連棟長屋のリノベーションのメリット・デメリット
連棟長屋を建替えるために必要な要件
連棟長屋を建替えるには、必ず隣家の同意が必要となります。なぜなら、隣家とつながっている壁や柱部分を切り離すため、場合によっては隣家の耐震強度などが落ちてしまう可能性があるからです。
法的には自分の家を解体、建替えすることに問題はありませんが、連棟長屋はそういった理由により自由に建替えをすることはできません。もし隣家の同意が取れなかった場合は、解体自体することができませんので注意が必要です。
仮に隣家の同意が取れたとしたら、屋根や壁などつながっている部分の切り離し、解体、建替えの流れになります。
連棟長屋の建替えのメリット・デメリット
では、連棟長屋を建替える場合のメリットとデメリットを具体的に見ていきます。まずメリットですが、以下のようなものがあります。
・隣家から独立するため敷地内であれば設計が自由にできる。
連棟長屋の場合、リフォームやリノベーションではできることに色々と制限がありますが、隣家から切り離しての建替えであれば通常の戸建を建替えるのと変わりがないので、設計の自由度はかなり高くなります。
・建替えによって住居の強度が上がる。
建替えによって構造部分を含め全てが新しくなるため、住居の強度が上がります。特に元が老朽化していた場合などは、建替えが一番、安心感があります。
・隣家の騒音がかなり解消される。
壁を切り離すことによって、隣家からの騒音がかなり抑えられます。また逆に自分の家に子どもがいる場合など、隣家に騒音で迷惑をかける心配も軽減されます。
次にデメリットは以下のようなものがあります。
・通常の建替えよりも費用がかかる
通常の建替え費用に加え、隣家との切り離しにかかる費用がかかります。また切り離すことによって起こる、隣家の壁の修繕費もかかる上、仮に耐震強度が落ちてしまった場合などにはより多額の費用を持って対応しなくてはなりません。
・利用できる土地が狭くなる。
今までは共有していた壁を切り離し、その内側部分に新たに壁を作るため、以前よりも居住スペースは狭くなります。またこれは連棟長屋の建替えに限った話ではありませんが、仮に前面の道路が4m以上取れていない場合、その分後退しなくてはならないため(セットバック)、より狭くなります。
建替えによる銀行の住宅ローンの問題
連棟長屋の建替えに関してのもう一つの問題として、銀行の住宅ローンが使えるのかどうかということがあります。結論から言うと、現在の連棟を解体し新たに戸建を建てる場合、住宅ローンを借りることは可能です。
ただし、連棟でつながっていた隣家の建物が自分の土地に残ってしまっていると、銀行はローンを貸すことを嫌がる場合があります。
この際、隣家とどういう取り決めになっているかを事前に確認しておかないと後々トラブルになるだけでなく、ローンを利用できなくなる可能性もあるので、事前確認をしっかりと行うようにしてください。