緊急事態再延長について
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(1)本当に怖いのは?
ちょっと気になるんだが
今回のコロナ騒動で本当に怖いのは
薬剤耐性菌の問題じゃないかと思うんだ。
健康ならコロナじゃかかっても死なないからね。
もちろんコロナウイルスに抗生物質は効かない。
細菌じゃなくてウイルスだからだ。
カゼやインフルエンザも同様だ。
しかし今回の場合、
まだ簡易診断キッドが広まっていないので
肺炎の症状が出てコロナウイルスが原因と診断されていない状況では
細菌性の肺炎の可能性もあるのだから
恐らく相当量の抗生物質が使われているんじゃないか?
そうでなくてもカゼに使われる抗生物質は問題になっている。
なんと全使用量の6割もがカゼに使われているという。
今回の騒動でそれに拍車をかけることになるんじゃないかと思う。
そういうわけで以前ブログで書いた耐性菌の話を
再度アップしてみる。
興味ある方はぜひ読んで欲しい。
(2)カゼに抗生物質は効かない!?
先日は蕁麻疹の女の子、
そして今日は食欲不振と腹部膨満感。
ともに原因はカゼで投与された抗生物質。
カゼに抗生物質は効かない。
そんなことずっと前から言われている。
抗生物質が効くのは細菌で出あって
カゼの原因はウイルスだからだ。
だから上記の症状は飲む必要のないものを飲んで表れたもの、
まさしく薬害である。
ところが今でもカゼの処方で半数近くの患者に抗生物質は処方されている。
なぜか?
友人の医師に聞いてみた。
「もちろんカゼに効かないのは分かっている。
だけど患者さんが求めるからや。
説明して断るの時間がかかるやろ?」
なるほどいちいち説明してたら時間がかかるからってワケか。
患者さんもたくさん待ってるし、ってところか。
でもやっぱり言い訳がましいね。
現代医学は細菌との戦いの歴史であった。
日本での死因の1位は肺炎や結核だったし、
ペストや腸チフス、梅毒は世界中に蔓延していた。
戦場でも弾丸で亡くなる兵士よりも感染症で亡くなる兵士の方が多かった。
ここで登場したのがペニシリンだった。
1928年のことである。
青カビから生まれたこの薬は
死の病と言われた感染症に劇的な効果を発揮し、
新聞も
「医学新時代の幕開け」
と見出しをつけた。
だけど発見当初はまだまだ絶対数が不足し、
本格的な抗生物質時代がやってきたのは第2次大戦後だろう。
これにより多くの命が救われ、
人類の寿命が劇的に伸びたのもこの時代である。
ここに
「抗生物質神話」
が誕生した。
この時代を見て来た人々が抗生物質を求めるのも無理のない話である。
ところが残念なことに害のない薬はない。
抗生物質とて例外ではない。
蕁麻疹や胃腸障害程度ならまだ有益性が上回ると言えないこともないが
今、大変な問題となっているのが薬剤耐性菌の出現である。
抗生物質は細菌の細胞壁やDNAの合成を阻止することによって効果を発揮する。
これが人に影響を及ぼさない選択毒性を持つならばそれは素晴らしい薬である。
事実、抗生物質はそうであった。
ところが細菌も生き残るために進化する。
体の形を変えて抗生物質の効き目を無くしてしまうのだ。
これが耐性菌のメカニズムである。
抗生物質の誕生以来、耐性菌の問題は常に同居していた。
そのたびに人類はさらに強い抗生物質を開発しこれを解決した。
ところが細菌はさらに進化し耐性菌をつくる。
新しい抗生物質が誕生する裏で、
実はこのイタチごっこの繰り返しだったのである。
ところがとうとうこのイタチごっこにも終止符が打たれる時が来た。
最強の抗生物質と言われ、
ほとんどの抗生物質が効かないMRSAをも殺菌できるバンコマイシンにも
耐性菌が出たのだ。
さらには最終兵器と言われたカルバペネム系抗菌薬にも
耐性菌が発見された。
こうなるともうお手上げである。
ここに抗生物質神話は終わりを告げた。
2050年には世界の耐性菌による死亡数は癌を超えて
1000万人にも達すると言われている。
耐性菌の問題はさらに根が深い。
日本は抗生物質の使用が多いとされているが、
2012年の年間使用量の総計は1700トン(トンというのがすごいが)。
そのうち人の医療用は520トン、これに対し家畜医療用は720トン、
さらには成長促進を目的とする家畜飼料添加物として180トンも使っている。
家畜に900トンである。
頑張って人の使用量を減らしたところでこれではとても追いつかない。
EUやアメリカではすでに抗生物質の家畜への投与は規制されている。
日本でも早期の取り組みを求めたい。
というわけで、我々街の薬局にできることは
抗生物質の適正使用の啓蒙活動である。
これはもちろん国も力を入れていて啓蒙用のポスターや資料もあるという。
さっそく厚労省にTELしてみたところ
非常に丁寧に教えてくれてこちらも気分よくなった。
名前聞いとけばよかったな。若い男の人だったけど。
しかし、抗生物質の闇はこれだけではなかった。。(つづく)
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