マイベストプロ大阪
菊池浩史

「住まい×消費者×教育」のハイブリッドを目指す専門家

菊池浩史(きくちひろし)

住まいの消費者教育研究所

コラム

住まいの終活について

2020年10月5日

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 退職 手続き遺言書 書き方空き家対策

「終活」という言葉を最近ではよく耳にします。平たく言えば、死に支度のことです。人が自らの死を意識して、人生の最期を迎えるための様々な準備や、死に向けた人生の総括を意味する言葉として使われています。具体的には、葬儀の方法、お墓の建て方、遺言書の書き方、遺産相続の決め方などです。

現在の住まい(自宅)についても、どのような形で誰に引き継ぐか、閉じていくかという住まいの終活が求められています。自宅を空き家にして放置しないための予防療法、相続発生前の所有者や相続予定者が元気なうちに、住まいを将来どうするかをという選択肢を考え、それに必要な前提条件の整理や信頼できる相談先の目途をつけることです。

いつか対応しなければと思いつつも、相続や住み替えなどにより空き家のまま放置されることも少なくありません。その結果、時間の経過とともに空き家が痛み、所有者の高齢化や代替わりで維持管理が行き届かなくなることも少なくありません。所有者が多数の場合や所在不明になれば、多くの時間や手間をかけても根本的な解決にはなりません。そうならないためにも事前準備が大切となります。

住まいの終活には決まった方法があるわけではありません。一例として次のような流れがあります。
①住まいの思い出の記録を整理
②所有不動産のリスト化と基礎資料の整理
③不動産に関する情報の整理
④マーケットでの流通性を判断
⑤将来の住まいの選択肢と相談先の検討

まず初めに、住まいの思い出の記録を整理すると同時に、登記書類、固定資産税証明書、そして契約書といった不動産に関する情報を整理して、登記名義人や共有者などを確認しましょう。

その上で、現在の住まいを持ち続けるか、売却するかを判断します。持ち続ける場合であっても賃貸する方法があります。また複雑な権利関係や共有持ち分のある物件、再建築ができない物件、更には利用予定のない場合などは可能な限り早期処分した方がベターです。隣接所有者への売却、空き家バンクに登録という選択肢もあります。売却が難しい場合は、最低限のリフォームをしてからDIY賃貸住宅、ペット住宅、民泊として貸与するとか、暫定的にバイク置き場や駐輪場としての活用もあります。

所有者や相続予定者など関係者が元気な間に、住まいの終活について話し合うことをお奨めします。

この記事を書いたプロ

菊池浩史

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菊池浩史(住まいの消費者教育研究所)

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