりました。
こういった災害情報を知るには、ハザードマップポータルサイト(https://disaportal.gsi.go.jp/)を利用するのが便利です。身の回りの災害リスク、具体的には洪水、土砂災害、高潮、津波、道路防災情報、地形分類などを同サイトで確認することができます。また対象地の地形や地歴から災害リスクを推し量ることも可能です。例えば、近くを川が流れ背後に山があるような地形や、池や河川の埋め立て地や大規模な谷埋めによって造成された土地などは水害リスクが高いため注意した方が良い、といった考え方です。
災害リスクと資産価値の関係については、これまで十分な相関関係は示されてきませんでした。今後は住まいのリスク要因として正しく把握すべき要素です。同時に自然災害について、住宅レベル(点)や地域レベル(面)でどのような対応が取られているか、というリスク対応も把握しておく方が良いでしょう。
住まいの終活(住活)にあたっては、自宅・実家がどのような自然災害リスクを抱えているか、それにどの程度の対策ができているか、を知ることも大切な棚卸しの一つだと言えます。
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シニアの住まい研究所 代表 菊池浩史
~住まいの終活をサポートします~
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