春の眠気が新人を潰す!離職防止と戦力化の鍵は睡眠

樋口麻理

樋口麻理

テーマ:企業研修


なぜ「春の睡眠研修」が必要なのか?

中小企業の経営者様、人事研修担当者様
春は、新入社員にとって新たな環境への適応が求められる季節です。
春の新入社員教育について話題にする理由があります。
この時期は多くの人が「なんとなく眠い」「仕事に集中できない」といった悩みを抱えます。
これは単なる季節の変わり目によるものではなく、
春特有の睡眠リズムの乱れとストレスが要因として考えられます。

春は日照時間が長くなり、気温の寒暖差も大きくなるため、自律神経が乱れやすい季節です。
さらに、新生活によるストレスやSNS視聴の増加が負担となり、眠りが浅くなることがあります。
この状態が続くと、以下のような悪循環を招く可能性があります。
① 睡眠不足と質の低下 → 日中の眠気や集中力の低下
② 判断ミスや物忘れの増加 → 仕事のパフォーマンスが低下
③ イライラや倦怠感の悪化 → 人間関係への悪影響
④ 自信喪失とモチベーション低下 → 業務への意欲が減退


なぜ「春の睡眠研修」が必要なのか?

仕事に慣れる前の段階で「できない自分」と錯覚してしまうと、自己効力感が低下し、
結果的に早期離職の要因になりかねません。
しかし、多くの企業はこの春特有の睡眠トラブルに着目していません。
これは大きな損失です。春こそ企業が積極的に新人の睡眠を支援し、
パフォーマンスを最大化するための研修を導入すべきタイミングなのです。

なぜ「春の睡眠研修」が必要なのか?

春の睡眠不足は、新人のパフォーマンスとメンタルヘルスに大きな影響を及ぼします。
具体的に見ていきましょう。
集中力と判断力の低下
睡眠不足は脳の前頭前野の働きを鈍らせます。
前頭前野は判断や計画、注意力を司る重要な領域です。
6時間以下の睡眠が続くと、集中力が20%以上低下するというデータがあります【1】。

新人が指示を聞き逃したり、些細なミスが増えたりするのは、睡眠不足が原因かもしれません。
記憶力と学習効率の低下
新人にとって日々の業務を覚えることは必須ですが、睡眠不足は記憶の定着を妨げます。
脳は睡眠中に記憶を整理・固定する役割を担っています。

睡眠が不足するとこのプロセスが機能せず、学習効率が著しく低下します。
ストレス耐性とメンタルの悪化
睡眠不足はストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を増加させます。
その結果、些細なことでイライラしやすくなり、不安感が強まります。
新人は新しい環境でストレスを抱えやすいため、睡眠不足がメンタル不調の引き金になる危険性があります。

春の睡眠トラブルを防ぐために企業ができること

春の睡眠トラブルは、個人の努力だけで改善するのは難しい場合があります。
そのため、企業が体系的に支援体制を整えることが重要です。
睡眠の重要性を理解する新人研修
新人研修で、睡眠とパフォーマンスの関係性について学ぶ時間を設けましょう。
睡眠不足が仕事に与える具体的な影響や、日常生活での改善ポイントを伝えることで、
新人は自分の睡眠を意識的に見直し、生活習慣の改善に取り組みます。
実践的な睡眠改善ワークショップ
単なる知識提供ではなく、実践的な睡眠改善方法を身につける機会を設けます。
具体的には以下のようなプログラムが効果的です。
① 朝起きてすぐに日光を浴びる → 体内時計を整える
② 就寝前にストレッチや深呼吸 → 自律神経をリラックスさせる
③ デジタルデトックスの導入 → スマホやPCの使用時間を制限する


睡眠改善は一時的な取り組みではなく、継続的に実践する仕組みが重要です。
そのため、新人研修後もフォローアップの機会を設けましょう。
定期的なフィードバックと睡眠習慣のチェックを行い、長期的な改善をサポートします。

春の睡眠研修の具体的な効果

春の睡眠研修を導入することで、以下のような具体的な効果が期待できます。
① 生産性の向上 睡眠不足が解消されることで、集中力や判断力が向上します。  
  結果として、新人は指示を正確に理解し、ミスが減少します。
② 定着率の向上 睡眠の質が改善されることで心身ともに安定します。  
  仕事への自信がつき、早期離職のリスクが低下します。
③ 健康経営の実現 睡眠改善は社員の健康維持にも直結します。  
  睡眠不足による体調不良が減少することで欠勤率が下がり、職場の生産性が向上します。


眠は生理現象の1つですが、質の高い睡眠は意識的な管理によって初めて手に入ります。
春の睡眠研修は、新人のパフォーマンスを引き上げ、未来を支えるための確かな投資です。

今こそ春の睡眠研修を導入しよう

春は新人が最も不安定になりやすい時期です。
このタイミングで睡眠を見直すことは、新人だけでなく、
企業にとっても大きなメリットになります。
「春だから眠いのは仕方がない」と放置するのではなく、
「春だからこそ眠りを整える」ことが重要です。

睡眠は生理現象の1つですが、質の高い睡眠は意識的な管理によって初めて手に入ります。
春の睡眠研修は、新人のパフォーマンスを引き上げ、未来を支えるための確かな投資です。



参考資料
【1】
ペンシルベニア大学とワシントン州立大学の共同研究(2004年)
研究名: Chronic Sleep Restriction Increases Behavioral Sleepiness in Humans
出典: Van Dongen, H. P. A., Maislin, G., Mullington, J. M., & Dinges, D. F. (2004). Sleep 26(2), 117-126.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12683469/
スタンフォード大学 睡眠医学研究所(2010年)
研究名: Effects of sleep deprivation on cognitive performance
出典: Goel, N., Rao, H., Durmer, J. S., & Dinges, D. F. (2010). Progress in Brain Research, 185, 155-166.
米陸軍研究所(ARL)の研究(2017年)
研究名: Sleep deprivation and its effects on cognitive performance
出典: Killgore, W. D. S. (2017). Sleep Medicine Clinics, 12(2), 163-176.

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樋口麻理
専門家

樋口麻理(睡眠健康指導士)

株式会社印笑

医療・教育の分野を知る睡眠健康指導士が、生活や社会活動の基盤となる睡眠管理をテーマに自己実現や子育て、健康維持をサポート。笑顔で目覚めるツールの一つフェイスメソッドに基づいたエクササイズも提供。

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