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谷光高

ゴルフの楽しさを多くの人に伝えるゴルフ場経営者

谷光高(たにみつたか) / ゴルフ場経営者

新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部)

コラム

「長所」と「短所」、そして「欠点」

2015年3月1日 公開 / 2017年2月26日更新

テーマ:社会人に役立てて欲しい「ゴルフの効用」

コラムカテゴリ:趣味

「短所を直すより、長所を伸ばせ」が正解?

最近のビジネス書などでは、人材育成や自己啓発の考え方において「短所を直すより、長所を伸ばせ」と書かれているのを多く見ます。一般的には、短所を直すことよりも、長所を伸ばすほうのが、遥かに人は伸びると考えられています。だから、短所を直すことよりも、それを裏から見て、長所を引き伸ばすことで、短所をカバーするという考え方です。

人は、どうしても苦手なところ、自分の欠点に目がいってしまいます。「短所を直すより、長所を伸ばせ」と言われても、自分自身の気持ちとしてなかなかそんな簡単に割り切れるものではありません。

パナソニック株式会社(旧社名:松下電器産業株式会社)の創業者 松下幸之助氏は長所と短所について、こう述べられています。

「お互いの長所欠点を良く知り合い、そして欠点を補い合う。そこから共同の仕事の発展が生まれる。」

人は自分の短所を自分で補おうと努力します。もちろん自分の至らなさを自覚し、謙虚に努力するのはいいでしょう。しかし、自分の苦手なスキルを、努力して自分のものにしようとするのは、時間が掛かります。それよりも、長所を伸ばした方が、はるかにその道のプロフェッショナルになれます。同時に自分の欠点を補うことができるパートナーを探し、お互いで補えあえば仕事の能率は大幅に上がり、大きな発展が見込めるという考え方です。

確かに大成功を収めた経営者には、そのトップを支える優秀な右腕となる人の存在があります。松下幸之助氏に対する髙橋荒太郎氏、本田宗一郎氏に対する藤沢武夫氏、井深大氏に対する盛田昭夫氏のような著名な事例は、お互いが補い合い、支え合って企業を成長させていったことは明白です。

「長所を伸ばすより、短所を直せ」という意見

しかし「長所」と「短所」について別の考え方が出てきました。
日本プロ野球におけるかつての名選手であり、名監督でもあった野村克也氏は、「長所を伸ばすより、短所を直せ」と言われています。

長所は伸ばそうと頑張らなくても勝手に伸びるが、短所は肝に命じながら直していけるように頑張らねばなりません。己の短所を知り、気をつけていることが大切であるという考え方です。

これらを見ると、ビジネスやアスリートにおいて、チームプレーの観点では「長所を伸ばし、短所はチームで補う」ということであり、個人の技量については「長所を伸ばすより、短所を直せ」ということなのでしょうか。

野球のような個人の技量とチームプレーとを総合的に必要とする競技でなく、完全な個人競技であるゴルフではどうでしょう?

ゴルフでは「欠点を修正するよりも長所を伸ばせ」という

坂田塾の塾長でもある坂田信弘プロは、連載されている週刊ゴルフダイジェスト(2001年1/21号)で「欠点を修正するよりも長所を伸ばせ」と述べられています。

「欠点修正よりも長所を伸ばして行った方が進歩は早い。勿論、練習量も練習の時間も少なくて済む。 長所を伸ばして行った方が遥かにスコアアップに繋がる」と松下幸之助氏と同様の考えをゴルフの指導に取り入れられています。

「スウィングの長所を伸ばし、ゴルフゲームの長所を伸ばして行けば短くて1年、長くても3年で変身出来る。短所修正で善き変身するには短くて5年かかる。長けりゃ10年かかってしまいます。
変身は長所を伸ばす事で得られるものと思う。短所修正で得られるものではあるまい。個性もそうだ。長所を伸ばして行けば個性は生まれる。
人と競争する時、短所で競争出来る筈もない。短所を修正して生じる個性は負の個性であろう。高いレベル、負の個性で戦い抜くは困難。長所で競って行くが競争理念。
しかし、その事が分かっていても人の眼は短所へと向く。短所矯正に踏み込んで行くのです。 」と書かれており、坂田氏自身が現役の頃、「短所矯正」に力を注いでしまっていたそうです。
その上で出た結論が「欠点を修正するよりも長所を伸ばせ」ということです。

ここまで見ると、個人の技量を上げるにも「長所を伸ばすより、短所を直せ」という野村氏と「欠点を修正するよりも長所を伸ばせ」という坂田氏や松下氏など、それぞれ超一流の指導者や経営者が別々のことを述べられています。
どれが正解なのでしょうか?分からなくなりました。

「短所」と「欠点」に注目すると見えてくるもの

これらを考えているうちに、また別の人の言葉が目に入りました。
船井総研ホールディングス創業者の船井幸雄氏の言葉です。

「人は誰でも生まれながらにしてその人固有の長所を持っている。それを見つけて、認め、ほめ、伸ばしてあげると、その人の持っている最大限の能力を発揮する。その人が生まれてきた自分の本当の役割を果たそうとする時、それは自分の短所でなく長所を伸ばすことで果たされる」
船井総研では、これを『長所伸展法』と名付け、人材育成のみでなく、伸びている事業などすべてのものに共通する考え方としています。

やはり、「長所を伸ばし、短所は修正しない」ということが正解なのかと思っていると、続きがありました。続きは、船井総研のコンサルティングの方が述べられています。

「間違ってはいけないのが、『短所』の定義である。 短所とは、他と比べて弱い箇所のことで、あくまでの基本レベル以上というのが前提である。 そう考えると、基本レベル以下は、『欠点』と言い換えられる。短所と欠点とはまったく別物なので、やはり欠点は直す必要がある。
長所伸展型人材育成法とは、長所は発見、伸ばし、欠点を一般レベルまで持って行くことが必要なのである。平均点以下があってはいけないのだ。」

「長所」は得意なことなので、「短所」は苦手なことです。
ところが、同じ苦手なものに「欠点」があります。

「短所」とは「あればよりよいけど、足りなくても人に迷惑はかけない、もしくは人の成長のために大きな影響はない点」です。
一方、「欠点」とは「足りないことで、決定的に人に迷惑をかける、もしくは決定的に成長を阻害する点」です。

確かに、これまでの言葉や考え方の中では、「短所」と「欠点」の使い方があいまいでした。
「短所」と「欠点」を明確にして置き換えると、今までの指導者や経営者の人たちの考え方が全て当てはまっているように思います。
「長所を見つけ伸ばすことで、短所は放っておいても、長所に引っ張られ自然に伸びていく。ただし、欠点は人並みにまでは改善しておくこと。」ということで納得がいきました。

仕事やゴルフにおいて支障をきたすような自分の「欠点」は、改善する努力が必要であり、それに目をつぶって、「長所だけをのばす」というわけにはいかないということがわかりました。

以上から自分のゴルフを照らし合わすと、『まだ私のゴルフのレベルは、すべてにおいて「欠点」の状態なので、「長所」や「短所」の話しができるレベルではない。まずは「欠点」を克服し、人並みになれるまで練習すること。「長所を伸ばす」という話しは、まだまだ遠い先の話しである』ということがよく分かりました。
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