夫の本音を知るには
最近、住宅地を散歩していると、割と連名の表札を目にします。
明らかに親子同居や二世帯住居は省き、割と夫婦だけで住んでいると思われる
マンションなどで、連名の表札が、こんなにも多いのか、と驚いています。
私は若い頃、結婚相談所をしていましたが、当時でも、年配の再婚者同士の方で
入籍の無い事実婚を望まれる方が時々、いらっしゃいました。
私の仕事はお出会いをし、結婚の道へと導く事までが役割なので、お出会いが成立した後、
事情が起きて入籍が出来なくなる方もいるので(例えば喪中に入るとか)入籍の時期や義務などは
本人同士の問題で、本人たちが納得をしていれば、入籍の義務はありません。
また中年以降の再婚には、互いのこれまで作り上げた家族が居て、その家族の気持ちにも配慮しないといけない為、好きな人が出来たから、即、入籍とはならないのです。
また、幾ら、今、出会った人を大切にしたいと思っても、既に築いてきた家庭や、家族の事もないがしろにはできないので、そうした自分のこれまでの家族とのバランスが大事です。
しかし、これがそんなに簡単に答えを出せる物でもありません。
【入籍無しの結婚生活】
そこで、次の人生は、入籍無しの婚姻生活となる訳ですが、これは、男性と、女性とでは、立場が異なり
男女、同じ感覚とは言えません。
男性は、もし、これまで築いてきた家族と同様、それなりの財産があれば、実子の子供達に残してあげたいだろうけれど、新たに出会った女性とは、恐らく人生の最後まで行く相手と思えば、その人の人生を守ってあげたくなりますし、女性にとっても、その男性が病気になれば家族として、看病や介護をする覚悟もあるかと思うのです。そんな女性に対し、残してきた血のつながった子供達に、財産を全て渡してあげたいと思ったら、その女性にとっても、残りの人生をその男性に捧げようという意欲が、少しそがれるという事もあるかもしれません。
また、女性にとっては、自分の夫となる人に添い遂げようとする場合、それは健康面でのお互いの不安があるはずです。結婚とは、そこまでを視野に置いて、お互いが支え合えるかどうかが問われるのです。
その時に、入籍をした結婚と、そうでない結婚とが、「愛があれば」同じとは言い切れないのです。
【無償の愛では食べていけない】
無償の愛を信じられた若い頃と違い、人生の後半は、どうしても、生活という事を現実的な問題として圧し掛かります。
と、言う事で、クドクド書きましたが、要は、人生の後半の結婚は、お互いに相手の暮し、生活、健康、これらが若い頃と違い、現実的に負荷が多いのです。
私が結婚紹介で仲介をした男性は、残してきた子供達に対して、財産の殆どを、生前贈与して、次の結婚には、
最小限のお金を持って、再婚しました。
そうすれば、子供達からも次の結婚を応援して貰えて、幸せなスタートを切れました。
しかし、そういう整理がキチンと出来ない場合は、子供達が再婚相手に父親の財産を奪われるような感覚を持ち
再婚を応援してくれなくなります。
だから、再婚に際しては、実子の子達への理解を得る事が、再婚のハードルになる事も多いと言えます。
その為かどうかは、分かりませんが、中年以降の再婚は、入籍なき事実婚というような同棲になるのです。
もちろん、その理由だけでもないでしょうけれど、一昔前に比べると、実際に事実婚をされているカップルが本当に増えました。
それは結婚の形の多様化というよりかは、複雑化と私には思えて仕方がないのです。
事実婚の長所としては、お互いに、割り切った関係性を保てます。
反面、短所としては、本当の意味で、割り切る為に、別れというハードルも低くなります。
【離婚は大変というけれど】
事実婚で、実際に入籍した夫婦でも、添い遂げる夫婦は、添い遂げますが、事実婚の場合、入籍して無い分だけ
心情的な事は別として、別れる手続きが簡単です。そういう意味で、一段、事実婚の方が、人生の最後まで、添い遂げようとすれば、入籍ある夫婦よりも、努力が必要かも、と思うのは私だけでしょうか?
他にも、事実婚のメリット、デメリットは沢山ありますが、やはり大きなネックになるのが、前の家族の同意ではないでしょうか?
子供達も、自分の父親が、寂しく老後を過ごすより、暖かい手料理を突ける伴侶が居てくれる方が、子供達にとっても、良いと思うのです。
だから、それを阻むよりも問題に難じる点を結婚前に片付けておいて、父や母の再婚を賛成してあげることが、
子供達にとっても安心材料になりませんか?
私は、別性の名前が2つ並べて書いている表札を見ては、そんな事を妄想しています。
では、今日はここまで。