金融教育×住教育から空き家対策を
2020年7月1日、「シニアの住まい研究所」を立ち上げました。
ここ数年来、高齢期における住まい情報の非対称性に対して問題意識を持ち続けてきました。東大の大月敏雄先生が著書の中で、何かあった場合にどこへ移り住まなければならないかの想像がつかない、という漠然とした不安が高齢化の問題だと指摘されています。例えば認知症になり見守りサービスが必要になっても、関連する住情報が断片的にしか収集できず、偶然出会った情報に頼らなければならない状況に多くの高齢者がおかれています。そのために、まちには色々な状況の人が住める多様な住宅が必要であり、多様な住宅に関する情報をワンストップで収集できる仕組みが重要だと提言されています。私も全く同様な認識でおり、それをどのように実践していくかということを考え続けてきました。
高齢期の住まいは、高齢者住宅や施設に住み替える場合と自宅などに住み続ける場合とがあります。住み替え先は高齢者住宅や施設以外に、利便性のよい立地にあるコンパクトマンション、手頃な家賃の賃貸住宅、移住や二地域居住といった住まい方を選択するケースもあります。自宅に住み続ける場合は、建て替えやリフォームや自宅の有効利用や相続対策などのニーズも発生します。このような幅広いニーズへ対応するには、高齢期の住まい情報という横軸を差して、ワンストップの情報提供及びコンサルティング機能を備える横断的なプラットフォームを構築していく必要があると考えています。
シニアの住まい研究所では、「高齢期の住まいにまつわる“不安”を“安心”に変える」という経営理念を掲げ、「プラットフォームの構築」「ワンストップサービスの提供」「情報格差の縮小」を行動指針としました。住み替えやリフォームなどを検討中のお客様から、具体的な計画はないものの高齢期の住まいに漠然とした不安を抱くお客様までを広く対象としています。
消費者エイジェントならびにセカンドオピニオンとして、中立的・専門的立場から信頼に足る情報を提供し、お客様の立場に寄り添う親身なアドバイスが売りです。
高齢期を、だれと、どこで、どのような住まいで、どのように暮らすかという「住まい観」は、高齢期をどのように生きるか、と同義です。シニアの皆さまの多様な住まい観一つ一つに寄り添い、一緒に「住まい観」を育み、その実現に全力を尽くす覚悟です。
シニアやご家族の皆様と多くの接点を築いていきながら、安心をお届けしていきます。
以上