なぜ人は、人生の3分の1も眠るのか ― 2026年度 人材戦略としての睡眠 ―

樋口麻理

樋口麻理

テーマ:企業研修

みなさんは、
「なぜ人は眠るのか」を考えたことはあるでしょうか。

以前、「24時間戦えますか」というキャッチフレーズで販売されていた栄養ドリンクがありました。
もし本当に24時間自由に使えるとしたら、もっと仕事ができ、
もっと学び、もっと楽しく過ごせるのではないか。
そう考えたことがある方も多いのではないでしょうか。
人材不足が深刻化する今、働きたい人はできるだけ働き、
いわゆるライスワークとして割り切って働く人は自分のペースで働き、
プライベートの時間を大切にする。
多様な働き方が実現できれば、企業にとっても、
働く側にとっても理想的な社会に見えます。

しかし現実には、
「長時間働けること」や「頑張り続けられること」が、
企業の力につながるわけではありません。
現代医学の視点では、長時間にわたり高い緊張状態が続くことは、心身への影響が大きいだけでなく、企業経営にとっても見過ごせないリスクと言われています。

では、なぜ人は、人生の約3分の1を眠ることが必要だとされているのでしょうか。
ここで一度、「眠るとは何なのか」を、一緒に考えてみたいと思います。
突然ですが、御社の職場では、こんな変化を感じたことはないでしょうか。
・考えるのに時間がかかる社員が増えた
・指示が一度で伝わりにくい
・慣れている業務でもミスが増えている
・報連相の質が下がっている

このような変化があったとしても、多くの企業では、
「本人の能力の問題」 「意欲の問題」 「若手の意識の問題」
として処理されがちです。
しかし、その裏に、見過ごされやすい共通の要因があります。
それが、睡眠です。
実は、仕事で必要とされる
・判断力
・集中力
・感情のコントロール
・記憶の整理
といった機能は、働いている時間に回復はしません。
眠っている間に整え修正します。

つまり睡眠は、個人の体調管理の話だけではなく、
組織の生産性とリスク管理の土台でもあるのです。

従来の睡眠教育では、
「眠ることは大切。なぜなら健康のため」
「早寝早起きが良い習慣」
といった説明が中心でした。
しかし、それだけでは、なぜ眠る必要があるのか、眠ることによって仕事にどのような影響があるのかまで、十分に伝えられてきたとは言えません。
禁止事項や避けるべき行動を伝えるだけでは、行動の変化は一時的になりがちです。
また、睡眠に関するテクニックや知識は、現在ではSNSなどを通じて簡単に手に入るようになりました。
一方で実際には、自分の生活環境や勤務形態に合わず、継続できない人が多いことも事実です。
では本題に戻り、
「なぜ人は眠るのか」
「眠っている間に、体の中で何が行われているのか」
について考えてみましょう。
私たちの意思ではコントロールできない領域で、重要な働きが行われています。
それは、眠っている間にしか行えない、脳や心身の機能の回復、そして記憶の整理です。
その結果、判断力、集中力、感情のコントロール、記憶の整理が保たれ、
日中の業務パフォーマンスにつながっています。

これは、夜の過ごし方と睡眠の質・時間によって大きく左右されます。

弊社の研修では、
・自分の夜の過ごし方を可視化し
・どこを変えると負担が軽くなるのかを理解し
・明日から試せる小さな行動に落とし込む
ところまでお伝え。
いわゆる「行動を少しずつ書き換えていく」設計です。
これは、福利厚生としての睡眠講座ではありません。
睡眠は、本人の問題に見えますが、実はマネジメントの質にも直結しています。
ここで一つ、

2026年度の研修計画を検討されている企業の皆さまに、ぜひお伝えしたいことがあります。
睡眠をテーマにした取り組みは、単発の講話ではほとんど定着しません。
成果が出ている企業では、
・一般社員向けの基礎講話 ・数週間後のフォロー
を、最初から一つの設計として組み立てています。

最初に「知る」だけで終わらせず、実際に行動が変わったかを確認し、必要に応じて調整する。
この設計を行ってはじめて、睡眠は人材施策として機能します。
実際に企業からご相談を受ける中で、非常に多いのが、次のような状態です。
・離職率は、まだ大きな数字ではない
・欠勤や遅刻も、管理できる範囲に収まっている
・メンタル不調者も、目立って多いわけではない
しかし一方で、
・現場の疲弊感が強まっている
・管理職が部下の状態を把握しきれなくなっている
・判断や対応に時間がかかる場面が増えている
という兆しは、すでに現れています。
この段階では、多くの企業が
「まだ本格的な研修を入れるほどではない」
と判断されます。

ところが実際には、
・休職者が立て続けに出た
・管理職自身が疲弊し、現場が回らなくなった
・人材の定着に急激な影響が出始めた
という状態になってから、はじめてご相談をいただくケースが少なくありません。
睡眠の問題は、不調として表面化するよりも前に、
生産性や判断力、対人対応の質の低下という形で、静かに組織に影響を与えていきます。

つまり睡眠は、
「不調者が出てから対策するテーマ」ではなく、
「何も起きていないように見える時期にこそ整えておくべきテーマ」なのです。

2026年度の研修を検討中の企業様、
実は、今がもっとも設計の自由度が高く、効果を出しやすいタイミングでもあります。

2026年度の研修は、今から検討を始める企業ほど、内容の自由度が高くなります。
御社の業種や働き方によって、
・どの職種から取り組むべきか
・管理職と一般社員で何を変えるべきか
・講話のみで良いのか、伴走が必要なのか
は大きく異なります。

御社の状況をうかがったうえで、睡眠を切り口にした研修設計そのものをご一緒に整理しています。
「睡眠の話を聞く研修」ではなく、
「働き方と回復の仕組みを整える研修」として、
2026年度の人材施策に組み込むかどうか。
一度、御社にとって最適な形を整理してみてください。
その検討の場として、研修設計のご相談をお受けしています。

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Mybestpro Members

樋口麻理
専門家

樋口麻理(睡眠健康指導士)

株式会社印笑

医療・教育の分野を知る睡眠健康指導士が、生活や社会活動の基盤となる睡眠管理をテーマに自己実現や子育て、健康維持をサポート。フェイスメソッドで、いびき対策や顔のこわばり改善などお伝えします。

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