いつのまにか他人のボールでゴルフプレー!?

谷光高

谷光高

テーマ:これだけは知っておきたいゴルフルール

「誤球」とは

「誤球(Wrong Ball)」とは自分のゴルフボールと間違って、他の人のボールを打ってしまうことです。
誤球でのプレーは打数にはカウントされませんが、2罰打が加えられたうえに自分のゴルフボールを打ちなおさなければなりません。
競技では、誤球のミスを気付かずにホールアウトして、次ホールでティーショットをしてしまったら競技失格になってしまいますから注意が必要です。

気付かずに互いに相手のボールでプレー

例えば、 ティーショットが同伴プレーヤーのボールの近くにあり、それぞれが第2打を打ったところ、実はそれが「誤球」で、互いのボールを打っていたということがあったとします。
グリーン上でボールを拾い上げて、初めて互いに相手のボールを打っていたことに気が付きました。
二人とも同じ銘柄(ロゴマーク)のボールを使用していたので、全く気づかなかったという理由が最も多いようです。

実は先日、私もこれをやってしまいました。。。
プライベートだったので、お互いに「ごめんね」の一言で済ませ、そのままホールアウトしてしまいました。
もちろんゴルフ規則では、そんな簡単にはいきません。
両者が「誤球のプレー」となりペナルティーの対象となります。

どちらかが先に打ってしまったからといって、「誤球のプレー」を逃れることはできません。「競技者が誤球に対して1または複数のストロークをした場合、競技者は2打の罰を受ける」(規則15-3b)ことになります。この場合、「誤球」のままでプレーされたストロークはスコアにカウントされません。
そして両プレーヤーは自分の正しいボールで、「誤球のプレー」が最初に起きた箇所に戻ってプレースしてプレー再開することになります。また、自分の正しいボールを探さなければならない場合、「誤球」をプレーした時間はボールを捜索するための5分間にはカウントしません。

前述したように、次のホールのティーショットを行う前(最終ホールではグリーンを離れる前)に、正しく訂正をしなかったときは競技失格となります。

もしも同伴プレーヤーに打たれてしまった時点で「誤球」に気づいた場合は、「誤球のプレー」をされてしまったプレーヤーは罰なしに、ボールを元の位置に近い場所でプレースすることになります。プレースするボールは、別のボールに取り替えることもできます。


遺棄されたボールで「誤球」

その他「誤球」についてコース上でよくあるのは、遺棄されているボールを気づかずに間違えて、もしくは故意?に打ってしまうケースです。

上記同様に「誤球」に気づいた場合は、2打の罰を加え、自分の正しいボールでプレーをし直さなければなりません。

誰も見ていないからといって、遺棄されたボールを故意に打って自球のようにプレーを続けることは「ゴルフの精神」からあまりにもかけ離れており、許されるものではありません。誰にも分からないし見ていません。しかし、もしかしたらみんなにばれているかもしれません。指摘をされないくても、そんな不安を感じながらプレーを続けても楽しくないですから。
5分間探してもボールが見つからない場合は、正直にロストボール(紛失球)及びO.Bとして正しく処置してください。

マイボールには必ずマークを!

ほとんどの「誤球」は「自分のボールはこれに間違いない」「自分のボールはここに落ちたはず」という思い込みが発端となっています。
「誤球」のペナルティーは 2罰打 (マッチ・プレーでは そのホールの負け)と大きいので、どんな場合でも、念には念を入れて自分のボールであることを一度確認してからショットをしなければなりません。
プライベートコンペであっても、ルールに詳しい人や厳しい人と一緒にプレーする場合、いい加減な対応で済まされないこともあるかもしれません。

必ず自分のボールが確認できるようにマークを付けましょう。どの位置からも見えるように何か所かマークを入れるようにしてください。
そしてスタート前には、全員でボールの確認をするようにしましょう。

またO.Bの後などでボールを変えるときには、必ず次に使うボールのブランドと番号を確認して同伴プレーヤーに伝えるように心掛けましょう。

確認のための「ボールの拾い上げ」は要注意

「あるがままのプレー」が原則のため、パッティンググリーン以外でボールを拾い上げることはできないことが前提ですが、ボールの確認をする理由でボールを拾い上げることはできます。ボールを拾い上げるときには、必ずマークをしてから拾い上げ、ボールはリプレースされなければなりません。
リプレースするときには、ボールを拾い上げる前のライに出来る限り近い状態を再現しなければなりません。またボールを拭いて綺麗にすることもできません。

ただし、ボールに付いている泥のために自分のボールかどうかを確認出来ない時は、確認に必要な最小限の泥を取り除くことができます。
ボールをタオルなどで必要以上に拭いてキレイにしてしまうと、一打のペナルティーが科されることになりますのでご注意を。
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谷光高
専門家

谷光高(ゴルフ場経営者)

新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部)

一部の人が楽しむゴルフから、誰もが気軽に楽しめるゴルフへ。日本のゴルフ文化を変えるため、ゴルフ初心者へのサポートや子どもたちへのレッスン、学校の授業などを行い、初心者にゴルフを楽しむ機会を提供している

谷光高プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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