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桂典子

「主婦の目線」を大切にする一級建築士

桂典子(かつらのりこ) / 一級建築士

汎美設計一級建築士事務所

コラム

変形地住宅の間取りの取り方

2016年12月1日

テーマ:狭小地・変形地住宅で家を建てるポイント

コラムカテゴリ:住宅・建物

変形地住宅においての間取りの重要さ

すでに間取りが決まっている分譲住宅であれば問題ありませんが、注文住宅であれば、間取りを決めることは、今後そこに住んでいく上でとても重要な問題です。

特に変形地に家を建てる場合、採光、通風、生活・家事動線など一般的な土地に家を建てる時以上に気を配った間取りが必要になります。

採光、通風などを快適にする間取り

変形地の中でも旗竿地や袋地などまわりを囲まれた土地では、静かな環境ではあるものの「光が入りにくい」「風の通りが悪い」といったデメリットも多く、快適に暮らしていくためには、それに適した間取りを考えなければなりません。

光を取り入れる方法としては、まずそれぞれの部屋を細かく区切らないようにします。例えば光が入る場所を中心に、リビング、洋間、和室を続き間にするなど、オープンな間取りを意識します。

その上で3階建てが可能な土地であれば3階に大きな窓の他、トップライトや天窓を付ける。2階建ての場合は2階にリビングを持ってくるなど、光を取り入れたい部屋を上の階に配置し、寝室などは北側に配置するなどの間取りにします。

また階段を光の通り道とし、上から下へ光を取り込むといった方法もあります。

通風に関しても、基本的には採光と同じ考え方になります。

他には例えば吹き抜けを作ったり、階段で風が遮られないようにオープン階段にするなどといった方法で、風通しを良くすることができます。

旗竿地や袋地以外の細長い土地などでも使える方法として、小さくても構いませんので中庭を作り、そこから採光と通風を確保するといったやり方もあります。

また三角形や五角形の土地では、どうしても採光のデッドスペースになってしまう場所や、形状的に四角ではなく三角や変形にしか間取りを取れない場所を納戸や収納とすると変形地を無駄なく使用できます。

生活動線、家事動線を意識した間取り

変形地は一般的な土地に比べ、家を建てる制約も多い上、上述したように採光や通風を意識しなければいけないため、どうしても変則的な間取りになりがちです。

だからと言って、生活動線や家事動線をないがしろにしてしまうと快適な生活ができなくなってしまいます。さまざまな工夫を凝らしながらも、できるだけ移動を少なく生活できる間取り作りが重要です。

特によく見られるのが、3階建てにする場合の寝室とトイレの位置。ベランダと洗濯機置き場の位置をそれぞれ3階と1階にしてしまうことです。

同じ階にすることは無理であっても、せめて2階と3階にするなど少しでも移動距離を少なくするためのプランニングが必要となります。

この記事を書いたプロ

桂典子

「主婦の目線」を大切にする一級建築士

桂典子(汎美設計一級建築士事務所)

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