樹木の「支柱」の有無で、ゴルフルールの適用が変わる!「障害物」について

谷光高

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テーマ:プレー中のボール・トラブル救済ルール

「障害物」の定義

ゴルフのルールには、プレーに影響を及ぼすような、コース内にある人工的に作られたものを「障害物 (obstructions) 」という呼び方で括られています。
これには「動かせる障害物」と「動かせない障害物」とに分けられます。

「動かせる障害物」とは、特別な労力を必要とせず、また不当にプレーを遅らせることなく、さらにそれを壊さなくても動かすことができるものと定義されています。

例えば、コース内には樹木を支えている「支柱」があります。支柱のある樹木の根元にボールが止まれば、「支柱」を「動かせない障害物」とみなし、救済の対象となって無罰で動かせますが、「支柱」のない樹木の根元にボールが止まったときは、そのまま打つか、どうしても打てない場合は、1打付加してアンプヤブルの救済となります。
同じ樹木でも「支柱」の有る無しで救済が変わります。

また、コース内にポイ捨てられたゴミの入った袋の横にボールが止まっていた場合、そのゴミは「動かせる障害物」として扱われ、直接的にスタンスやスイングの邪魔となる場合、救済を受けることができます。

以下に「障害物」の定義や救済法を載せていますので、ぜひ知っておいて下さい。

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ボールの近くに「障害物」があるためプレーに影響を及ぼす場合は、規則24 障害物 の規定に従って救済を受けられる場合があります。

障害物の具体例

まずは、「障害物」の具体例を考えられるだけ列挙します。

●「動かせる障害物」
バンカーの砂慣らしに使う「レーキ」、ティーショット後のティーマーカー、黄杭・赤杭・青杭・距離表示杭などコース内にある杭(O.B杭以外)、ロープ、空き缶・ペットボトル・紙コップ、その他軽量のゴミ等、コース管理用道具や機械、作業用トラック

●「動かせない障害物」
樹木の支柱、散水用のスプリンンクラーヘッド(ノズル)、地中に埋め込まれた距離表示板、マンホールのふた、舗装(ゴルフカート)道路や通路の上や側面、排水用U字溝、コース内にある避雷小屋などの構築物、簡単に抜けないコース内にある杭(O.B杭以外)

※「動かせる障害物」であっても、ローカルルールを作って「動かせない障害物」に指定することができます。

次のものは「障害物」ではありません。
・O.Bの境界を定める杭や柵など。
・動かせない人工の物で、アウトオブバウンズにあるすべての部分
・委員会によりコースと不可分の部分に指定されているすべての構築物

その他、コース内において「障害物」ではない人工の物は、自分の「携帯品」と「局外者(自分のクラブや携帯品、キャディ以外の人や物のこと)」は「障害物」にあたりません。

「携帯品」にボールが当たった場合ペナルティーが付いたり、「局外者」に当たった場合は、罰なしにあるがままプレーしなければいけなかったりと、それぞれ基準のルールがかわりますので、覚えておいてください。

障害物からの救済

障害物が、スタンスやスイングの直接妨げになる場合に救済を受けることができます。

動かせる障害物からの救済

ボールが「動かせる障害物」の中に入ったり、その上に乗っている場合、その障害物を無罰で取り除くことができます。ハザードの中でも同様に処置できます。

もしも取り除く動作によって、ボールが動いたとしても無罰でリプレース(ボールを元の位置に戻す)することができます。
また、ボールを拾い上げてから障害物を取り除くこともできます。その場合は、障害物を取り除いてから、ボールがその障害物の中や上にあった場所の真下の地点に最も近い位置で、ホールに近づかない場所にドロップしなければなりません。パッティンググリーン上では、いずれの場合もボールがあった最も近い位置にプレースとなります。
動かせる障害物(規則24-1)の救済によりボールを拾い上げた場合は、ボールを拭くことができます。

★注意!
ボールが動いているときは、そのボールの動きに影響を及ぼすかも知れない障害物を動かすことはできません。ただし、付き添われていたり、差し上げられているピン「旗竿」は動かしても構いません。

動かせない障害物からの救済

ウォーターハザードやラテラル・ウォーターハザードにあるときを除き、ボールが「動かせない障害物」の中に入ったり、上に乗っている場合、その障害物を無罰で取り除くことができます。

★それぞれの場所での救済法
●スルーザグリーン
①ハザードでもグリーン上でもない場所にまず「救済のニヤレストポイント」を決めてマークします。
②拾い上げた球を「救済のニヤレストポイント」から1クラブレングス以内で「救済のニヤレストポイント」よりホールに近づかず、動かせない障害物からも避けられ、ハザードでもグリーン上でもない場所にドロップします。
●ティーインググラウンド
ボールがティーインググラウンドにあるときは、ボールは罰なしにスルーザグリーンと同じ方法でドロップすることができます。
●バンカー内
①ボールを拾い上げて、罰なしにスルーザグリーンと同じ方法でドロップすることができます。
ただし、「救済のニヤレストポイント」はバンカー内に決めなければいけません。
②もしバンカー内で「救済のニヤレストポイント」を決めることができないとき、1罰打を付加し、ホールとボールとを結ぶ線上で、そのバンカーの後方にドロップすることができます。
●パッティンググリーン上
ボールがパッティンググリーン上にあるときは、そのボールを拾い上げ、ハザード以外のところの「救済のニヤレストポイント」にプレースします。「救済のニヤレストポイント」はグリーン外であっても構いません。
動かせない障害物(規則24-2b)の救済によりボールを拾い上げた場合は、ボールを拭くことができます。

★注意!!
ボールがウォーターハザード(ラテラル・ウォーターハザードを含む)内にある場合、プレーヤーは動かせない障害物による障害からの救済を受けることはできません。プレーヤーはボールを「あるがままの状態」でプレーするか、ウォーターハザード及びラテラル・ウォーターハザードに入ったボールの救済(規則26-1)となります。


これら「障害物」のルールは、知っているだけで自信をもって楽しくプレーできます!
ぜひ、覚えておいてくださいね。
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谷光高
専門家

谷光高(ゴルフ場経営者)

新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部)

一部の人が楽しむゴルフから、誰もが気軽に楽しめるゴルフへ。日本のゴルフ文化を変えるため、ゴルフ初心者へのサポートや子どもたちへのレッスン、学校の授業などを行い、初心者にゴルフを楽しむ機会を提供している

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