老朽化した長屋の耐震補強を忘れると損害賠償
ほぼ全国の自治体で行われている耐震改修に対する補助金制度
阪神・淡路大震災では、住宅や建築物の倒壊による被害は、それは大きなものでした。特に被害が大きかったのが、新耐震基準が導入された昭和56年以前に建築された建物です。そのため、今、築40年を超える木造建築の長屋をリフォームする上で耐震改修は必須と言えます。
現在、日本の多くの自治体において、新耐震基準が導入された昭和56年5月31日以前に建築された木造住宅の耐震改修を行う際に補助金を出す制度があります。
地域によって補助を受ける要件や補助額に違いはありますが、今回は大阪府を例に挙げて耐震改修の内容や要件について見ていきましょう。
耐震診断、設計に対する補助金
耐震改修に対する補助金は工事だけではなく、診断や設計にかかる費用に関しても支給されます。
・木造住宅耐震診断補助
耐震診断にかかる費用を補助するものです。補助率は9割で、上限額は4万5千円です。
補助を受けるための要件は、昭和56年5月31日以前に建築されたもので、その住宅に既に住んでいるか、もしくはこれから住もうとしているかです。
・木造住宅耐震設計補助
耐震改修工事を行うに当たり、その設計にかかる費用を補助するものです。補助率は7割で、上限額は10万円です。
補助を受けるための要件は、昭和56年5月31日以前に建築されたもので、市町村民税所得割額が304,200円未満のもの。なおかつその住宅に既に住んでいるか、もしくはこれから住もうとしているかです。
耐震改修、除却に対する補助金
・木造住宅耐震改修補助
実際に工事にかかる費用を補助するものです。補助率は決まっておらず定額補助となっていて、上限額は40万円(所得の低い方は60万円。月額所得が21万4千円以下)です。
補助を受けるための要件は、昭和56年5月31日以前に建築され、耐震診断結果の総合評点が1.0未満で、改修後は原則総合評点が1.0以上。市町村民税所得割額が304,200円未満で、その住宅に既に住んでいるか、もしくはこれから住もうとしているかです。
・木造住宅除却補助
耐震性が不足し、改修せずに除却(解体)する際にかかる費用を補助するものです。これも改修補助と同様に補助率は決まっておらず定額補助となっていて、上限額は40万円です。
補助を受けるための要件は、昭和56年5月31日以前に建築され、耐震性が不足するもの。市町村民税所得割額が304,200円未満で、資産が1,000万円以下であること。平成28年3月31日までに着手することとなっています。
また平成27年4月から大阪市の一部では、老朽木造住宅を除却(解体)し防災空地として活用する場合の補助制度「防災空地活用型除却費補助」が始まっています。
これらの要件や金額は地域によって異なります。
大阪府の中でも市町村によっては必ずしも上述したものと一致しない場合もありますので、実際に補助を受けようという際には、必ずそれぞれの市町村窓口で確認することを忘れないでください。