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桂典子

「主婦の目線」を大切にする一級建築士

桂典子(かつらのりこ) / 一級建築士

汎美設計一級建築士事務所

コラム

補助金を利用した長屋リフォーム 住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業

2015年12月28日

テーマ:長屋の入居率をあげるための方法

コラムカテゴリ:住宅・建物

長屋もOK、住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業とは?

賃貸として使用している長屋において、空家となっているため入居者を入れたいが老朽化などによりリフォームが必要な場合、国からの補助金を利用してリフォームを行う方法があります。その中の一つに、今回ご紹介する住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業があります。

国土交通省による住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業は、平成27年に作られた制度で、高齢者や障がい者、子育て世帯の居住の安定確保を目的に、居住支援協議会との連携や管理のもとに実施されます。

空き家などを活用して、賃貸住宅供給を図るほか、リフォームなどにより入居につながるように支援していく制度です。

応募・交付申請ができるのは、空き家などの改修工事の建設工事請負契約を締結して発注する事業者などです(空き家などの所有者と事業者が異なるときは、両者のあいだで同意書を交わす必要があるなど、諸条件があります)。

こういった制度を活用して、古くなった長屋などをリフォームして再利用することも可能です。

補助の要件について

補助の要件は下記の全てを満たすことが必要です(事業後に要件を満たすのであれば、戸建の持家や事務所等の賃貸住宅以外の物件も対象になります)。

◆住宅要件
・住戸の床面積は原則として25㎡以上
・住宅設備を有すること(台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室)
・現行の耐震基準に適合していること
・一定のバリアフリー化がなされていること(※2カ所以上の手すり設置、屋内の段差解消、車いすで通行可能な廊下幅の確保のいずれかに対応)。

◆入居対象者
・一定の所得以下
高齢者世帯(※1)、障がい者等世帯、子育て世帯であって、現に住宅に困窮(※2)している世帯。
※1=居住支援協議会毎の具体的な収入基準は、同事業のホームページで要確認(大半の居住支援協議会では、月額収入21.4万円以下となっています)
※2=従前居住地が持家でない者であること。

◆上限月額家賃
・84,700円に市区町村毎の立地係数を乗じた額(例 大阪市106,000円)
※ 市区町村毎の上限月額家賃は、同事業のホームページで確認してください。

◆管理期間
・事業完了後10年間以上

◆住宅情報の登録
・居住支援協議会に対し対象住戸に係る情報を登録すること

◆対象地域
・居住支援協議会が対象住宅の登録や情報提供等を行う地域
※ 具体的な地域は、本事業のホームページで確認してください。

補助額について

補助対象工事は下記を確認してください。

◆バリアフリー改修工事
(手すりの設置、段差の解消、廊下幅等の拡張、浴室の改良、便所の改良等に係る工事)

◆耐震改修工事
現行の耐震基準に適合させるために必要な改修工事

◆用途変更工事
戸建の持家や事務所等の賃貸住宅以外の用途の建物を賃貸住宅に用途変更するために必要な改修工事(設備の設置・改良工事等)

◆居住支援協議会が認める工事
入居対象者の居住の安定の確保を図るため居住支援協議会が必要と認める改修工事
(間取りの変更に係る工事、設備の設置・改良工事、遮音性・防音性の向上に係る工事、断熱性・気密性の向上に係る工事、防犯性の向上に係る工事、照明や給湯器等の高効率化に係る工事、キッズルームの設置に係る工事等)
※ 居住支援協議会毎の補助対象工事は、同事業のホームページで確認してください。

◆補助率・補助限度額について
補助率:1/3
補助限度額:50万円/戸(他用途から賃貸住宅に用途変更する場合、100万円/戸)

この制度については、同事業のホームページを確認してください(引用=http://www.anshin-kyoju.jp/index.html

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桂典子(汎美設計一級建築士事務所)

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